猫じじいのブログ

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イージス・アショアはもともと無理筋、合理性の重視を支持する

2020-06-16 23:21:23 | 政治時評


河野太郎防衛相は6月15日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を停止すると発表した。安全性を担保するには、システムの大幅な改修が必要で、その費用、期間を考えれば配備は合理的でないからという。

私は、「合理性」を重視して、システムの配備を停止するのに、賛成である。ついでに、辺野古の飛行場建設も中止すると良い。

イージス・アショアは、アメリカのトランプ大統領から米国製兵器の購入増を迫られた後の2017年12月イージス・アショア2基の導入を急遽閣議決定した。

イージス・アショアは、もともと、アメリカの海軍の戦艦に乗せるために作られた迎撃ミサイルシステムである。それを、陸上にもってくるのだから、あらゆる面で不都合がでるのはあたりまえである。

昔、アメリカで陸上の川のそばに設置するために設計された原子力発電所を、日本では海岸に設置したため、2011年の津波で福島第1原発事故を起こしてしまったことを思い出す。

迎撃ミサイルを打ち上げた際に切り離す推進装置、ブースターが海であればどこに落下するか、それほど問題ない。陸上に設置するから、住宅地に落ちる心配が出てきた。

海上では、海が平坦だから、レーダーに死角が生じない。陸地に置くから死角が生じる。

なぜ、駆逐艦搭載型イージスBMDシステムを陸上にもってきたのか、不明だが、中止するのがいい。

元防衛大臣の小野寺五典は、きょうのBSフジ プライムニュースで、陸上自衛隊員が地道な仕事に向いているから、陸上に配置したというが、それは明らかなウソである。たぶん、中国やロシアを刺激しないために、迎撃ミサイルを駆逐艦に搭載するのをやめたのであろう。

しかし、日本の防衛政策はいいかげんである。米政府の顔をたてるために、すなわち、政権党の選挙対策に有利なように、兵器を購入したり、米軍基地の維持費を支払ったりしている。こんなことをしていて、いいのだろうか。

そもそも、なんのために、日本は軍事力をもつのか。

多くのアメリカ人は、建前では、自由と民主主義を唱えるアメリカ合衆国の憲法を守るために、戦うという。現実の政府や国会議員は強欲なろくでなしだから、そのために戦うなんては言えない。

安倍晋三もその祖父の岸信介も、アメリカに行くと、「民主主義と個人の自由」のために日米安全保障条約を結んだという。ところが、日本では、安倍晋三は、「国民の生命と財産」のために、2015年、安保法制関連2法、平和安全法制整備法と国際平和支援法を国会で通したという。

本当は何のためか。

私は、日本の首相が日本人でなくても、自由と民主主義をまもられるなら、かまわない。安倍晋三や天皇や経団連会長が戦車にひき殺されたってかまわない。

日本の大企業を守るために、アメリカの兵器を買い、米軍基地の維持拡張のため多額のお金を払い、原発のときと同じく、沖縄や地方にその負担を押し付けている。

私には、守るに値する民主主義と自由の国であることの方が重要である。日本が軍事大国であるよりも、日本の政府が国民へのサービス機関に徹する方を支持する。