場末の雑文置き場

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体操の「個人総合」と「種目別」の違い

2014年03月16日 | スポーツ

最近、体操の白井選手がテレビでよく取り上げられるようになって嬉しい。
ただ、白井選手に関するネット上のコメントを見ていてこれは違うだろ、と思ったことがある。

「白井が内村に勝って世代交代した」とか、「あの絶対王者・内村に勝った男、白井」とか。
いや、ちょっと待って。内村が絶対王者なのは個人総合での話だから。

白井くんが内村を破ったのは事実だけど、それは「種目別・床」での話で、「個人総合」では今も変わらず内村が絶対王者。2009年の世界選手権からずっと負けなしなんだけど。
内村と白井はちょっと違うタイプの選手。内村はオールラウンダー、白井はスペシャリスト。

で、ふと思った。

あれ? 個人総合と種目別の区別がついていない人が意外に多い? むしろ体操それほど興味ない人なんてそういうい人ばっかり?
まあ、オリンピックのときも薄々感じていたことだけど……

というわけで、個人総合と種目別の違いについて書いてみる。
体操にそれほど興味ない人がこの記事を読むことなどあるのだろうか、という疑問もあるけど、一応書いておこうと思う。

体操は、男子には床・鞍馬・跳馬・吊り輪・平行棒・鉄棒の6種目、女子には跳馬・段違い平行棒・平均台・床の4種目がある。
「種目別」は一種目ずつ行われて、それぞれの王者を決める。「個人総合」は一人が全種目こなして、その総合点を争う。種目別はそれぞれの種目での強さ、個人総合は総合力。

個人総合で強い人と種目別で強い人は全然違うタイプであることがよくある。
個人総合が強い選手は「オールラウンダー」、個人総合はそれほどでもないが種目別では強い選手は「スペシャリスト」と呼ぶ、と私は認識している。

メダルを取るメンツは、個人総合と種目別ではだいぶ違ってきたりする。種目に合った筋肉のつき方もあったりするから、全種目でトップレベルというのは、かなり難しい。特に男子の場合は。
例えば「鞍馬」のスペシャリストは「吊り輪」があまり強くない人が多い(もちろん例外もあるけど)。鞍馬は特に専門性が高い種目で、鞍馬でメダルを取れてなおかつオールラウンダー、という選手は少ないように感じる。

もちろん個人総合でも強くて、種目別でもメダルが取れる選手はいる。
内村選手は個人総合でも絶対王者な上、「種目別・床」でもかなり強い。
ただし、絶対王者ではない。世界選手権で金メダルを取ったのは一度だけ。オリンピックでは銀メダル。
そして、種目別で金メダルを取れないからといって、内村の凄さは少しも霞むものではない。

といったようなことを当たり前にみんなが共有できるくらい体操人気が出るといいんだけどな。


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