グッドぐんま 2

ぐんま大好き! 群馬のちょっとイイものや身近な自然を再発見

ホタル復活大作戦

2011年12月08日 23時55分04秒 | 
今読んでいる本

だれでもできる ホタル復活大作戦 ぼくらの町にホタルがもどってきた


ある地域や水域の生物多様性を保全したり自然再生を行う場合、当然、モニタリングが必須になるわけですが、その場所に棲むすべての生物を長期にわたって調査することは、現実的ではありません。
そこで、ある特定の生物に注目してモニタリングを行い、その場所の生物多様性や生態系の状況を評価することになります。この場合にモニタリングの対象とすべき種には以下の4種類があげられます。
『生態的指標種』:同様の生息場所や環境条件要求性をもつ種群を代表する種。
『キース―トーン種』:群集における生物間相互作用と多様性の要をなしている種。
『アンブレラ種』:生息地面積要求性の大きい種。
『象徴種』:その美しさや魅力によって生息場所の保護をアピールすることに役立つ種。
『危急種』:希少種や絶滅危惧種など。この種の生息場所を保護することで、その他の普通種の生息環境も確保される。

ホタルは典型的な「象徴種」ですが、ホタルの保全や復活は、その他の多くの水生生物にとっても良好な生息場所を提供するはずですので、「危急種」にも該当するでしょう。

私は現在、直接ホタルの保全活動には関わっていませんが、この本に紹介されているホタル復活の実践例は地元や水辺の楽校での活動の参考になりそうです。



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自然再生のための生物多様性モニタリング

2011年11月19日 22時27分10秒 | 
今日は一日中、雨降り。
ちょこっと買い物に出かけたほかは、家の中で本を読んだりしながら過ごしました。

自然再生のための生物多様性モニタリング 鷲谷いづみ・鬼頭秀一 編 東京大学出版会刊

地域生態系の健全性を維持するために重要な指標となる生物多様性のモニタリングとその評価について、主に市民と研究者による協働調査の実例が解説されています。
私はプライベートで「かんな川水辺の楽校」の運営に関わっていますが、水辺の楽校でも継続的な生物多様性モニタリングが必要。各地で実践され成果を上げている事例について勉強し、水辺の楽校での活動の参考にしたいです。

目次
第Ⅰ部 生物多様性モニタリングとはなにか
 第1章 自然再生時代の生物多様性とモニタリング
 第2章 生態系の危機と生物多様性
 第3章 地域社会の暮らしから生物多様性をはかる
 第4章 市民モニタリングの大きな可能性
第Ⅱ部 生物多様性保全と市民協働モニタリング
 第5章 ため池の生物多様性評価
 第6章 自然保護のための市民による「ふれあい調査」
 第7章 環境意識と生物多様性
 第8章 保全生態学が提案する社会調査
第Ⅲ部 生物多様性モニタリングのフィールドから
 第9章 「害鳥」は地域を結ぶ「宝」になれるか
 第10章 ひとや社会から考える自然再生
 第11章 市民参加の昆虫モニタリング
 第12章 市民モニタリングが拓く新しいまちづくりの可能性
 第13章 ため池が生きものの豊かさを守る
 第14章 農村における水生昆虫の保全


自然観察会の進め方 浜口哲一 エッチエスケー刊

自然観察会の運営の仕方やリーダーとして気に留めておかなければならなないこと等が書かれている小冊子。
小学生や一般の方々を対象とした自然観察会のリーダーは簡単なようで難しい・・・。



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ゆるキャラグランプリ2011


日本の爬虫両生類157  & 土の中の小さな生き物

2011年11月17日 20時52分30秒 | 
こんな本を買いました

ポケット図鑑 日本の爬虫両生類157 大谷勉 著 文一総合出版


日本国内に生息する陸棲爬虫類・両生類157種が収録されているポケット図鑑。
私が大の苦手とするカエルも43種が掲載されています。日本にはこんなにたくさんのカエルがいたんですねぇ

本の帯(腰巻き)に「史上最強のポケット図鑑」とありますが、私にとっては“最強”というよりも“最恐”でございます。カエルの掲載ページを読んでいたら、ちょっとめまいが・・・ (^^;)


