今日の午前中、藤岡市本郷の神流川に整備され、7月5日に開校式が予定されている「かんな川水辺の楽校(がっこう)」で、運営委員の植生勉強会がありました。
エノキ
ムクノキ
エノキに似ていますが葉の表面に剛毛があり、さわるとザラザラしています。
アカメヤナギの幼樹
ヤナギの仲間は先駆樹種と呼ばれ、撹乱後の土地にいち早く出現する樹木です。
アケビ
イボタノキの花
イボタノキは北海道~九州、朝鮮半島、中国に分布するモクセイ科の落葉低木。雑木林の林縁などに見られます。この木の樹皮にはカイガラムシの一種イボタロウムシが寄生し、この虫が分泌する「いぼた蝋」は、薬用や家具の艶出しなどに利用されました。
カワヂシャ
中部地方以西に分布するゴマノハグサ科の越年草。水田や川岸、田の畦など、湿った場所を好みます。
群馬県植物レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、環境省では準絶滅危惧に指定されています。
ママコノシリヌグイの花
全国に分布するタデ科の一年草。可愛い花は、ミゾソバにも似ていますね。
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)という面白い名前の由来は、その茎を見ると分かります。
ママコノシリヌグイの茎
鋭い棘が並んでいます。棘は葉の裏にも生えています。
つまり、憎い継子の尻をこの草で拭いてやる~ということ。コワイですねぇ・・・
Wikipediaによれば、韓国では「嫁の尻拭き草」と呼ばれているとか。ひぇぇぇぇ~
オヤブジラミ
林縁や道ばたに生えるセリ科の越年草。漢字で書くと「雄藪虱」。
植物なのにシラミ(虱)とは、これ如何に?
その答えは果実にあります。
オヤブジラミの果実
トゲトゲのある、いわゆる「ひっつき虫」ですね。
藪に生えていて衣服にくっつくので、ヤブジラミ(藪虱)。オヤブジラミは同じ仲間のヤブジラミに比べて果実が一回り大きいので、オヤブジラミ(雄藪虱)と名付けられました。
ムシトリナデシコ(虫取撫子)の名前の由来となった部分(矢印)
矢印の部分は分泌された粘液で、ベタベタしています。茎を登ってきた小さな虫はここにくっついてしまいます。
セリバヒエンソウ
中国原産の外来種。キンポウゲ科。
明治時代に日本に渡来したと言われています。最近、分布が急速に広がっているようです。
漢字で書くと「芹葉飛燕草」
セリバヒエンソウの果実
ナヨクサフジ
外来種です。こちらも最近、急速に分布拡大中。
在来のクサフジよりも花期が早いので、この時期は容易に在来種と見分けが付きます。
ニワウルシの幼樹
ニワウルシは中国原産の落葉高木。名前にウルシと付いていますが、ウルシの仲間ではなニガキ科に分類されます。
明治時代に移入されましたが、最近では広く野生化し河川敷にも侵入しており、ハリエンジュ(ニセアカシヤ)同様に問題視されています。
河川敷は定期的に撹乱が起こる不安定な場所なので、外来種が侵入しやすいという特性をもっています。この場所にもすでに多くの外来植物が蔓延っています。今後できるだけ外来種を駆除し、希少な在来種の定着を促していきたいと思いますが、さてさて、どうすれば良いのか? 前途多難です。
今日は植物の勉強会でしたが、私としてはどうしても動物にも目がいってしまいます(^^)
ホオジロ
アオハダトンボ ♀
この場所でアオハダトンボが見られると思っていなかったので、見つけた時にはドキドキしちゃいました。
美しい体色ですね
この時期、草にブクブクと泡が付いているのをよく目にします。
これは、モリアオガエルの卵・・・ な訳ありませんね(^^;)
この中にはアワフキムシの仲間の幼虫が隠れています。
泡の中を探してみると・・・
こんな幼虫が出てきました
種名は不明
カマキリの幼虫
ジョウカイボン
カミキリムシに似ていますが、ホタルに近い仲間です。幼虫・成虫とも他の昆虫を食べる肉食性。
面白い名前ですが、平清盛の法名「淨海坊(じょうかいぼう)」と関わりがあると言われています。
(写真の個体の首のあたりにある赤いものはダニ)
ヨコヅナサシガメ
中国から東南アジア原産の外来のサシガメで、昭和初期に貨物に紛れて九州に入ってきたと考えられています。関東地方には1990年頃に侵入したようです。最近では群馬県内でも普通に見られるようになりました。
手に乗せて撮影していますが、サシガメなので不用意に掴むと刺される恐れがあります。ご注意下さいませ
かんな川水辺の楽校 かわげら通信