そんなワケで小池里奈さんも滝裕可里さんもそれぞれ魅力的ですが、この『ウルトラマンギンガS』で最も我々の眼を引いたのは、敵の怪獣や戦闘員たちを操るアンドロイド=ゼロワンを演じた、最上もがさんじゃないでしょうか。当時25歳、おたく系アイドルユニット=でんぱ組.incのメンバーでした。
スカウトされて芸能界入りしたものの、決して明るいとも健康的とも言えない自分のキャラはアイドルに向いてない、けれど生活の為には辞められない……
そんな葛藤を抱えてたらしい最上さんは、やがて感情が芽生えて敵と味方、あるいは人間と間との間で揺れ動くアンドロイド役にぴったりだったかと思います。
今回観た第1話~第3話の時点じゃまだターミネーター状態で無表情。けれど作戦に失敗すると悔しさを滲ませ、上役であるガッツ星人に見下されると反抗を示すなど、すでに感情の兆候が表れてます。
最高司令官であるチブル星人からは「もう後がないぞ」と脅されるし、頑張ってるのに虐げられてる感じが『マジンガーZ』のあしゅら男爵、あるいは現在放映中の大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公=明智光秀を連想させたりもします。
ゆえにキャラクターが多面的で、むしろ正義一直線の主役たちよりも人間的。だから眼を引くんだろうと思います。
もちろん、それ以前に露出度の高い衣装、中性的なビジュアルも魅力的で、特にその立ち姿……っていうか後ろ姿……っていうかお尻にw、思わず眼が釘付けになっちゃうワケです。
いや、お尻なら小池さんも滝さんも負けてないんだけど、おっぱいは最上さんの圧勝かも知れませんw バカ売れしたという最上さんの写真集も見てみたくなりました。
前回、ウルトラマンや仮面ライダーのシリーズがスーパー戦隊シリーズのノリに引っ張られてる、みたいなことを書いたのは、世界観のポップ化もさることながら、この『ウルトラマンギンガS』が変身前の格闘アクション描写にやたら力を入れてくれてるから、っていうのもあります。
なにしろメイン監督の坂本浩一さんは、以前このブログでもレビューしたガールズアクション映画『赤×ピンク』('14年公開、小池里奈さんもご出演) を創った人。格闘アクションに並々ならぬ愛と情熱を持っておられる方であるのは、ほんの1シーンだけ観ても一目瞭然でした。
倉田アクションクラブご出身のアクションコーディネーターで、ハリウッドに渡って『パワーレンジャー』シリーズ等に参加、監督としても腕を磨かれ、日本ではスーパー戦隊、ライダー、そしてウルトラの三大シリーズ全てを手掛けておられる、まさにヒーローアクションの申し子と呼べる存在。
この『ウルトラマンギンガS』でも敵のアンドロイドにわざわざ戦闘員を引き連れさせ、等身大の格闘アクションを毎回欠かさず盛り込まれており、そのボリュームは下手するとライダーやスーパー戦隊を凌駕しかねません。
変身後のウルトラマンVS怪獣バトルも本格的な格闘技で、キングジョーみたいなロボット怪獣まで機敏に動いて格闘する姿には、つい笑いそうになりますw
もちろん女優さんたちも例外じゃありません。特捜チームUPGの紅一点にして現場のリーダー格=杉田アリサ隊員を演じる滝裕可里さん(当時26歳)も、男子隊員たちに負けじとシャープな立ち回りを見せてくれます。
