グッドぐんま 2

ぐんま大好き! 群馬のちょっとイイものや身近な自然を再発見

理系のための口頭発表術 ~聴衆を魅了する20の原則~

2011年02月04日 21時35分54秒 | 
昨日の記事に関連しますが、私が人前で発表をするときに参考にしている本を紹介します

理系のための口頭発表術 ~聴衆を魅了する20の原則~  講談社ブルーバックス


話の組み立て方、スライドの作り方、話し方。とても参考になる本です。
書いてある通りに実践できるかどうかは別にして・・・(^^;)

理系のための口頭発表術 ~聴衆を魅了する20の原則~
 序章 どんなにすばらしい研究もダメ発表がダメ研究にする
 第1章 いかに準備すべきか
 第2章 「面白い話」の構造
 第3章 視覚素材はこう使え(使うな)
 第4章 「話し方」の技術



                              

今日は立春。
前橋の最高気温12.5℃。3月中旬並みの陽気でした。

ハクモクレン


さて、春と言えば桜。
すでにウェザーマップ社と日本気象協会は今年のさくらの開花予想を発表しており、前橋の開花は平年並みということです。待ち遠しいですね(^^)


ウェザーマップ『さくら開花予想2011』

日本気象協会 桜開花予想

撤退の農村計画

2010年11月15日 21時22分21秒 | 
日本の豊かな自然を特徴づけているのは、国土の約67%を占める森林と、伝統的農業によって形成された里地里山です。
しかし、近年は過疎化、高齢化によって農山村が疲弊し、この地域の生物多様性が危機にさらされています。
この事態を打開するには、農山村を元気にしなければならない。そしてそのためには、都市住民の協力と公的な支援が必要・・・ と思っていたのですが、冷静に考えてみると、事態はそう簡単ではありません。
日本はすでに人口減少期に入っています。農山村だけでなく、日本全体の人口が減っていきます。人口が減るということは、国や自治体の収入も減るということ。さらに高齢化により社会保障費は増える一方・・・。
豊かな自然(二次的自然)を守ってきた農山村への支援は期待できない・・・。「無い袖は振れぬ」という状況が迫っています。

では、どうすればよいのか?
という問いに答えているのが、この本↓
撤退の農村計画 過疎地域からはじまる戦略的再編  林直樹、齋藤晋・編 学芸出版社
     

この本を読んで、目から鱗が落ちました。う~ん、そういう考え方があったか!と・・・。

著者らは現在起こっている農山村の集落の自然消滅(消極的な撤退)に対して、山あいの集落が丸ごと平場へ集団移転する「積極的な撤退」を提唱しています。
『撤退』というと、負けて去るというマイナスのイメージを受けますが、そうではなく、「計画的に力を温存してチャンスを待つ」、「少し引いて、守るべきところは確実に守る」という“戦略”です。
山村から人がいなくなってしまうと、森の恵みを利用し、自然とともに生きていく文化(技術)が失われてしまうので、“体力のある”集落は、その場にとどまり、自然と共生する文化(技術)を継承する「種火集落」も必要であると述べられています。種火集落は、将来、エネルギー危機、食糧危機が起こった時には、即座に生きるための技術を周辺に広めるという役割を担います。

詳細については、是非、この本を読んでいただきたいと思いますが、人口減少期に入った日本で、山村と二次的自然を守るためには、この方向がベストなのではないかと思います。
ただ、現実に「戦略的撤退」を実現させるには、大小様々な問題が発生するでしょう。国レベル、地方自治体レベルでの議論と人材育成が必要だと思います。

目次
 第1章 過疎集落の現状
 第2章 予想される国の将来
 第3章 すべてを守りきることができるか
 第4章 積極的な撤退と集落移転
 第5章 積極的な撤退のラフスケッチ—生活編
 第6章 積極的な撤退のラフスケッチ—土地編
 第7章 積極的な撤退と地域の持続性


共同研究会「撤退の農村計画」のWebサイト


生物多様性 100問

2010年10月17日 20時12分36秒 | 
いよいよ明日、10月18日から、生物多様性条約第10回締約国会議(cop10)が始まります。
「生物多様性 biodiversity」は、1980年代から使われ始めた新しい言葉で、すべての生物の間に違いがあることと定義し、生態系の多様性、種間(種)の多様性、種内(遺伝子)の多様性という3つのレベルでの多様性があるとしています。
昔の生物の教科書では出てこなかった概念なので、生物体多様性という言葉は聞いたことがあるけど、いまひとつピンとこないなぁ・・・という人も少なくないと思います。

