猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

「暗殺」でも「テロ」でもない、個人的恨みからくる安倍晋三殺人事件である

2022-07-11 22:34:54 | こころ

3時間前、NPOで私の担当の22歳の青年からメールを受け取った。彼は「残響レコード」ファンで、バンドösterreichの『無能』を紹介するエッセイを私に送ってきた。

彼は、安倍晋三が殺されたことに動揺し、3時間でエッセイを書き上げたと言う。

彼は、3年前、両親が離婚したのと時を同じくして、抗うつ薬の服用を無理にやめようとしたことで、形相が変わるほど、重い強迫性障害を起こした。その年、5月の登戸無差別殺傷事件、7月の京アニ放火事件が起きたが、自分もそういう行動を起こすのではないか、という不安が自分の心のなかを駆けめぐったと彼は言う。

京アニ放火犯は、自分自身も大やけどを負い、病室で「こんなに人に尽くしてもらうのは初めてです。ありがとう」と言ったという。私の担当の青年は、その言葉に共感してしまいながら、自分もそちら側になるうる人間だ、と、悲しみに沈んだという。

いま、安倍が殺されたことが、彼にその頃の自分の苦しみを思い出させたという。そして、そのとき、自分の不安を和らげてくれたのが、österreichの「無能」の歌詞であるという。

彼がメールを送ってこなければ、私は、安倍殺人事件の犯人の気持ちを思うこともなかった。

犯人のディープストーリーの中では、安倍を殺さなければならない、理由があったはずと彼は言う。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の重い献金要求が犯人の家を経済的に破綻させ、家庭が崩壊し、自分の兄を自殺に追い込んだという。そして、安倍とトランプは旧統一教会を讃えている。犯人は憎しみの対象を安倍晋三に変えた。そして、犯人は殺人を犯した。

犯人の妄想かもしれないが、妄想の中に真実が隠れていることもある。

私は、安倍晋三がもう少し慎重で死なないでくれれば、犯人は殺人犯にならないで済んだだろう。安倍は、左翼をぶっ潰すことに情熱を注ぐ、トンデモナイ男だった。こんな最低の男を犯人は殺さないで済んだのだ。

安倍晋三が軽薄な悪人なら、岸田文雄は狡猾な悪人である。

岸田は、参院選の選挙運動に「安倍殺人事件」を利用した。「暗殺」だ、「テロ」だ、「民主主義への攻撃だ」と涙声でテレビの前でしゃべった。選挙に勝ったきょうの会見では、安倍晋三の遺志をつぎ、「拉致問題解決」だ、「憲法改正の発議」だと気勢を上げていた。