『3年A組/今から、皆さんは人質です』も第6話まで進み、創り手のメッセージが明確に見えて来ました。
上白石萌歌ちゃんを自殺に追いやった犯人が教師たちの中にいることが判って、一人の女子生徒が恨みを持つ先生を名指しで「犯人は○○先生に違いない」っていうメッセージ動画をネットに拡散させようとした行為に対して、菅田将暉先生はこれまでで最も激しい怒りを表しました。
生徒全員を人質に取ってこれまで6日間、さんざん考える機会を与えて来たのに、そして自分は人生の全てを賭けて教えてるつもりなのに、まだ「Let's think」の意味が解らんのか?と。
何の証拠も無いのに誰かを犯人扱いしてネットでぶちまけて、それが一体どんな結果を招くか、お前らはまだ考えようともしないのか?と。クラスメイトが自殺しただけじゃ足りないのか?と。
書き込む前に、動画をアップする前に、まずは深く考えろよと。自分の言葉と行動にもっと責任を持てよと。知りませんでしたで済まされる年齢じゃないんだぞと。
昨年、NHKで放映された単発ドラマ『フェイクニュース』も、ネット民たちに対して「まずは落ち着こうよ」っていうメッセージを発してました。それとやはりNHKで放映された土曜ドラマ『炎上弁護士』は録画したまま未見だけど、たぶん同じようなテーマだろうと思います。
あまりにも浅はかで無責任なネット民たち。そして集団心理の恐ろしさ。我々一般人以上に、テレビ業界の人たちは恐怖と危機感を抱いておられるのかも知れません。
過去の記事にも書きましたが、私自身、大好きなTVドラマのファンサイトの掲示板で、その時期よく出没してた粘着質な「荒し」が「お前だろ!」と、何の根拠もなく濡れ衣を着せられ、集中砲火を浴びて一生もんのトラウマを植え付けられた苦い経験があります。
自分が疑われたのも無論ショックだけど、同じ作品を愛する仲間(である筈の人間たち)にそんな仕打ちを受けた事実こそが衝撃でした。オアシスを求めて参加した掲示板が思いがけず最悪のインフェルノだった。戦隊に加えてもらおうと思って門を叩いたら、基地の中は怪人だらけだったワケです。
連中の目的は私を攻撃し、おちょくってストレス発散する事であり、本当に私がその「荒し」なのかどうか、真実がどうなのかはどうでも良かったんでしょう。何となくイジメてやりたくなる要素が私にあっただけの話です。
だから、連中はもうとっくに忘れてる事でしょう。やられた側は一生引きずるような心の傷を負っても、やった側はケロッとしてるもんです。連中にとってはただの遊びですからね。だからタチが悪い。だから許せない。本当に、この恨みだけは一生忘れません。
某巨大掲示板の、同じドラマについて語り合うスレッドをたまに覗いても、醜い罵り合いが延々と繰り返されてて辟易します。同じ作品を愛する者どうしがなんで憎しみ合わなきゃならんのか? そんな連中には元より作品愛なんか無いんでしょうけど。
そのドラマをリアルタイムで観てた人(つまり我々世代)はもう、かなりええトシのおっさん・おばさんですよ。CS放送やビデオで観た若い人も中にはいるかも知れないけど、まぁごく一部でしょう。
『3年A組~』は明らかに若い視聴者をターゲットに創られてるけど、それより先に「Think」させなきゃいけないのは我々世代の方です。そんな大人どもが生んで育てた子供たちですから、そりゃあ爆弾や拳銃でも使って思い知らせるしか方法が無いって話です。
そんなワケで、私はこのドラマに共感してます。余計なオチャラケが多い(シリアスな部分とのバランスが取れてない)こと、昨今のドラマらしくゲーム的な要素も強いこと等、気になる点は色々あるんだけど、それもこれも若い世代に観てもらう(そしてメッセージを伝える)為の工夫だと思えば納得できます。
民放ドラマでもう1本、注目しようと思ってた『ハケン占い師アタル』は第2話までで視聴が止まってます。興味はあるんだけどハートを掴まれるところまでは決していかない、それが私にとっての遊川ドラマですね。
そして今季ナンバーワンは早くも『トクサツガガガ』に決定です。見事にハートを掴まれました。
創り手たちが心底から楽しんでるのが伝わって来るし、その遊び心がストーリーと完璧にシンクロしてるんですよね。内輪ウケじゃなくちゃんとエンターテイメントになってる。
いつも気を抜いて観てるつもりなのに、気がつけば没頭させられてるという、ちょっと珍しい種類のドラマです。オタク要素をお持ちの方はもちろん必見だし、そうでない方もこのユニークさはお試しの価値アリです。