2001年にミュージカル映画『Star Light』で13歳にして主演デビュー、ファッションモデルとしても活躍しつつ2011年のオリジナルビデオ『仮面ライダーアクセル』や2012年の映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』でヒロインを演じ、2018年の『仮面ライダービルド』にもレギュラー出演される等、特撮ヒーロー物とは縁の深い女優さん。
眼力もあって面構えがいいから、銃を持ってもサマになりますよね。
満島ひかりさんのイメージビデオから『ウルトラマンマックス』への流れを踏襲し、小池里奈さんがレギュラー出演された『仮面ライダーキバ』と『ウルトラマンギンガS』もレビューさせて頂きます。
そう、里奈さんはライダーとウルトラの2大特撮シリーズ両方にレギュラー出演された、数少ない女優さん。この『~ギンガS』のメインヒロイン=滝裕可里さんもそのお一人だったりします。
『ウルトラマンギンガS』は2014年の7月から9月まで、さらに11月から12月までの二期に分けて全16話が、テレビ東京系列火曜夜6時からの30分枠で放映された特撮ヒーロー番組。制作はもちろん円谷プロダクション、メイン監督は『赤×ピンク』の坂本浩一さんです。
『新ウルトラマン烈伝』の番組内番組であり『ウルトラマンギンガ』の続編なんだけど、我が家では受信できないテレビ東京での放映ゆえ、その存在すら私は全く知りませんでした。
こないだ観た『~マックス』が原点回帰を図った作品だったせいもあり、この『~ギンガS』のやたらポップな世界観にまず度肝を抜かれました。ライダーシリーズはたまに観るから最近ポップ化してることを知ってたけど、ウルトラもそうだったんですね!
前作の『~ギンガ』は高校生が主役で地球防衛隊が存在しなかったそうですから、UPGっていう防衛チームが登場する『~ギンガS』はまだ基本に戻った方なんだけど、それにしてもポップ! 昭和シリーズ初期の暗さは微塵もなく、同じ平成のシリーズでも私がよく観てた『~ティガ』や『~ダイナ』はもはやクラシックなんですね。
出生の異なるウルトラマンが2人(ギンガとビクトリー)出てきて互いに戦ったりすることにはもう驚かないけど、そこに悲壮感がまるで無いのが過去のシリーズとは違ってます。
辛気くさいのが苦手な私としては、かえってこれは歓迎すべき事なんだけど、ホントにそれでいいんだろうか?ってw、なんだか心配になって来ちゃいます。
良し悪しや好き嫌いは置いといて、普段あまり特撮ヒーロー物を観ない薄いファンから見ると、ライダーもウルトラもスーパー戦隊(○○レンジャー)シリーズのノリに引っ張られてるような気がしちゃう。明るい作風は大歓迎だけど、各シリーズが画一化されちゃうのはどうなんだろう?って、謎解きゲーム番組一色になっちゃった刑事物ジャンルの末路を見てきただけに思うワケです。
それはともかく、変身アイテムに小さいウルトラマンのフィギュアを装着するという、スポンサー(玩具メーカー)への忖択に満ちた変身方法もやたらポップでゲーム的。昭和の有名怪獣(エレキングとかキングジョー等)のフィギュアを装着するとウルトラマンの腕が怪獣のそれとチェンジして強化武器になったりするからワケが解りませんw
で、ウルトラマンになった後も若者言葉で喋ったり必殺技の名前を叫んだりするから、変身したというよりウルトラマンをコクピットで操縦してる感覚なんですよね!(変身アイテムの音声を石丸博也さん=『マジンガーZ』で一躍有名になった声優さんが担当されてるのは、もしかしてそれを意識してのキャスティング!?)
