今回の自衛隊中東派遣は 言っていることと やっていることとの 乖離が はなはだしい。
「自衛隊派遣のきっかけは、トランプ米大統領が、ペルシャ湾やホルムズ海峡などを監視する有志連合の結成を提唱し、各国に参加を求めたことだ」という記事を読み、当然、ペルシャ湾やホルムズ海峡などを監視するのだと思っていた。
ところが、イエメン沖が今回の派遣したP3C哨戒機の活動範囲になる。このP3C哨戒機の拠点は、イエメンの対岸のジブチ共和国にある。しかも、米軍の基地の隣にあるという。
私はうかつだった。自衛隊は、海外に軍事基地をもっていたのだ。
イエメンでは内戦が起きていて、サウジアラビアは毎日イエメンを空爆している。そのサウジアラビアに、自衛隊派遣とともに、安倍首相は外遊している。これはなんだ。
ジプチの日本の軍事基地は2011年6月に開かれたという。400人の自衛隊員が常駐しているという。2011年は民主党政権の時代である。沖縄に新たな基地をつくらせないと言っていたとき、イエメンの対岸に、米軍の隣にイヌ小屋のような小さな基地をつくった。
日本の国会はどうして、自衛隊の海外軍事基地を承認したのだろう。
これまでの任務は、「海賊対処」だという。海賊がいたら、どうしていたのだろう。
こんどの60人派遣は、これまでの「海賊対処」活動と どうちがうのだろう。「日本関係船舶の安全確保を目的とする情報取集」とは、何かがまったくわからなくなる。
確実に言えることは、米軍の補完勢力として、日本が中東に軍事力を行使するための既成事実をつくっていることだ。日本人は、もう一度立ち止まって、自衛隊の中東派遣を考え直す必要がある。