先日、市内の書店に立ち寄った時に、見つけた本を紹介します。
生物多様性 100問 森山正仁 著 福岡伸一 監修 木楽舎

子どもに生物多様性って何?って聞かれたけど上手く答えられなかったよ~  なぜ生物多様性が大切なの?  生物多様性の保全って一般人にも関係あるの?  生物多様性条約って何?  COP10って何?  生物多様性基本法って聞いたこともないな~? という人にオススメの一冊。
これらの疑問が100のQ&A形式で、わかりやすく解説されています。

さて、生物多様性条約の目的は
 ①生物多様性の保全
 ②生物多様性の構成要素の持続可能な利用
 ③遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分
であり、明日から始まるCOP10の主な議題は、
 ①2010年目標の達成状況の検証と新たな目標(ポスト2010年目標)の策定
 ②遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する国際的な枠組みの策定
です。
生物多様性は人類の存続基盤であり、保全していかなければならないというところは、異議の余地はないと思いますが、現実にはEUなどの先進国と豊富な生物資源を持ち、さらに国土の開発も進めたい発展途上国や新興国との対立は大きく、ポスト2010年目標や生物資源の利用と利益配分に関するルール作りには問題が山積しています。
(アメリカ合衆国は条約の目的の一つ、「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」が、自国のバイオテクノロジー産業に影響を与えるという理由で、未だに条約を批准していません)
昨年開催された気候変動枠組条約第15回締約国会議でも、南北間の対立が表面化しましたが、今回の生物多様性条約締約国会議でも、同様の(否、それ以上か?)の対立が予想されます。
この難しい会議を議長国である日本が、どうにまとめるのか? 世界から注目されています。

でも、COP10に関する国内での関心はいまひとつ盛り上がりに欠けるという印象・・・
「生物多様性100問」を買った書店でも、生物多様性特集コーナーは設けられていませんでした。ちょっとガッカリ・・・。


ところで話は少々変わりますが、現代は生物多様性ばかりではなく、社会、文化の多様性も失われつつありますね。
地域の特産物を使ったB級グルメが流行ったり、地域独特の文化・風習を紹介するTV番組が高い視聴率だったりするのは、文化の多様性喪失を惜しんでいる人が多いためでは?


           

スズメの少子化、カラスのいじめ

2010年10月01日 20時51分45秒 | 
今日から10月。冬鳥様ご一行もそろそろ到着し、バードウォッチングにいい季節になってきます。
鳥は一番よく目にする野生動物。キツネやのノウサギの姿を住宅地で見ることはないでしょうが、都会の真ん中でもハシブトガラスは見られますよね。

     スズメの少子化 カラスのいじめ  ソフトバンク新書
     
著者は日本野鳥の会・普及室主任研究員の安西英明氏。副題に“身近な鳥の不思議な世界”とあるように、この本に出てくる鳥たちは、スズメやカラス、ハト、ヒヨドリなどどこにでもいる見慣れた鳥ばかり。
そんな“ふつうの”鳥たちの世界にも不思議がいっぱい。
この本を読んだ後は、スズメやカラスの姿が、今までと違って見えること請け合いです。





皆様も見慣れた鳥たちの観察からバードウォッチングを始めてみませんか?
面白いよ~ \(^o^)/


日本野鳥の会群馬

となりのツキノワグマ

2010年09月27日 20時06分47秒 | 
新聞報道などをみていると、今年はツキノワグマの出没が全国的に多くなっているようです。
なぜ、奥山の生き物であるツキノワグマが里山や里に出没してくるのか?
秋の主要な餌であるどんぐり類の不作、奥山・里山の変化、放置果樹などの誘因要因、等々が言われていますが、はっきりとしたことは未だよくわかっていません。多分様々な要因が組み合わさった結果なんでしょう。
そもそも、個体群管理の基礎となる生息数さえよく分かっていません。

平成16年に公表された第6回自然環境保全基礎調査の結果では、20年前と比べて、生息区画数は1.2倍に増えています。生息区画巣がそのまま生息数を反映するものではありませんが、ツキノワグマの生息域が拡大しているのは確かです。多分、東日本では個体数も増えているのだと思います。ただし、中国地方、四国地方の個体群は孤立化しており絶滅の渦の中にあります。

先日、面白い本を買ったので紹介します。
となりのツキノワグマ 宮崎学 新樹社


野生動物写真家の宮崎学氏の写真集。
この本には、すごい数のツキノワグマとその痕跡が載っています。しかもその写真が撮られたのは人のいない山奥ではなく、人里近く。まさに題名どおりです。
夏には多くの人が通る遊歩道、車がびゅんびゅんと行き交う高速道路のすぐ横、マスの養殖場など人の身近な場所に出没したクマ、そして民家のすぐ横の木にあるクマ棚。どれも私にとってはショッキングな写真です。

