ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『文藝春秋2019年3月号』

2019-03-11 23:02:11 | 
『文藝春秋2019年3月号』芥川賞受賞作掲載号
 芥川賞受賞作が載っているが、それよりも面白いのは、選評!毎回、山田詠美さんの選評が私は好きだ。

『ニムロッド』 上田岳弘
 仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。
 何かよくわからない。仮想通貨もこの小説も。私の頭では、理解できないし、よさがわからなかった。NAVERまとめの「ダメな飛行機コレックション」は、おもしろかった。

『1R1分34秒』 町屋良平
 デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。考えすぎてばかりいる、21歳プロボクサーのぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。長年のトレーナーにも見捨てられ、現役ボクサーで駆け出しトレーナーの変わり者、ウメキチとの練習の日々が、ぼくを、その心身を、世界を変えていく―。
 『ニムロッド』より、はるかに読みやすい。でも、だから何なんだという感じ。個人的には、最後の終わり方が好き。
コメント
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