悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真408 うたごころ

2007-07-28 00:10:00 | 短歌写真
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うたごころ絶えてかるるぞなかるべき
ショコラの滝の如くありせば   悠山人

○短歌写真、詠む。
○秀吉聚楽第用陶器・・・ではなくて、チョコレイト・ファウンテン。米国から入って来て、このごろ結婚式などで人気が出始めているようだ。私の言う、いわゆる「軽チャー」である。音調上、「チョコレイト」を「ショコラ」、「泉」を「滝」とする。「かるるは~べし」なら、「如きなりせば」。
□短写409 うたごころ たえてかるるぞなかるべき
        ショコラのたきの ごとくありせば
【写真】ショコラの周囲は、ガンマぼかし。新橋のDホテルで、先日。

俳句写真135 なりはひは

2007-07-27 01:35:00 | 俳句写真

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なりはひは
なべて露天の
たくましさ     悠山人


○俳句写真、詠む。
○埃及の都市部では、露店商で生活用品を揃えるのが、ごく普通。たとえ女性の下着であろうと、当たり前の風景である、とガイド氏の言葉。第二次大戦直後の、日本の姿でもある。
□俳写135 なりはひは なべてろてんの たくましさ
【写真】カイロ郊外、アレクサンドリア市内で。
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【埃土雑記】6

2007-07-27 01:20:00 | 【埃土雑記】

【埃土雑記】
6 結城 希(63歳 主婦)
 エーゲ海、エーゲ海。何回も口に出してみた。「エーゲ海に捧ぐ」、よかったなあ。私も小説、書いてみたかった、「エーゲ海に恋す」なあんて題で・・・。それも還暦の声を聞いてからは、遠い木霊になってしまった。夫からはすっかり夢遊病者扱い、頼みの梓までもが「いつまで二日酔いの戯言、並べてるのよ」、などと口にする始末。小説はダメになったとしても、エーゲ海クラブの永久会員としては、片思いの恋を諦めるわけにはいかない。
 午後の自由時間は何処へも出ないで、もっぱらホテルのプールで過ごした。日本では毎日五千は稼いでいたから、この長期旅行中はすっかり体が鈍っている。それにしても、ヘクターというホテル名も、エーゲ海の形をしたプールも、三連泊も、みんな私は気に入った。そのプールから椰子林を百メートルも歩くと、そこは海岸。実は午後イチで、梓と少し泳いでみた。遠浅で水温も低めだったので、軽く流すだけで上がった。この前エーゲで泳いだのはキオスだったから、もう十年ぶりくらいになるだろうか。それでも、「エーゲ海に泳ぐ」にカウントできるのを、僥倖とした。父がハデスの門をくぐって幾星霜、私は長く反発していたが、けっきょくは彼の呪縛から逃れられないばかりか、その希臘憧憬から付けられた私の名は、父以上に希臘教の信者である証になっている。
 それはそうと、Xさんのこと、初めてこのメモに書く。私はどちらかと言えば社交的、誰とでもこだわりなく話をする方である。はっきりした証拠はないが、どうもXさんは、普通以上に私に関心があるらしい。プールのときも、海岸のときも、気がつくと視野に入っているのだ。何か不快な目にあうとか言動があるとか、そういうわけではない。Xさんて、五十台後半の男性で、単独参加。ときどきグループから離れて、遠くを見ている。そういう方なので、もしかしたら、私に何か訴えたいことがあるのかも知れない。すべては時が解決するだろう。
 =編集部注=結城さんは、とても物静かな方。時間をみては、こまめにミニ・スケッチブックを出していました。
ET50


短歌写真408 子午線の

2007-07-26 02:15:00 | 短歌写真

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子午線の宿より透かし見る月は
急ぎ細りてピュラミスに入る   悠山人

○短歌写真、詠む。
○トルコからエジプトへ舞い戻る。成田からカイロへ降り立ったとき、ライフルを身に着けた男たちが何人もいて、緊張したが、どういうわけか、イスタンから地中海を一跨ぎしたら、ずいぶん閑散としていて、拍子抜けした。エーゲ海の畔で満月を見てから、もうこんなに痩せたのか。ピュラミス(ピラミッド)は画面の下方向になる。
¶子午線の宿=ホテルの名。入口銘板には「Le Méridien pyramids」。注釈不要の作歌を心がけるべし、と心のどこかに聞えて来たが、たまたま晶子・鉄幹の芝居が、間もなく明治座にかかるのを思い出した。分かり易いところで、例えば彼女が夫を慕って、はるばる巴里まで行ったときの、たくさんの歌群。背景を知らないで、ただ三十一文字だけで歌を理解しようとすると、かなり無理が生じる。
□短写408 しごせんの やどよりすかし みるつきは
        いそぎほそりて ピュラミスにいる
【写真】月だけをズーミング・アップさせた。朝六時半ごろ、カイロ郊外のギザで。

ET49


俳句写真134 汐留の

2007-07-26 02:10:00 | 俳句写真

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汐留の
浜にそよぎて
白き木綿   悠山人


○俳句写真、詠む。
○いま、「シオサイト」と洒落る汐留。浜木綿の傍らで、一日潮風に吹かれる。
¶浜=「汐」の縁語であり、「木綿」の頭へ繋げて花名。
□俳写134 しほどめの はまにそよぎて しろきゆふ
【写真】梔子と一見同質の花びら。近くで若い母が長い時間、幸せそうに娘のモデル撮影をしていた。先日。


短歌写真407 トプカプの

2007-07-25 00:30:00 | 短歌写真

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トプカプの紫陽花日土の親交の
証となりて今日も咲きをり   悠山人

○短歌写真、詠む。
○トプカプ宮殿の庭に、その昔、オスマン・トルコ帝国のころ、日本・土耳古の友好を記念して、日本から贈られた紫陽花が咲いている。時あたかも今、上野でトプカプ展開催中(既報)。
□短写407 トプカプの あぢさゐにちどの しんかうの
        あかしとなりて けふもさきをり
【写真】花数はあまり多くない。

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俳句写真132 凌霄の

2007-07-25 00:20:00 | 俳句写真
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凌霄の
咲きて大暑も
過ぎゆけり   悠山人


○俳句写真、詠む。
○「のうぜんかずら」の漢字表記は「凌霄花」、学名は Campsis grandiflora。「のうぜん」は、古名「のうせう」の転、と『広辞苑』は記す。さらに、漢字表記を私は、「りょうせうくゎ」と歌に詠む。きのうは大暑。
¶大暑(たいしょ)=二十四節気の一。読みは、「大寒」が濁り、「大暑」が澄む。しかしTV放送の力は絶大で、NHKはじめ、アナウンサの8割方は「タイカン」。大暑は、各局とも軽視しているらしく、読みの清濁は論じられない。
□俳写132 りょうせうの さきてたいしょも すぎゆけり
【写真】近くの公園で。