絵手紙

パソコンによる絵手紙をはじめて・・・

回転扉  半村良

2006-08-03 15:10:20 | 読書
死んだはずの父親が、若い姿のまま自分の前に現れる。
大野総業社長、大野守夫は戸惑いながらも明治生まれの父親の言うなりに
事業を進める。
軍国主義に支配されそう・・・・
軍靴の音が聞こえてきそうで恐ろしい。
甦った父は亡霊???しかし何故・・・・
異色のSF。
★★★

魔が解き放たれる夜に    メアリ・H・クラーク

2006-05-31 17:42:02 | 読書
犯罪被害者の家族、それぞれ背負った苦悩・・・
当時7歳だったエリーの証言によって犯人は投獄されるが
23年の刑期を終え魔物は近く釈放される。
犯罪調査記者となったエリーは独自に再調査を進め、
葬り去られた真実をネット公開し始める・・・
魔の手が次第にエリーに迫る・・・
★★★★

Xの悲劇    E・クィーン

2006-05-23 14:59:40 | 読書
満員電車の中で、渡し舟の中で、汽車の中で・・次々起こる殺人事件!
いずれも群衆の中での事件でありながら目撃者はなかった。
かってシェイクスピア劇の名優と謳われながら、耳が聞こえなくなって
舞台を退いたドルリ・レーンがサム警部を助けて名探偵振りを発揮する。
純粋な謎解きミステリー・・・
思いがけない結末に唸らされる。
久々の謎解きミステリー夜更かし4日・・・愉しめました。
★★★★★

幸せになりたい    乃南アサ

2006-04-21 22:17:29 | 読書
キャンドル・サービス、口封じ、挨拶状、ほか全6編の短編集
登場する人物は、いずれも、どこにでも居るごく普通の人達。
彼らは時には策をめぐらし、打算に走ったり感情に流されたりしながら
「幸せになりたい」と望みながら逆方向へ・・・
哀れで、滑稽で悲しい人間の性!
こうゆう人間でありたくない・・・
私は不器用で打算の出来ない人間でよかった~と
妙な所で安心する。
★★★★

大黒屋光太夫  上・下    吉村昭

2006-04-15 15:04:11 | 読書
海嶺に続き難破船もの・・・・
天明2年(1782)伊勢の国白子浦を12月に出航し嵐に遭遇、
破船して漂流・・・翌年7月にロシア領に漂着。
その間、17人の乗組員の内12人が死亡。
今まで経験した事の無い寒さと飢えの戦い!
ロシア各地を転々とし、薬用鉱石、植物研究者キリロとの出会いで帰国への希望を見出す。
彼の協力でペテルブルグにて女帝エカテリナに謁見!帰国の許しを得る。
生き残った5人の内、凍傷で片足切断した庄蔵はロシア正教に改宗、
過酷な状況に耐え切れず同じく改宗した新蔵(キリシタン禁止令で帰国できず)
二人を置いての出発は・・・・光太夫にとって悲しく苦い思い出となる。
10年振りに日本の地に立つ事が出来、又ロシア事情に詳しい彼らはかなり優遇された。
海嶺の岩吉達との違い・・・・
ロシアという国が日本に近く無視する事の出来ない存在だったからなのだろうか・・・・
★★★★★


海嶺  (上・中・下)     三浦綾子

2006-03-20 23:21:17 | 読書
知多半島の小野浦から千石船宝順丸が出航したのは天保3年(1832年)
乗組員14名、彼らが江戸に向かう途中、遠州灘で激しい嵐にあい難破してしまう
1年2ヵ月後、奇跡的に生き残った豪胆な岩松、明朗快活な久吉、優しい心の音吉
の三人は北アメリカに漂着する。
北アメリカのフラッタリー岬に辿りつくが、インデアンのマカハ族に捕らえられ
奴隷にされてしまう。
事情を知ったイギリスの商社ハドソン湾会社の援助によって、日本へ帰る途が開かれた!
しかし、その道は険しく幾多の困難と何年にもわたる長い時間の集積でもあった。
日本で禁じられているキリスト教との出会い。
そしてついに、5年ぶりに故国を目の前にするが、日本の仕打ちは・・・・・
事実に基づき、三人の生き様がきめ細かく描かれている。
過酷な状況においても自暴自棄にならず常に前向きに生きる姿に心打たれる。
宗教的な問題だけでなく、鎖国が当時の日本の度量を小さくしてしまった。
彼らは、その被害者といえます・・・・胸が痛みます。
★★★★★

NかMか   (アガサ・クリスティー)

2006-03-07 22:35:03 | 読書
情報部からナチの大物スパイ(NとM)の正体を極秘裏に探るという
任務を帯びたトミーは妻のタペンスに内緒で任地へ赴く
だがタペンスは騙されたふりをして先回り・・
かくして二人は大規模なナチ・スパイ網にいどむ。
意外性を見せる結末・・・
(最近のミステリーと比べると何か物足りなさを感じる)
★★★