猫じじいのブログ

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何が正しいか、何をすべきかの論点を提示しない参議院比例区選挙公報

2022-07-02 22:50:12 | 政治時評

今、手元に参議院比例区代表選出の選挙公報を手にしている。

自民党のページの上段には、岸田文雄総裁の神妙そうな顔写真があり、大見出しの標語『決断と実行。暮らしを守る。』の下につぎの文が添えられている。

〈日本が次々に直面する壁を、確かな決断と実行で乗り越え続ける。私たち自民党には、様々な声を受け止め、活かし、確かな方針を生み出して行く力があります。自民党は、皆さんの暮らしを守り抜きます。〉

どこにも具体的な約束がなく、自民党は「力」があるから信頼しろとしか言っていない。

下段に33名の比例区候補の名前と顔写真と簡単な「口約」がのっている。比例区で党の「公約」らしいものがなく、個々人の「口約」だけだとは、選挙民をバカにしているようにしか思えない。

じっさいには、先月、岸田はアメリカのジョー・バイデン大統領に日本の軍事力をいままでになく強化し、中国と対決すると約束している。また、機会あるごとに、岸田政権時に日本国憲法を改正するといいまくっている。また、原発の再稼働を進めている。この夏の節電キャンペーンはそのためのものである。それなのに、この「比例区」の選挙公報には、自民党としての公約らしきものがない。自民党は選挙民から隠さなければならないことをしようとしている、あるいは、しているのだ。

これに対抗する立憲民主党の選挙公報もなさけない。大見出しは『今こそ生活安全保障が必要です。』の文につぎの文と3つの公約?が加わる。

〈「安全保障」とは、国家の平和から経済、暮らし、雇用、教育、食料、エネルギー、デジタル、社会保障、全てに関わる概念。全てを包摂する言葉です。今こそ、その全てを「生活」の目線から見つめ直す。それが「生活安全保障」です。あなたの暮らしに「安心」を届け、この国の平和と一人ひとりの「命」を守り、「人への投資」で、次世代に誇れる支え合いの社会を作ります。「もっと良い未来に」に向け、ともに歩みましょう!〉

やたらと長いが、曖昧でなにかをごまかしているように思える。「国家の平和」というトンデモナイ言葉は党の誰が考えついたのか。

公約は、「1.物価高と戦う」、「2.教育の無償化」、「3.着実な安全保障」である。10年前の民主党の選挙公報と比べたら、あまりにも情けない。マニフェスト選挙に戻るべきである。

立憲民主党は、軍事費増大反対、憲法改悪反対、生活保護・福祉の充実、原発再稼働反対、原発の廃炉、消費税の廃止、教科書検定反対、労働法の規制緩和反対、大企業優先反対と、もう少し、ガツンと言うべきである。こう書いていて「反対」が多いということは、いまの政権が思想統制、軍事優先、経営者優遇をおし進めているのに、野党がそれに反対しないことに私が怒っているからだ。

自民党総裁の岸田文雄も、立憲民主党の代表の泉健太も国民をバカにしている。