いっしょにこれも買いました。
土の中の小さな生き物ハンドブック 皆越ようせい 文・写真 渡辺弘之 監修 文一総合出版


ミミズやダニ、ムカデなど、私たちの足下に棲んでいて人間の生活を支えてくれる、まさに縁の下の力持ちの生き物(土壌生物)を収録したハンディ図鑑。
虫嫌いな人が見たら卒倒しそうな本ですが(いや虫嫌いな人は絶対に見ないから大丈夫か)、登場する生き物たちは皆、とってもカワイイ。心が癒される一冊でございます (^^)



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アユの科学と釣り

2011年10月26日 21時46分00秒 | 
川に立ちこんでおとりアユを操る姿に憧れ、私がアユ釣りを始めたのは中学2年生の時。もう30年以上も前になりますねぇ(遠い目
以来、アユとは長い付き合いを続けています。公私ともにアユと付き合っている割には、釣りの腕前は自慢できるものではありませんが・・・ (^^;)

さて、アユとアユ釣りに関する新刊をご紹介します。

アユの科学と釣り―美しい川とアユを願って 片野修・海野徹也・谷口順彦 編  学報社


編者3人の他に19人のアユ釣りが大好きな研究者・技術者が、様々な角度からアユについて釣り人の視点から語ったアユ学エッセイ。アユについての学術書やアユ釣りのテクニック解説書とはちょっと違った今までになかったアユ本です。
来年のアユシーズンに思いを馳せながら、是非お読みくださいませ。


アユの科学と釣り―美しい川とアユを願って
目次
Ⅰ.アユ学の最前線
 1.アユについて知ろう
 2.人工種苗と放流
 3.アユの放流と漁場環境
 4.アユの生体防御を考える
 5.アユの数をしらべる
 6.アユの縄ばりを考える
 7.三倍体アユ―その生物特性をしらべて評価する
Ⅱ.より良いアユ漁場をめざして
 1.「釣れるアユ」の種苗生産
 2.天然遡上稚魚のようなアユ人工種苗を生産したい!
 3.病気にアユに出会ったら
 4.カワウ対策―食われるアユを減らすために
 5.釣り場のゾーニング
 6.冷水病と釣り場選びの戦略
 7.漁協のアユ放流事業
 8.森と川とアユ
Ⅲ.アユ釣りの技術と楽しみ方
 1.釣れない釣りを考える
 2.友釣り三桁釣りへの道
 3.大アユ 尺アユ 巨アユ
 4.アユ毛鉤釣りへの誘い
 5.土佐のアユも輝いていた頃
<コラム>
・アユの科学
・アユ調査のエピソード
・アユのこぼれ話
・私の意見
・友釣りの話
・アユ釣りの歴史

パンフレット PDF

日本の農業は“風評被害”に負けない

2011年07月22日 22時30分42秒 | 
3.11の大震災とそれに伴う原発事故以来、災害や放射能に関する本を何冊か読んでいますが、その中の一冊

日本の農業は“風評被害”に負けない 永峰英太郎・河岸宏和 共著 アスキー新書


福島第一原発事故による農作物の放射性物質による汚染。基準値を超える放射性物質が検出された野菜については当然、出荷が制限されましたが、その産地の他の農作物についても、買い手が付かないなどの風評被害が発生しました。

その風評被害に対して、生産者などが被害を最小限に食い止めるためにどんな行動をとったか。風評被害発生の原因はなにか。そして、消費者と生産者を守るためには今後どうすればいいのか。などについて紹介されています。

私を含め、多くの消費者は放射能や放射物質の健康への影響について正確な情報を持っていませんでした。よく分からないものはコワイのです。
国は明確な基準(もちろん科学的な)を示し、それに従ったきちんとしたルールを作り、そのルールを生産者や流通業者が順守することが必要でしょう。
さらに消費者もバカTVのセンセーショナルな情報を鵜呑みにするのではなく、様々な情報の中から正しい情報を選別する知識も求められていると思います。



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とりぱん11巻 & とりぱん大図鑑

2011年07月01日 20時49分04秒 | 
1週間ほど前に『とりぱん』の最新刊が発売されました。

とりぱん 第11巻  とりのなん子著 講談社(ワイドKCモーニング)


今回の表紙の鳥はメジロです。





なんで眼の周りだけ白いのだろう?