日本の人口は今後も減り続けます。特に中山間地域での人口減少は顕著でしょう。
ツキノワグマとヒトとの新しい関係を早く構築しないと大変なことになるかもしれない・・・。この本を読んで一番強く思ったことです。


ツキノワグマ事件簿 宮崎学

ツキノワグマ クマと森の生物学

2010年09月06日 20時45分33秒 | 
ツキノワグマは日本の森に棲む最大級の野生動物。
日本の自然の豊かさを象徴する存在の一つだと思うのですが、九州の個体群は絶滅したとされ、中国・四国の個体群も絶滅の渦の中にあります。さらにその体格と力の強さ故、人との間に軋轢を生じることも少なくありません。
2006年に異常なほどの大量出没と人的被害、大量捕殺は記憶に新しいところです。
今年も群馬県内ですでに5件の人身事故が発生しており、県が注意を呼びかけています。

ツキノワグマの出没に注意してください 群馬県

先日、図書館で借りた本
ツキノワグマ クマと森の生物学  大井徹・著 東海大学出版会


「森林に生かされ、森林とともにあるツキノワグマ。それゆえに、本書では、森林との関係を縦糸にしてツキノワグマのタペストリを織りなしてみよう。横糸は、分布、形態、生理、行動、生態、社会、進化など。できるだけ多面的に、その生物学的な特徴を解説する。」
「そして、本書の終着点は、人間とツキノワグマの関係について。・・・・・
ツキノワグマと人間との共生ははたして可能だろうか。どんな森林作りをすればそれが可能になるのか。みなさんと一緒に考えてみたい。」
(「はじめに」より)


「はじめに」にあるように、ツキノワグマの生理、生態から進化、人との関わりまで幅広くわかりやすく解説された良書です。温帯の森林にうまく適応し、現代まで生き続けてきたツキノワグマの生きるための“知恵”は、すばらしいなぁと感じます。

科学論文同様に本文中のデータなどには、一連の番号が付けられ、巻末に引用文献が記載されています。索引もあるので、“ツキノワグマ ハンドブック”として使える一冊だと思います。
また、巻末付録の「クマとの危険な遭遇を避けるために」も必読。

ツキノワグマと言えば、今日、「九州最後のツキノワグマ」と言われていた個体について森林総合研究所東北支所が遺伝子解析を行った結果、実は本州産であったことが判明したという報道がありましたね。
本書でもこの「九州最後のツキノワグマ」については「死体の剖検により、捕獲前数年は野生状態で生活していたと推測されているが、出自については不明とされている。九州以外から持ち込まれたものである可能性もあるらしい」述べられています。
今回、やはりこの個体は九州のツキノワグマではなかったことが確かめられ、九州における最後の記録は1957年に子グマの死体が確認されたというものになりました。


2006年の異常出没以来、ツキノワグマに興味を持っていましたが、知れば知るほど魅力的な生き物です。私はまだ野生のツキノワグマを見たことはないので、是非会ってみたい動物です。森でばったり出会うのは絶対に避けたいですが・・・。

ツキノワグマ クマと森の生物学
目次
1章 ツキノワグマQ&A
2章 分布から探る森との関係
3章 クマ類としての特徴
4章 ツキノワグマの誕生
5章 大量出没と森の食糧事情
6章 冬眠の不思議
7章 繁殖の不思議
8章 森林生態系で生きる
9章 クマとの共存
付録 ツキノワグマの仲間たち
   クマとの危険な遭遇を避けるために
引用文献
索引


ツキノワグマに限らず、最近では野生鳥獣による農林漁業への被害が問題となっていますが、被害発生の根本的な原因究明とその改善をせずに、被害が発生するたびに、駆除を行うだけでは、加害獣が絶滅するまで問題は解決しません。
人的被害をなくし、農林業被害を減らし、人と動物が共生していくためには、まずは相手のことをよく知らなければならないと思います。

日本らしい自然と多様性 -身近な環境から考える-

2010年07月13日 21時24分56秒 | 
今年は国連の「国際生物多様性年」、そして10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(cop10)も開催されます。これを機会に日本でも生物多様性に関する関心が高まり理解が深まるとよいですね。
生物多様性の理解には、まずは身近な自然を知ることが第一歩だと思います。

