「ミケル・バルセロ展」

「ミケル・バルセロ展」　2021年3月20日－5月30日　国立国際美術館
開館時間＝10：00～17：00（金・土曜日は20：00まで）　休館日＝月曜日

　スペインの現代美術の巨匠ミケル・バルセロの日本初の大規模展。


とどめの一突き　闘牛場での闘牛。歓声がぐわんぐわんと響いて聞こえそう。

〇海のスープ　海をぐるぐるとかき混ぜるように立体の棒が突き刺してある。日本神話の国生みの話（イザナギとイザナミが天の矛を海の中に突き立ててかき混ぜ、引き揚げた矛から島が生まれた）を思い出した。
〇事象の地平　ぐるぐる回る銀河のよう。好きな作品。
〇亜鉛の白・弾丸の白　吊るされた馬？何故か気になって見てしまう。
〇小波のうねり　よく見ると小さく波が逆立っている。
〇飽くなき厳格　今にも天気の崩れそうな海。北の冷たい海？波の白さが効いている。好きな作品。
〇地球儀№3　セラミック。大陸が骸骨。
〇堅い頭の動物たち　セラミック。壺の胴体に体。壺の縁には頭がのっている。踊っているみたい。
〇裂け目と亀裂　セラミック。炭のよう。好きな作品。
〇ピンクの魚　セラミック。割れ目が目のようでちょっと気持ち悪い

　アフリカの絵もよかった。素朴でカラフルで命を感じる。白蟻に食われた紙などを使っていたりしていて面白い。漂白剤を使って描く絵も不思議な味わいでおもしろかった。
　映像も見るべき。「パソドブレ」は、粘土の板をほじくったり、叩いたり、こすりつけりと作品に仕上げていく。私は、思わずクスリと笑ってしまった。「幻影」は、水で描く絵。（水で書く書道のような感じ）水を含んだスポンジのボールを投げつけたり、ローラーを回したり。そして、水で描いた絵は時と共に消えていく。「大ガラスの地図（題名が間違っている可能性あり）」巨大なガラス全体に泥のようなものをこすりつけ、手などを使って泥を拭き取り、描いていく。夜には内側の電気の光で絵が浮かび上がる。昼は窓を通して太陽の光が差し込み、壁や廊下に影を映し出す。まるで動物や人が踊っているように見える。（『小石投げのタオ・カム』のお話を思い出した）
　現代美術の好きな私にはツボ！な展覧会だった。

「コレクション3　見えるものと見えないもの」同時開催
〇坂上チユキ　ニケ（古色蒼然）　青が美しい。よく見ると細かい。
〇須田悦弘　雑草　雑草だから、角にあると思って探す。必死に探すが見つからない。ギブアップして係りの人に教えてもらった場所は・・・。思い込みは禁物だと思った。
〇アンり・サラ　アンサー・ミー　映像。語り掛ける女性。まるで聞こえないように無心にドラムを叩く男性。すれ違いが悲しい。