つまりヒーローは仰ぎ見るものじゃく視聴者自身が操るもので、その戦いは「生きるか死ぬか」というより「勝つか負けるか」のゲーム感覚。それはそれで楽しめばいいんだけど、果たしてそれでいいんだろうか?ってw、昭和のオジサンは立ち止まっちゃう。
まぁしかし、そうは言っても、私が知ってるウルトラマンとはまるで違うウルトラマンの世界を初めて観て、その新鮮さを大いに楽しんだのも事実。時代はどんどん進んでるんですよね。
本作で活躍する第2のウルトラマン「ビクトリー」に変身する青年ショウ(宇治清高)はなんと地底人という設定で、その世界の女王様「キサラ」が山本未來さん、そしてその娘(?)にしてショウの幼なじみ「サクヤ」に扮したのが、当時20歳の小池里奈さんです。
地底怪獣と交信できる能力があるみたいだけど、基本は幼い弟(山田日向)とコンビで行動し、どちらかと言うと主役たちの足を引っ張る役回りみたいで、里奈さんの魅力全開!とはいかない感じです。
が、後の劇場版ではUPGの見習い隊員として活躍されるそうで、是非そっちを観てみたいと思いました。
2006年にリリースされた、小池里奈さん3作目のイメージビデオです。当時、中学生になられたばかりの12歳!
小学生時代からジュニアアイドルとして活動スタート、TVドラマや映画にもたくさん出演されてますが、主戦場はグラビア並びに写真集、そしてイメージビデオだったかと思います。
しかし、なにせ12歳です。さすがにこれをエロ目線で観るには背徳感が伴います。これをオカズにしちゃいけない。
ご本人に対しては失礼な物言いかも知れないけど、これは仔犬や仔猫を愛でる「もふもふ動画」みたいなもので、オカズじゃなく癒しの映像として観るべきでしょう。
なのに、なぜ我々はお尻を見てしまうのか?
それは、そこにお尻があるから。
あるんだから仕方がない。
なにか?
お尻はともかくとして、小池里奈さん最大の魅力はやはり屈託のない笑顔だろうと思います。
メイキングやオフショットを観ても、彼女を中心にスタッフさんたちが常に笑顔なんですよね。こんなに底抜けの明るさを持った子と仕事したら、ある意味疲れるかも知れないけどw、現場が楽しくて仕方ないだろうと思います。
ただ、被写体としてはまだ表情のバリエーションが乏しく、カメラを見てニコッのパターンが多すぎてちょっと飽きを感じるんだけど、そりゃまだ12歳ですから仕方ありません。
さすがの私もここまで若い子のイメージビデオは過去に観たことが無く、他の作品と比較することが出来ないんだけど、同世代の中では飛び抜けた表現力があったんじゃないでしょうか?
でなければ、小学生から中学生、高校生、大学生にまでなっても安定した人気をキープし続けることは出来なかった筈。あまり類を見ない存在ですよね。
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☆『テセウスの船』#01(TBS系列・日曜夜9時枠)
出ました、日曜劇場の新作。東元俊哉さんによる人気コミックを映像化した作品です。
平成元年=1989年に起こった無差別殺人事件の犯人として逮捕された警察官(鈴木亮平)の息子(竹内涼真)が、なぜか2020年から'89年にタイムスリップ!
父親が捕まったせいで悲惨な末路をたどる家族の未来を変えるべく、涼真くんが事件を未然に防ごうと奔走するノンストップ&バックトゥザフューチャー・サスペンス!
冒頭、いきなり涼真くんの奥さん(上野樹里さん、出番これだけ!?)が出産と同時に亡くなっちゃう衝撃の展開、彼女が虫の息で「お父さんを信じてあげて」と涼真くんに言い遺す涙のお別れで掴みはバッチリ!
怪しさ全開でミスリードしまくる若き日のお父さんが、やっぱり無実だったんだと息子が確信する初回のクライマックスも感動的で、ツッコミ所は多少あれど楽しむことは出来ました。
次回以降は豪華キャスト陣による町の住民たちのいったい誰が真犯人なのか、そして涼真くんは果たして未来を変えられるのか、そのミステリー&サスペンスで最終回まで突っ走る模様です。
ムダのない展開と畳み掛けるテンポが功を奏したのか、かつて同じ日曜劇場で西島秀俊&香川照之が演じた類似ドラマよりも、ずっと面白く出来てると私は感じました。
が、いつも書くように、しょせんは他人が机上で考えたゲームに過ぎません。素直に乗っかれば楽しめるだろうし、だから何やねん?って考えちゃうとただ空しいだけ。
このテンポのまま最後まで突っ走れるとは思えないし、大河女優の樹里さんが開始5分ですぐ死んじゃう以上の衝撃は期待できないし、なにせ日曜劇場だから強引に泣かせに来るだろうし……だけどタイトルに込められた意味(全てのパーツを入れ換えて復元した船が果たして同じ船と言えるのか?)はちょっと気になるし、ここはとりあえず様子見でしょうか?
