ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『誇りの報酬』#28

2019-01-17 12:10:06 | 刑事ドラマ'80年代







 
☆第28話『友は湖に消えた』(1986.4.20.OA/脚本=柏原寛司/監督=日高武治)

芹沢刑事(中村雅俊)は高校時代の同級生・綾子(高木美保)から数年振りに連絡をもらい、喜び勇んで休暇を取って河口湖へと出向きます。

河口湖は、芹沢が高校のバスケット部でよく合宿に来た場所であり、綾子はバスケ部のマネージャー。兄妹みたいに仲良くピュアな関係でした。

甘酸っぱい想い出に浸りながら雪の河口湖に着いた芹沢は、ホテルでやはりバスケ部の仲間だった松山(渡辺裕之)とも再会します。

今は弁護士となり、仕事でたまたま河口湖に来ていたという松山と旧交を温める芹沢。そこへ綾子からSOSの電話が。綾子は謎の男三人組に襲われ、あわや殺されそうになったところを駆けつけた芹沢に救われます。

おかしな形で綾子と再会した芹沢は、彼女が松山と婚約中だと聞いて驚きます。綾子が何か相談があるからと言うから、芹沢は河口湖に来た。そこに綾子の婚約者である松山も来ていたのは単なる偶然なのか? そして彼女を襲った三人組はいったい何者なのか?

一方、東京で殺人事件を捜査していた萩原(根津甚八)と結城(伊藤 蘭)も、その被害者の仲間たちを追って河口湖へ。昭和の刑事ドラマじゃよくある展開ですw

で、東京で起きた殺人事件が綾子&松山と繋がってる事が分かって来た時、綾子が殺されてしまいます。

彼女は、芹沢と二人きりになるまで言えなかった相談事をやっと話そうとした時に、何者かに狙撃され、芹沢の目の前で息を引き取りました。

怒りに任せて例の三人組をとっ捕まえる芹沢ですが、どうやら綾子を殺したのは彼らじゃないらしい。じゃあ、いったい誰が彼女を……?

芹沢は、河口湖の湖畔に松山を呼び出します。

「昔さ、よくランニングしたな、この辺り。その頃のお前はさ、なんかこう希望に燃えて、迫力あったよな」

「昔話をする為に呼び出したのか?」

「……学生時代のお前は輝いていたよ。そのお前が、なんでエリカ商事なんか脅かしたんだ」

エリカ商事とは、東京で殺された被害者と、その仲間たちの会社。松山はエリカ商事の顧問弁護士で、彼らの密輸に関する証拠を握り、ゆすっていたのでした。

「理想と現実とは違うもんだ。人間は、理想だけじゃ生きていけない。事務所を開くにも金がいる」

松山はエリカ商事の連中に命を狙われ、返り討ちで一人を殺した。綾子を襲った三人組は、彼女を拉致して人質にし、松山が握る証拠と交換するつもりだった。松山の悪行に気づいた綾子は、それを芹沢に相談しようとしてたワケです。

「1つ、聞く。綾子を殺ったのは、お前なのか」

「……お前を狙ったのさ。外れたんだよ、弾が。お前のお陰で全て計画が狂った」

芹沢は自首を勧めますが、松山は承諾したフリをして芹沢を撃とうとし、萩原のマグナムに阻止されます。

「お前には撃たせたくなかったんだ。デカを辞めるには早すぎるからな」

芹沢が咄嗟に撃ち返せば、かつての親友を殺すことになったかも知れない。それで相棒を失うことだけは避けたい萩原なのでした。

雪の河口湖を舞台に描かれた、切ない友情とロマンスの末路。久々に『俺たちの勲章』を彷彿させる辛口のエピソードでした。

なお、現地の所轄刑事として石垣恵三郎さん、三角八朗さんもゲスト出演。石垣さんは『太陽にほえろ!』で長さん(下川辰平)の息子を演じた人であり、三角さんも『太陽~』の常連ゲストだった人。『太陽~』マニアにとっても味わい深いエピソードでした。

綾子に扮した高木美保さんは、当時23歳。スピードスケートの高木美保選手とはもちろん別人で、'80年代に『華の嵐』『夏の嵐』等の主演で注目された女優さん。『太陽にほえろ!』にも2回ゲスト出演されてます。

しかしご自身は「女優に向いてない」と判断され、活躍の場をバラエティー番組に移し、'90年代末からは農業とタレント業を兼務されるようになりました。

確かに器用な女優さんじゃなかったかも知れないけど、凛とした佇まいは画になるし、グラビアもなかなかセクシーで、萌えますw
 
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『誇りの報酬』#25

2019-01-17 00:10:04 | 刑事ドラマ'80年代







 
☆第25話『あの美女は誰だ!?』

(1986.3.30.OA/脚本=柏原寛司/監督=西村 潔)

第24話で篠ひろ子さん扮する捜査一課長秘書・真山幸子(篠ひろ子)が退職という形で降板、代わりに今回から伊藤 蘭さん扮する結城 緑 巡査部長がレギュラー入りします。

脚本が柏原寛司さんなので、舞台は横浜w 窃盗団メンバーの男が殺害され、その現場からニセの一万円札が発見されます。恐らく偽札と知らずに現金を盗んだ窃盗犯が、偽造組織に消された。そう睨んだ田沼課長(柳生 博)は偽造組織を摘発すべく、芹沢刑事(中村雅俊)を窃盗団に潜入させます。

で、その窃盗団を以前からマークしてた練馬中央署の結城刑事が、勘違いして芹沢を逮捕する等のすったもんだがあり、窃盗団を追ってた結城が偽札組織を、偽札組織を追ってた芹沢が窃盗団を逮捕するという、ややこしい結果に。

その辣腕ぶりが評価されたのか、結城刑事は本庁捜査一課に栄転となり、秘書じゃなく捜査官として芹沢や萩原(根津甚八)と一緒に働くことになります。

いかにも'80年代らしい軽いノリと荒唐無稽な展開。新レギュラーの登場回ですから勢いよくハッピーに行こう!って事なんでしょう。

単独で行動し、ガンガン敵地に乗り込んでいく結城刑事は現実離れしてるけど、女性の描かれ方が進化し、やがて主役となっていく過渡期のキャラクターと言えましょう。

これより10年前の『俺たちの勲章』における紅一点は坂口良子さんで、現場には出ないどころか中野刑事(松田優作)にしょっちゅうお尻を触られて「いやん、もう!」なんて言ってるようなマスコットキャラでした。僅か10年で随分と変わったもんです。

結城刑事の使用拳銃は中型オートのベレッタM1934。ちなみに芹沢刑事はコルト・ローマンMk-III2インチ、萩原はS&W M29(44マグナム)6.5インチを使用。

そんなワケで『誇りの報酬』も後半戦に突入し、より軽く、よりオシャレにアクティブに、いよいよ『あぶない刑事』の世界へと近づいて行きます。

なお、窃盗団のリーダーを演じたのは若き日の平泉 成さん。血気盛んで髪の毛フサフサですw

伊藤蘭さんは当時31歳。ご存じの通りアイドルユニット「キャンディーズ」のリーダー的存在で、解散後は一旦「普通の女の子」に戻ったものの'80年の映画『ヒポクラテスたち』で女優業を始動、高い評価を受けて現在まで女優一筋で活躍を続けておられます。

『誇りの報酬』出演の2年後に水谷豊さんと結婚、長女の趣里さんも女優として活躍中。蘭さんご自身も映画『少年H』で28年ぶりに水谷さんと夫婦共演される等、まだまだ健在です。
 
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