恩師のご講演ラジオ放送より
心の扉―1
主題:苦しみは自分の心の中から生まれる
先の続き・・・
そしてそれからはさせて貰おう、
尽くさせて貰おうと言う心でお婆ちゃんに
私の話をテープで聞かせて上げたり、
書いたものを読んで聞かせたりされたそうです。
その家にはお婆ちゃんの実の娘さんもおられるそうですが
段々とその娘さんより
奥さんつまりお嫁さんしか受け付けなくなったそうです。
それは奥さんが尽くしているほどには実の親娘でも
尽くしておられなかったから、
お婆ちゃんのほうで拒否反応が起きるのですね。
すっかりお嫁さんに頼り、実の娘より安心して
自分をまかせているわけです。
このお婆ちゃんが亡くなられた時、
生きておられた時より綺麗なお顔になられ、
何とも言えないほど安らかな表情だったと言います。
丁度、観世音菩薩の掛け軸のお顔のような、
また阿弥陀様のような、ああいうお顔ですね。
明るい雰囲気さえあります。
その奥さんから綺麗なお顔のお婆ちゃんを
送らせて貰いました。と、電話がありました。
そして至らないけれど、
自分に出来る限りのことをさせて頂いて、私も幸せでしたと、
喜んで訪ねて来られました。
相手に尽くすことは自分を本当に幸せにするのです。
自分を犠牲にすることが大事です。
犠牲と言うと、直ぐに私はあの人の為に
犠牲になってまで頑張ったのに、何の感謝もされない、
なんて馬鹿馬鹿しい。と、言うような場合を思い浮かべます。が、
それは本当の犠牲でも何でもありません。
損得勘定でものを言っているだけです。
本当の犠牲は愛です。
私はキリスト教の人間ではありませんが、
イエスはゴルゴダの丘で十字架に上げられ、磔になりました。
その時、イエスは神よ、どうぞこの者たちを罰しないで下さい。
正しい道を知らないだけですから、と、祈られました。
これが愛であり、犠牲です。
虐められようが、どんな目に合おうが尽くすことです。
この時、苦しみは消えます。