日曜劇場で2回目も観てみる気になったのはかなり久しぶりで、それだけでも大したもんです。原作の力なんでしょうけどw
セクシーショットは涼真くんの母親を演じる榮倉奈々さん。老けメイクがやけにチープで(やり過ぎた?)ちょっと引きました。
☆『麒麟がくる』#01(NHK総合・日曜夜8時枠)
言わずと知れた2020年度のNHK大河ドラマ。池端俊策さんの脚本で戦国武将・明智光秀(長谷川博己)の生涯が描かれます。
東京オリンピックを題材にした昨年の『いだてん』は史上最低の平均視聴率だったそうです。人気の戦国時代や幕末の話じゃない上、時系列を行ったり来たりする複雑な構成が年配視聴者に解りづらかった、っていうのが敗因として挙げられてますけど、私はそれよりも宮藤官九郎さんの作風がそもそも大河ドラマというフォーマットに合ってなかったのが原因、つまり「クドカンさんのせい」だと思ってます。
ぐだぐだと会話が続いてやたらめったら笑いを取りに来るあの作風は、朝ドラにはピッタリだけど大河ドラマとは食い合わせが悪すぎた。だから、正確にはクドカンさんのせいじゃなく『あまちゃん』の夢よ再びと甘い目論みを立てた、NHKさんの自業自得。
で、その直後に定番中の定番である戦国モノですから、今度は手堅く当てに来たと揶揄されるのも必至。とはいえ作品のラインナップは数年前から決まってた筈で、ある程度『いだてん』の苦戦も予測し、その保険を用意しておいたって事なんでしょう。
それでいいんじゃないでしょうか。やっぱり大河ドラマは戦国時代が一番しっくり来るし、だからといって毎年それじゃ飽きちゃうからたまに変化球も挟んでいく。その繰り返しで良いのだと思います。
今回コケても次で当てればいいなんて、そんな贅沢が許されるのは地上波じゃNHKさんだけでしょうから、どんどん冒険して失敗して頂きたいです。
今回の『麒麟がくる』は沢尻エリカ様のお陰で話題性バツグン、長谷川博己さん演じる光秀も海外アーティストによる音楽もやたらカッコいいし、ヒロインの門脇麦さんは可愛いしで、ある程度のヒットは約束されたもんでしょう。
明智光秀に関してはあまり資料が残っておらず謎が多いとのことで、いかようにも創作できる利点も大きいかと思います。史実との違いをあげつらう無粋な輩が世の中(特にネット社会)には多いですからね。
史実なんてその時代に生きてた人しか知らないワケで、残された資料が正確かどうかの保証もない。つまり全ては想像の産物でしかないのに「事実と違う」だの「あり得ない」だのと、よく恥ずかしげもなく言えるもんだと思います。そんな外野の声に惑わされることなく、存分にカッコいい光秀を描いて頂きたいです。
いつものように豪華キャストが揃うなか、賛否両論まちがいなしの「織田信長=染谷将太」も仕上がりが楽しみです。合ってる合ってないで言えば絶対合ってないけどw、その似合わなさ具合を楽しむのも大河の醍醐味であろうと私は思います。
セクシーショットはもちろん、突然のピンチヒッターで注目度ピカイチの濃姫=川口春奈さん。実力はもちろんのこと、こういうチャンスが舞い込む運を「持ってる」彼女がどう化けていくかも楽しみです。