とりぱん11巻と同時に発売されたのが、とりぱん大図鑑



鳥を中心に、とりぱんの登場人物?たちをカラー写真とイラストで紹介した本。図鑑的な解説とともに、とりぱん的キャラ解説も。
“大図鑑”という名称だけど、鳥図鑑ではなく、とりぱんガイドブックです。
とりぱんファンには、オススメ(^^)



『とりぱん』作品情報  モーニング公式サイト


森林(やま)づくりの四季 2

2011年04月21日 21時42分27秒 | 
一昨年の秋に紹介した「森林(やま)づくりの四季」の続編が登場しました。

森林(やま)づくりの四季 2  関岡東生著 上毛新聞社刊


村人と都会人協働の森林(やま)づくりによって山村の振興と自然保護を図る川場村の「友好の森事業」で指導的役割を果たしている東京農業大学森林総合科学科の関岡氏が里やまの四季を美しい写真と読みやすい文で綴っています。
読めば、もっと川場村が好きになる、そんな一冊です。

川場の森林(やま)づくり この本のベースとなった著者のブログ


私も一次産業に関係する一人として、季節を壁にかかったカレンダーからではなく、身の回りの自然から感じ取りたいと思っています。
今日の昼休み散歩から


川場村でも、やっとソメイヨシノが咲きだしました。


川で遊んでいたキセキレイ

もう一羽、いっしょにいました。もうすぐ巣作り、子育ての時期ですね。(^^)

哺乳類のフィールドサイン観察ガイド

2011年03月26日 18時46分08秒 | 
タヌキ、キツネ、ネズミ類、ノウサギ、モモンガ等々、私たちの身近なところにいる哺乳類を観察してみたいなぁと思っていますが、かれらの活動の様子はなかなか見ることはできません。
そこで、先日購入したのが、この本↓

哺乳類のフィールドサイン観察ガイド 熊谷さとし・著 安田守・写真 文一総合出版


フィールドサインとは野生動物が残した足跡や糞、食痕などの生活痕のこと。動物の姿が見られなくても、フィールドサインを通して動物の存在とその生活の様子を知ることができます。
本書では身近なフィールドで観察できる野生の哺乳類34種が収録されています。(日本では絶滅したと思われるカワウソも入っていますが・・・)

野生動物の中で、鳥類の姿を見ない日はありませんが、哺乳類は滅多に見ることができません。生息種数、生息個体数が違うので単純には比較はできないとは思いますが、鳥類に比べ、哺乳類が“憶病”なのは明らかです。
鳥類は“空を飛ぶ”という敵から逃避する大きな能力を持っているので、明るい時間帯に活動し、ある程度までは人間の接近も許してくれるのでしょう。
それに対して哺乳類は、暗くなってから、こっそりと動き回っているので、その姿は人目に付きません。はるか昔、まだ恐竜が地球の支配者であった頃、肉食恐竜の影に怯えながら暮らしていたご先祖様の“記憶”がまだ残っているのかも知れませんね。

哺乳類のフィールドサイン観察ガイド 文一総合出版の書籍案内



                   


ユーカリのエッセンシャルオイル

花粉症で鼻がグズグズしている時に嗅ぐと、少し楽になる

楽しいぞ! ひと昔前の暮らしかた

2011年03月22日 22時41分30秒 | 
昨日は雨も雨降りだったし、ガソリン節約のため外出せず、家の中で読書。
本棚から取り出したのは、もう5年くらい前に買ったこの新書。

楽しいぞ! ひと昔前の暮らしかた 新田穂高 岩波ジュニア新書

都会育ちのちょっと不器用な著者が、ひょんなことから始めた、かやぶき屋根の家の暮らし。昔懐かしい道具を使い、自然の恵みを感じる生活は、時にはシンドイこともあるけれど、やってみると意外に面白い。なんでも便利になった今だからこそあえて注目したいスローな暮らしの魅力を紹介します。

ガソリンスタンドに並ぶ車で渋滞した道路、一日数時間の停電に怯える私たち。昔の人がタイムマシンでやってきて、こんな光景を見たら「不便な世界だねぇ」と言われちゃうかもしれない・・・。


日本の昆虫の衰亡と保護

2011年02月17日 21時57分09秒 | 
今読んでいる本の紹介です。

環境Eco選書1 日本の昆虫の衰亡と保護 監修:石井 実  北隆館


「はじめに」より
 本書は,このような昆虫類の生息の現状を広く伝え,日本の自然の状況や今後の昆虫類の保全のあり方について考える機会を提供することを意図して企画された。全体を3部構成とし,第1部では,日本の昆虫の現状と保全について包括的な視点から概説した。第2部では,特定の種や種群の昆虫を対象に,生息の現状や生息場所の保全について報告や提言を行った。第3部では,近年,顕在化した温暖化や化学物質,外来生物,野生獣の増加などの昆虫類への影響について解説した。