岩波ジュニア新書から、またまたよい本が出たので、紹介します。

      日本らしい自然と多様性  根本正之著
     

「1960年代まで日本各地に広がっていた手入れの行き届いた田畑や山林や集落の織りなす緑豊かな美しい田園風景は、今では人間と自然の不調和が目立つほどに荒れている。」
「昔の日本人誰もが田園で経験できた多様性に富んだ自然や生物たちを現在は経験することができない。人間も含めたごく一部の生物がわが世の春を謳歌する中で、ほかの多くの生き物が減少したり、絶滅の危機に追いやられている。」

江戸時代から1960年代までつづいてきた日本の豊かな田園風景は米生産を効率的に行うことだけを目的に推進された土地改良と機械化農業によって一変し、多くの生物がすみかを失いましたが、この時期は興味深いことに、日本人がキツネにだまされなくなった時期と重なります。この頃、日本人の「心」に大きな変化が生じたことは間違いないですね。

日本で「生物多様性」に関する正しい理解が進まない理由として著者は、多くの人が農業を経験したことがなくなり、雑草や野草の特性を知る必要がないこと、義務教育の現場で子供たちに昆虫や雑草の名前や生活史を教えていないこと、日本の自然特性から生まれた日本人の自然観などをあげています。
確かに、植物を単に「緑」と十把一絡げに捉えていたのでは、それぞれの生物相互作用も理解しようがありませんし、外来生物が侵入しても何の危機感を感じることがないでしょう。

NPOや行政が主体となり、里やまを昔ながらの管理により復活したり維持したりする取り組みが各地で行われていますが、このような方法でかろうじて伝統的な里やまの生物多様性を保全しても、日本の在来生物を国民誰もが身近に感じるようにすることは困難であると指摘し、秋の七草のような日本人が暮らしの中で親しんできた植物は必ずしも里やまのような伝統的な半自然生態系の中での保全にこだわらなくてもよいのではないかと述べています。具体的には植物の分布域内で他の目的で使われている半自然である大河川の堤防やゴルフ場をあげています。
河川堤防法面のチガヤ群落の入門コースで子供たちが草の名前や生態を知ったり草刈りのコツを身につけることにより、尾瀬の湿地などの原生自然の保護にも取り組みやすくなる。さらに持続的な管理が要求され、土地固有の歴史的、文化的背景がつきまとう里やまなどの上級コースの半自然生態系の保全につながると提言しています。

この他にも、色々参考になることが書かれているオススメの一冊です。

(目次)
はじめに 豊かな自然と出会った
1章 日本らしい自然ってどんなもの?
2章 美しいふるさとづくりの決め手
3章 日本人は自然をどのように利用したか
4章 多様性のエコロジー
5章 植物は人間の行為をどう受けとめたか
6章 半自然を再生して生物多様性をとりもどす


岩波ジュニア新書

動物たちの反乱 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ

2010年06月02日 20時21分47秒 | 
近年、中山間地で大問題となっている野生動物による農業被害。動物による農業被害は昔からありましたが、最近の状況は人と自然との関わり合いが変化してきたのが原因であり、「まち」に住む多くの人たちとも決して無関係な問題ではありません。

 動物たちの反乱  増えすぎるシカ、人里へ出るクマ
 PHPサイエンス・ワールド新書 河合雅雄・林良博 編著
    

『兵庫県は野生動物に関わる諸問題を解決するために、平成19年、兵庫県森林動物研究センターを設立した。研究員6名、専門員5名が中心となり、着々と実効をあげている。その活動体験の中で感じたのは、実被害ばかりが取り上げられ、なぜこうなったのか、現状にいかに対処すべきか、また、将来どうあるべきかについては、ほとんどの人が何もわかっていないということだった。そして、困っているのは農村部の人たちだけで、多くの都会の人は関心が薄いというのが実情である。
 これらの諸問題について、センターの研究員が分担執筆したのが本書である。』
(「まえがきにかえて」より)

動物たちが“反乱”を起こした理由について、本書では次のようにまとめています。
 ①里やまの崩壊
 ②動物の数が増えた
 ③農村の構造的変化
 ④野生動物の保護管理行政(ワイルドライフ・マネジメント)の貧困
これについては、まったく同感です。だから、動物による農業被害は「農業」や「農村」だけの問題ではないわけです。

目次を見れば分かるように、この本では被害や対策の現状から、ワイルドライフマネジメントの考え方、さらには地域住民の被害認識の分析や日本人の動物観の変遷にまで触れられています。
野生生物について総合的に考える入門として良い本です。ただ、読者がより知識を深めたい場合の参考としたり、具体的なデータを知りたい場合の参考となるように、主要な引用文献や参考文献が掲載してあれば、さらによかったなと思います。


