にゃんこままの部屋

その時々に感じたことを、日記風につづります。

「ベルサイユのばら」②

2006-06-17 17:03:52 | 舞台 イベント
宝塚歌劇団「月組」で上演されると決まり、初めて宝塚歌劇を観た最初の感想は、舞台装置のすばらしさと、戦闘場面をダンスで処理する手際よさ、 大階段を断頭台への階段に見立て、アントワネットが処刑されたであろう次の瞬間、そのままフィナーレの電飾付きの華やかな大階段へと様変わりするあたり、「さすが!これぞ宝塚!!」とわれ知らず、心の中で叫んでいた。

それから、私の永い宝塚がよいが始まる。

もちろん、この舞台を観て自分たちの 力で、アマチュア「ベルばら」の劇もした。(このころ、ちまたでは「ベルばら」劇が流行った。) 

衣装も自分達で間に合わせ、舞台も手作りで。高校3年生という多忙な時期であるにもかかわらず、今やらねば!と言う熱意で上演した。(勉強ははっきり言って捨てていた。)

私が演じたのは、パリの下町でパンを買うお金を稼ぐために身を売ろうとしてオスカルの馬車に近づき、結局オスカルに助けられる少女ロザリーを演じた。
ロザリーはその後オスカルの計らいで、貴族の教育を受けるが、1市民のジャーナリスト、ベルナールと結婚して、マリー・アントワネットの最後を看取る女性である。
世話になるオスカルを女性と知りながら、恋心を抱いてしまう読者の心を代表する役割も果たしている。

配役にあたって、自分でこの役を希望し、この役を精一杯演じ切り、満足した私は、演劇部に所属はしていたが、この役でもう充分してしまい2度と自分が何かを演じたいとは思わなくなった。
それほどこの役は私にとって意義深いものであった。これ以上の役は私にはないと思ったからである。

このロザリーと同じように、架空のオスカルに惹かれ、後、普通の男性と結婚したのであるから、ロザリーは私のその後の人生の青写真のような存在であった。

ロザリーを演じるに当たって、友達の一人からは、「もっと可愛い子がいないの?」とか、ずっと後になってからある人に、「目は大きいんだけどねぇ。オスカルの姪のル・ルーちゃんならもっとあってたかもね。」と言われてしまう私だが・・・。

    (ル・ルーは、オスカルの姉の子。物語の展開に何ら影響を与えることのないキャラクターだが、ギャグっぽい場面で登場し、その場を笑いと和みの雰囲気に変えてしまう、お話の中では癒しの存在である。目の大きいところだけ、ロザリーに似ている。)



「ベルばら」は当時全国いたるところで、アマチュアも含めて演じられた。
宝塚のみならず、S79年海外でもカトリオーナ、マッコールという新人女優がオスカルを演じた「レディ・オスカル」という実写映画もでき、日本で上映もされた。
アニメでも、S79年10月10日~S80年9月3日までTV放映された。
現在、朝日新聞土曜版に「ベルばらKids」のコーナーが設けられている。
エンターテインメントブログ「ベルばら Kids ぷらざ」 ももうけられている。





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「ベルサイユのばら」①

2006-06-17 15:42:50 | 舞台 イベント
「ベルサイユのばら」いわゆる「ベルばら」は、漫画家である池田理代子さんが、少女劇画の週刊誌「マーガレット」に連載して大人気を博した作品である。

そしてこの作品は、「ベルばら」の愛読者であり、宝塚歌劇のファンでもあった人たちが、宝塚歌劇で「是非上演して欲しい。」と言う希望を、宝塚歌劇団が取り上げ実現した作品である。
宝塚歌劇団はこの作品を上演して空前のヒットを放ち、宝塚歌劇の第2黄金期を築いた。
そして、再演、再々演されることによって、いつしか宝塚のお家芸となっていった。



私が「ベルばら」を知ったのは、高校生の時、友達から教えて貰ったのがきっかけで、劇画のオスカルに強く惹かれ、お小遣いで単行本全巻をそろえた。

オスカルは、伯爵家の令嬢として生まれながら、家の事情で男子として育てられ、王妃マリー・アントワネット付きの近衛隊長となる、男装の麗人である。

「ベルサイユのばら」は、フランス革命勃発直前の18世紀の激動のフランスを舞台に、王妃マリー・アントワネットとその恋人スウェーデンの貴公子フェルゼン、マリー・アントワネットに仕える男装の麗人オスカルの3人を主に描いた物語である。
池田理代子さんは、実在の人物であったマリー・アントワネットとフェルゼンの他に架空の人物であるオスカルを加えることによって、作品に重身を持たせている。

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは、代々フランス王家に仕える名門ジャルジェ家の末娘として生まれるが、男子が産まれないことから、幼少から跡取り息子のように育てられる。
オスカルの護衛として子供の時から遊び相手として育てられたアンドレは、いつしかオスカルを女性として愛するようになっていった。
やがて近衛兵となったオスカルは、オーストリアから嫁いできたアントワネットの護衛となり、近衛隊長にまで出世していった。

アントワネットは、スウェーデンからフランスに社交界デビューしたフェルゼンに思いを寄せ、二人はいつしかお互いに愛するようになっていった。
オスカルも自分が男子として育ちながら、いつしか、フェルゼンに思いを寄せるようになっていった。

パリの街に偵察に出かけたオスカルは、貧しいパリの人々の様子に目を覆い、フランスの真実に目を向け、民衆のことを考えるようになる。
そして父の反対を押し切り、近衛隊長から、フランス衛兵隊の副官として任務に就き、民衆を守ろうと決意する。
やがて軍隊が民衆に刃を向けたとき、彼女はフランス衛兵隊を率いて、民衆を守り、民衆と共に戦い、バスティーユ攻撃の勝利と共に、敵の銃弾に倒れ息を引き取るのだった。
彼女の死と共に、フランス革命は本格的となってゆく・・・。

主役の一人のオスカルの死までをざっと書いたが、詳しく書けば、その間に幼なじみのアンドレの愛を受け入れ、出動前夜2人は結ばれる。そしてオスカルの死の前に、既に目の不自由であったアンドレが戦死する。

ドラマチックな展開の劇画に多くの少女がファンになり、宝塚で舞台化されると、そのままヅカファンになっていった人も多かった。

かく言う私もその一人である。
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