砥部焼の蕎麦猪口銀継(1)
砥部焼の蕎麦猪口が割れてしまったので、銀継することにしました。以前にも砥部焼の丸小鉢を銀継しました。その時は漆に銀粉を混ぜて接着しましたが、今回は接着用の”のり漆”を作って銀継することにします。
まず小麦粉に水を加えて練り上げます。「エッ!小麦粉?」ですよねw・・・
小麦粉を接着のための、のりとして使います。昔からのりとして使われた、小麦粉を銀継にも使う訳です。
水で練った小麦に同量の漆を加えて、分離しないよう再びよく練ります。漆と小麦、けっこう混ざります。
2つに割れたので、細かい隙間ができないよう両方の断面に薄く”のり漆”を塗って張り合わせます。
キレイに割れたので、貼り合わせるとのり漆がはみ出してきます。これを金属のヘラで取り除いておきます。
二股の左側の傷はひび割れです。傷を細いヤスリで削って少し広げ、その溝になま漆を塗りこんでいます。なまの漆は粘性が少ないので、傷の割れ目に浸透していきます。接着のためではなく水漏れ防止のためです。
動かないようにマスキングテープで、固定しておきます。
このまま1週間ほど乾燥させます。漆が乾燥したら改めてはみ出した漆を削り落し、凝縮してへこんでいるところに今度は”との粉”を混ぜた漆を塗ります。充填剤になります。ふちのかけた個所にも”との粉漆”を盛って修復します。
のり漆がまだ乾燥していないので今日の作業は、ここまでにします。
最近、金継、銀継にはまっています。金継といえば骨董価値のある陶器に用いられていますが、私の場合は気に入っている器、陶磁器の復活に使ったり、万年筆や腕時計の塗装、深い傷の修復に使ったりしています。
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