恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
「般若心経」の深い教え
或る方が書かれた「般若心経」の説明には、
「どこの誰がどう言った、
どこそこの誰はこんなふうに説明している」と、
そんなことばかりが書いてあります。
結局、何を言っているのか分からないと、
先日これを読まれた方がおっしゃっていました。
お釈迦様の第一の弟子と称する方が、
「私の説いた般若心経は、後にも先にも説く者は無い」と言って、
「般若心経」を書かれたのですが、お釈迦様の
第一のお弟子が、そんな分からないものを書くはずがありません。
まあ、皆様も「般若心経」については、いやというほど聞いていられると
思いますが、「摩訶般若波羅蜜多心経」
これは、私たちの心の奥底に内在する偉大な智慧に到達する心の教え、
ということですね。
恐ろしい般若と、智慧という意味の般若とが、全く同じ漢字です。
「波羅蜜多」は到達する、東京から岸和田へ到達してもらった、
或いは九州からここへ、この場所(無智)から
あの場所(智慧)へ到達する心の教えが説かれています。