猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

読むことが苦手の、愛すべき理数系の子ども

2020-10-21 22:51:14 | 愛すべき子どもたち


私がNPOで担当している高校生が、入学して初めての期末テストで、先週、電気基礎を満点、数Aを88点とった。彼は、得意科目の数学で、3問も間違ったということが とても悔しいという。いつのまにか、ずいぶん欲が出てきたものだ。

中学で通級に通っていた子で、覚えることと、人から指図をされることが、嫌いだと言う。中学の夏の宿題で、消費税増税反対の作文を書いたユニークな子だ。

彼の一番好きな理科を、中2からNPOで私が担当した。同僚が英語を担当した。中3から、もう一人の同僚が国語教えた。

彼は、NPOの教室のすぐそばの市営高層住宅に、母と姉といっしょに住んでいる。母子家庭である。

教室から歩いて5分の所に住んでいるのに、低気圧が近づくと、体の調子が悪くなって、NPOでの勉強を休む子だった。

理科が好きだということで、分子模型をもちこみ、水分子の電荷分布、電解質の特性の理由、タンパク質やDNAの分子構造など、ずいぶん偏った、しかし、突っ込んだ理科を教えた。理科が好きな その子も、光が重力で曲がるのはどうしてか、とか、何でも聞いてきた。私も、物理で博士まで取ったのに、簡単明瞭に説明できない自分に気づいた。それでも、覚えることより、理解するという理科教育を、曲がりなりにも実施できた。

理科の成績が最初にあがった。これは、彼自身、欲が出てきたからである。テスト勉強は、教科書を丁寧に読んで自分でしろと私は言っただけで、私は教科書から はみ出した話をして、理科への好奇心を強めるよう働きかけた。

彼は、ワーキングメモリーが不足しているようで、英語や国語のように、読むことが基本の学科が苦手である。数学や理科は、図や式を書いて物事を理解するので、ワーキングメモリーが少なくてすむ。

英語を担当した同僚は、CDで英単語の発音を聞かせ、まねて発声させた。同じ語を何度も何度も繰り返してリズムよく発声するのである。いつの間にか、単語が文になり、覚えることの嫌いな子が、なんとなく英語を理解できるようになった。

国語を担当した同僚は、文章中の大事だと思われるキーワードに線を引いて読むことを教えた。

神奈川県の高校入試は記述式でなく選択肢の問題なので、英語や国語でも、そこそこの点を取れるようになった。そして、今年の2月に、彼は、希望の県立工業高校電気科に、無事、入学が決まった。

高校で、ロボットと柔道の部活動も始めた。欲が出てきたと同時に積極的になった。私は、健康第1で、無理をしない高校生活を送って欲しいと願っている。


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