恩師のご講演ラジオ放送より
心の扉―1
主題:苦しみは自分の心の中から生まれる
先の続き・・・
禅の世界で禅定と言って心を安らかにする
修行があります。
これで皆さんが最初に困ることがあります。
じっと座っていると、物音がします。
下駄の音がする時など、まず気が散って心が動きます。
折角、心安らかにしているのうるさいな。と、
言うわけです。
次にあの下駄の主は男の人かなぁ、女の人かなぁ、と、
思ったりします。
音が少し軽いか女の人だなぁ、どこの人かなぁ、
分からないけれど、べっぴんさんかなぁ、
髪が長いかなぁ、短いかなぁ、
こうして心は留まるところを知らず、
飛び回ります。
しかしその時、その時で、一つ一つしか追っていません。
一つのことに心が支配されると、
それだけになるのです。
この一つしか思えない人間の心を
うまく利用すればいいのです。