目次
・第一章  野生動物の反乱 
・第二章  里山とは何か 
・第三章  ワイルドライフ・マネジメント 
・第四章  ニホンザルの被害はなぜ起こるのか 
・第五章  シカと向き合う 
・第六章  ツキノワグマ ~絶滅の危機からの脱却 
・第七章  イノシシ ~人の餌付けが悲劇を生む 
・第八章  外来生物 アライグマとヌートリア 
・第九章  野生動物管理と獣医学
・第十章  森林から野生動物との共存を考える 
・第十一章 獣害と地域住民の被害認識 
・第十二章 日本人の動物観 
・第十三章 倫理面から見たワイルドライフ・マネジメント

イモムシハンドブック

2010年04月22日 19時48分45秒 | 
ユニークなハンディーサイズの図鑑を出版している文一総合出版が、またまた役立つ図鑑を出してくれました!

イモムシ ハンドブック


蝶の幼虫91種、蛾の幼虫135種が掲載されています。
家の周りや野山でイモムシを見つけても、何の幼虫なのか分からないことが多かったので、こういう図鑑が欲しいなぁと思っていました。
幼虫だけでなくサナギの写真も載っているので、フィールドで大いに活躍してくれそうです。

イモムシって気持ち悪い~、という人が多いでしょうが、中にはとってもかわいいイモムシもいるんですよぉ
コジャノメやヒメジャノメは猫みたいな顔をしているし、スミナガシは長~い角がユニーク。スズメガの仲間はお尻のアンテナがカワイイ~!  と私は思うのですが、この本を家族に見せたら「気持ち悪い!」、「なんで、そんな本買ったの? 信じられない!」などと白い目で見られました・・・
人間の赤ちゃんは言うに及ばす、子猫、子犬、鳥のヒナなど、動物の赤ちゃんは基本的にかわいいものです。でも昆虫の赤ちゃんである幼虫はなんで嫌われちゃうの??

イモムシ ハンドブック 文一総合出版の書籍案内


オオムラサキの幼虫

ね、カワイイよね!

森林からのニッポン再生 (平凡社新書)

2010年04月20日 20時59分51秒 | 
森林からのニッポン再生 田中淳夫・著 (平凡社新書)

出版されたのは2007年6月。先日、図書館で借りて読みました。

下に書いた目次を見てもらえば分かるように内容は盛りだくさん。ボリュームの限られた新書ですので、林業や山村について知識のある人にとっては、書かれている内容が少々物足りなく感じるでしょう。しかし、一般の人にとっては、現在の日本は江戸時代や明治時代よりも山に緑が多いことや天然林よりも生物相が豊かな人工林があること、国産材が売れない本当の理由等々、これまでの森林や林業についての認識がガラリと変わるのではないでしょうか。
この本は入門書として捉え、もう少し深く知りたいと思ったことをさらに深めればよいと思います。

ところで、この本の本題とは直接関係はありませんが、61ページにヘラブナが外来種と書かれてるのは明らかに誤り。ヘラブナは琵琶湖固有種「ゲンゴロウブナ」の養殖品種です。

『森林からのニッポン再生』目次
第1章 日本の森林の素顔を探る
 1 日本は世界に冠たる森林大国
 2 存在しない「太古からの原生林」
 3 生物多様性は「破壊」が生み出した
 4 「緑のダム」は本当に存在するか
 5 自然をむしばむ見えない脅威
 6 二酸化炭素を出す森と貯める街
 7 日本人は森林が嫌い?
 8 森林は人の心を癒せるか
第2章 ニッポン林業盛衰記
 1 海外に打って出る日本林業
 2 林業は焼き畑から生まれた!
 3 木を伐ることで木を育てる
 4 林業の本質は廃物利用にあり
 5 天然林より植物の多様な人工林
 6 日本林業が没落した本当の理由
 7 台風の目・中国の森林と林業
 8 もう一つの林業、バイオマス・エネルギー
第3章 森から見たムラの素顔
 1 山村は、もう一つの日本
 2 木を売らなかった山里の経済
 3 山村の人口が多すぎた時代
 4 里を脅かす野生動物
 5 地図から消える村と集落
 6 田舎は「困っていない」
 7 田舎に向かう移住者の波
第4章 森と林業と山村を考える
 1 人と森がつくる生態系社会
 2 林業は環境を守る最先端ビジネス
 3 山村から描く日本の未来像