日本列島は世界的に見ても生物多様性の富む地域でコンサベーション・インターナショナルが選定した世界で34地域の「生物多様性ホットスポット」の一つ。
生物多様性ホットスポットとは、多様な生物が生息しているにもかかわらず、絶滅に瀕した種も多い、いわば世界的な生物多様性重要地域です。
日本列島は“生物相は豊かだが、絶滅に瀕した種も多い”というのは、昆虫も同様。
そして、昆虫の多様性を危うくしている原因も、生物多様性国家戦略の中で述べられている『3つの危機+1』です。

「生物多様性国家戦略2010」より
 わが国の生物多様性の危機の構造は、その原因及び結果を分析すると次のとおりです。第1から第3の危機については、さまざまな施策が講じられてきましたが、これらの危機は依然進行しています。
 第1の危機
   人間活動ないし開発が直接的にもたらす種の減少、絶滅、あるいは生態系の破壊、分断、劣化を通じた生息・生育空間の縮小、消失
 第2の危機
   生活様式・産業構造の変化、人口減少など社会経済の変化に伴い、自然に対する人間の働きかけが縮小撤退することによる里地里山などの環境の質の変化、種の減少ないし生息・生育状況の変化
 第3の危機
   外来種や化学物質など人為的に持ち込まれたものによる生態系の攪乱

 近年、地球温暖化の進行が地球上の生物多様性に対して深刻な影響を与えつつあります。地球温暖化は多くの種の絶滅や脆弱な生態系の崩壊などさまざまな状況を引き起こすと予測されています。生物多様性にとって、地球温暖化は逃れることのできない深刻な問題といえるでしょう。



環境Eco選書「日本の昆虫の衰亡と保護」
Ⅰ.日本の昆虫の現状と保全
 1.レッドデータブックからみた日本の昆虫の衰退と危機要因(石井 実)
 2.日本のチョウ類の衰亡と保全(中村康弘)
 3.日本のクワガタムシ・カブトムシ類における多様性喪失の危機的状況(荒谷邦雄・細谷忠嗣)
 4.日本のトンボの衰亡とその保護(苅部治紀)
 5.日本の水生昆虫類の衰退と保全の動き(市川憲平)

Ⅱ.各種群の生息環境の保全に向けて
 1.山間部における森林管理とチョウ類群集(井上大成)
 2.里山林の管理がゴミムシ類とチョウ類の群集構造に及ぼす影響(松本和馬)
 3.「三草山ゼフィルスの森」の里山林管理とチョウ類群集の多様性の変化(西中康明)
 4.赤城山のヒメギフチョウ個体群の保全と課題(松村行栄)
 5.オオムラサキの衰退要因と保全への提言(小林隆人)
 6.磐田市桶ヶ谷沼におけるベッコウトンボの保護活動(福井順治)
 7.ため池のトンボ群集の成立要因とそれを用いた環境評価(青木典司)
 8.日本のゲンゴロウ類の生息現状と保全(西原昇吾)
 9.日本のフン虫類の生息の現状と課題(塚本珪一)
10.砂浜の後退にともなう海浜性有剣ハチ類の衰退(郷右近勝夫)

Ⅲ.温暖化や化学物質、外来生物などの影響と対策
 1.地球温暖化が日本の昆虫の生物多様性に及ぼす影響(湯川淳一)
 2.気候温暖化によるチョウ類の分布拡大と絶滅のリスク(吉尾政信)
 3.気候温暖化がセミ類に及ぼす影響(初宿成彦)
 4.昆虫の生物多様性を脅かす化学物質(五箇公一)
 5.外来生物が日本の昆虫の生物多様性に与える影響(五箇公一)
 6.外来チョウ類の分布拡大と在来生態系へのリスク(岩野秀俊)
 7.外来ハナバチ類による在来生態系への影響と対策(横山 潤)
 8.シカ食害による植生の変貌と昆虫類の衰退(長谷川順一)
 9.小笠原における昆虫の保全(岸本年郎)