やっぱり、バッタもんを観たらホンモノも観たくなりますよねw 私が唯一所有してるブルース・リー御大のDVD『燃えよドラゴン』を久々に観ました。1973年公開の香港&アメリカ合作映画、ロバート・クローズ&ブルース・リー共同監督による作品です。
やっぱねぇ、違いますよw 全然違う! この唯一無二の個性と存在感、まさに鋼のような肉体、そして正確無比なアクション! どれを取ってもバッタもんとは比べもんになりませんw
いや、世界中のアクション俳優やクリエイターたちが影響を受けまくりながら、いまだ誰ひとり超えられないんだからバッタもんとは比べようもない。バッタもんにはバッタもんの良さがあるんだし。(ブルース・リィさん、バッタもん連呼してすみませんw)
ジャッキー・チェンを筆頭とするカンフースターは言わずもがな、竹中直人さんみたいなモノマネ芸出身の俳優さんやケンシロウなど漫画あるいはゲームキャラに至るまで、世の中はいまだブルース・リーに溢れてます。
さんざん松田優作さんのバッタもん呼ばわりされた『太陽にほえろ!』のブルース刑事=又野誠治さんにしても、むしろ優作さんよりブルース・リーを意識しすぎてたことが、あらためてリー御大の映画を観るとよく分かります。そもそも優作さんだって影響受けてたでしょうしw
だけど誰も超えられない。若くして亡くなったお陰で唯一、その優作さんが日本のブルース・リーみたいな存在になった感はあるけど、それでも比較にならないと言わざるを得ません。
『Gメン'75』の記事に書いた通り、さほど私はカンフー物が好きなワケじゃないんだけど、それでもリー御大はずっと観てられる。アクションシーン以外でも一挙手一投足から眼が離せない。
なぜって、やっぱり唯一無二だから。これはもう理屈じゃ説明のしようがありません。初めて見た子供の頃よりも、いろんな作品や人間を観て来た今の方がより一層、如何にこの人が飛び抜けてるかがよく解ります。バッタもんを観た直後だから余計にw(リィさん、重ね重ねすみませんw)
この『燃えよドラゴン』はアメリカ資本が入ってるからブルース・リー映画随一の大作だし、バランスも良くてクオリティーが高い。今の眼で観るとびっくりするほど展開がトロいけどw、リー御大が画面に映ってる限り退屈はしません。だからこそのスーパースターです。
さらに本作には『Gメン'75』香港カラテシリーズの常連ゲスト、ボクらの筋肉アイドルことヤン・スエさんもけっこう重要な役で登場し、ここでも筋肉をメリメリ言わせながら大活躍されてます。凄い人だったんですね!(筋肉アイドルとか言ってすみませんw)
ストーリーは、少林寺随一の達人であるリー御大が国際情報局からの依頼により、やはり少林寺出身で悪の道に走ったハン(シー・キエン)が支配する要塞島に潜入し、武術トーナメントに参加しながら悪事を暴いていく、基本はスパイ活劇。
リー御大が最初に対戦するのがかつて妹=スー・リン(アンジェラ・マオ)を死に追いやったにっくき仇で、そいつを圧倒的な強さで処刑しちゃうシーンでつかみはバッチリ! とどめの蹴りを入れたあと泣きそうな顔で歯を食いしばる有名な演技がここで披露されます。
リー御大より先に潜入してた諜報員=メイ・リン(ベティ・チュン)や、ハンの愛人らしき金髪美女=タニア(アーナ・カプリ)、そしてトーナメントに招かれた武術家たちをお色気で接待する美女軍団も登場し、意外とむさ苦しくありませんw
以前レビューしたジャッキー・チェンのハリウッド進出第2弾『プロテクター』でも似たような(あまり必然性が感じられない)お色気サービスがあったけど、もしかして本作へのオマージュだった?
ほか、アメリカ側からジョン・サクソン、ジム・ケリー、ボブ・ウォールといったアクションスターたちも参加されてます。
要塞島におけるアジア風味のへんてこパラダイス感も見どころで、やっぱりこれは面白い! まだ観てない方には大いなるサプライズが、子供の頃に観たきりの方には新たな発見が多々あると思うので、今更ながらオススメです。