ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「2020年冬ドラマ」―3

2020-01-20 20:20:08 | TVドラマ全般









 
☆『テセウスの船』#01(TBS系列・日曜夜9時枠)

出ました、日曜劇場の新作。東元俊哉さんによる人気コミックを映像化した作品です。

平成元年=1989年に起こった無差別殺人事件の犯人として逮捕された警察官(鈴木亮平)の息子(竹内涼真)が、なぜか2020年から'89年にタイムスリップ!

父親が捕まったせいで悲惨な末路をたどる家族の未来を変えるべく、涼真くんが事件を未然に防ごうと奔走するノンストップ&バックトゥザフューチャー・サスペンス!

冒頭、いきなり涼真くんの奥さん(上野樹里さん、出番これだけ!?)が出産と同時に亡くなっちゃう衝撃の展開、彼女が虫の息で「お父さんを信じてあげて」と涼真くんに言い遺す涙のお別れで掴みはバッチリ!

怪しさ全開でミスリードしまくる若き日のお父さんが、やっぱり無実だったんだと息子が確信する初回のクライマックスも感動的で、ツッコミ所は多少あれど楽しむことは出来ました。

次回以降は豪華キャスト陣による町の住民たちのいったい誰が真犯人なのか、そして涼真くんは果たして未来を変えられるのか、そのミステリー&サスペンスで最終回まで突っ走る模様です。

ムダのない展開と畳み掛けるテンポが功を奏したのか、かつて同じ日曜劇場で西島秀俊&香川照之が演じた類似ドラマよりも、ずっと面白く出来てると私は感じました。

が、いつも書くように、しょせんは他人が机上で考えたゲームに過ぎません。素直に乗っかれば楽しめるだろうし、だから何やねん?って考えちゃうとただ空しいだけ。

このテンポのまま最後まで突っ走れるとは思えないし、大河女優の樹里さんが開始5分ですぐ死んじゃう以上の衝撃は期待できないし、なにせ日曜劇場だから強引に泣かせに来るだろうし……だけどタイトルに込められた意味(全てのパーツを入れ換えて復元した船が果たして同じ船と言えるのか?)はちょっと気になるし、ここはとりあえず様子見でしょうか?

日曜劇場で2回目も観てみる気になったのはかなり久しぶりで、それだけでも大したもんです。原作の力なんでしょうけどw

セクシーショットは涼真くんの母親を演じる榮倉奈々さん。老けメイクがやけにチープで(やり過ぎた?)ちょっと引きました。


☆『麒麟がくる』#01(NHK総合・日曜夜8時枠)

言わずと知れた2020年度のNHK大河ドラマ。池端俊策さんの脚本で戦国武将・明智光秀(長谷川博己)の生涯が描かれます。

東京オリンピックを題材にした昨年の『いだてん』は史上最低の平均視聴率だったそうです。人気の戦国時代や幕末の話じゃない上、時系列を行ったり来たりする複雑な構成が年配視聴者に解りづらかった、っていうのが敗因として挙げられてますけど、私はそれよりも宮藤官九郎さんの作風がそもそも大河ドラマというフォーマットに合ってなかったのが原因、つまり「クドカンさんのせい」だと思ってます。

ぐだぐだと会話が続いてやたらめったら笑いを取りに来るあの作風は、朝ドラにはピッタリだけど大河ドラマとは食い合わせが悪すぎた。だから、正確にはクドカンさんのせいじゃなく『あまちゃん』の夢よ再びと甘い目論みを立てた、NHKさんの自業自得。

で、その直後に定番中の定番である戦国モノですから、今度は手堅く当てに来たと揶揄されるのも必至。とはいえ作品のラインナップは数年前から決まってた筈で、ある程度『いだてん』の苦戦も予測し、その保険を用意しておいたって事なんでしょう。

それでいいんじゃないでしょうか。やっぱり大河ドラマは戦国時代が一番しっくり来るし、だからといって毎年それじゃ飽きちゃうからたまに変化球も挟んでいく。その繰り返しで良いのだと思います。

今回コケても次で当てればいいなんて、そんな贅沢が許されるのは地上波じゃNHKさんだけでしょうから、どんどん冒険して失敗して頂きたいです。

今回の『麒麟がくる』は沢尻エリカ様のお陰で話題性バツグン、長谷川博己さん演じる光秀も海外アーティストによる音楽もやたらカッコいいし、ヒロインの門脇麦さんは可愛いしで、ある程度のヒットは約束されたもんでしょう。

明智光秀に関してはあまり資料が残っておらず謎が多いとのことで、いかようにも創作できる利点も大きいかと思います。史実との違いをあげつらう無粋な輩が世の中(特にネット社会)には多いですからね。

史実なんてその時代に生きてた人しか知らないワケで、残された資料が正確かどうかの保証もない。つまり全ては想像の産物でしかないのに「事実と違う」だの「あり得ない」だのと、よく恥ずかしげもなく言えるもんだと思います。そんな外野の声に惑わされることなく、存分にカッコいい光秀を描いて頂きたいです。

いつものように豪華キャストが揃うなか、賛否両論まちがいなしの「織田信長=染谷将太」も仕上がりが楽しみです。合ってる合ってないで言えば絶対合ってないけどw、その似合わなさ具合を楽しむのも大河の醍醐味であろうと私は思います。

セクシーショットはもちろん、突然のピンチヒッターで注目度ピカイチの濃姫=川口春奈さん。実力はもちろんのこと、こういうチャンスが舞い込む運を「持ってる」彼女がどう化けていくかも楽しみです。
 
コメント (2)
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