ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『マイファミリー』最終回

2022-06-16 23:13:34 | 多部未華子

良くも悪くも、実に日曜劇場らしい作品でした。裏切者→ミスリード→どんでん返し→裏切者→ミスリード→どんでん返し→裏切者→ミスリード→どんでん返し→裏切者→ミスリード→どんでん返し→裏切者……の無限ループw

だから誰が真犯人であろうが途中でどうでもよくなるんだけど、それでも最後まで退屈せずに楽しめたのは、徹底的に練り込まれた脚本と、筋金入りのプロフェッショナルばかり集めたキャスティングの勝利かと思います。



そのウルトラ・ワンパターンな作風を、私みたいに揶揄する視聴者もいっぱいいる筈なんだけど、まったく意に介さずやり抜いちゃう「ブレない姿勢」はむしろ天晴れ!と言うべきかも知れません。

タイトルや設定が変わっても、日曜劇場はいつも日曜劇場。次のシーズンも日曜劇場だし、その次もまた日曜劇場。どんなタイトルであろうがどんな設定であろうが、中身はやっぱり裏切り者→ミスリード→どんでん返し→裏切り者w そんな日曜劇場っていう長寿番組を我々は延々と観続けるワケです。



言わば日曜劇場っていう1つのジャンルを築いたと思えば、やっぱり大したもの。で、それに一番近いジャンルが、もしかしたら私の大好きな「刑事ドラマ」なのかも知れません。タイトルや設定は違っても、やってることは皆同じっていうw そもそもミスリードやどんでん返しはミステリーの手法だし。



全然『マイファミリー』のレビューになってないけど、ほんと究極の「アトラクション・ドラマ」だったと私は思うから、「楽しめた」っていうのが何よりの褒め言葉。で、明日には忘れちゃいますw アトラクションだからそれで良いんです。



多部未華子さんを筆頭に、高橋メアリージュンさん、藤間爽子さん、山田キヌヲさん、そして蓮佛美沙子さん等、女優陣のチョイスがまた「渋い」ですよね。実力重視で、そこは本当に日曜劇場の長所だと思います。



タベリストとしては特に、映画『君に届け』以来となる多部ちゃんと蓮佛美沙子さんの共演が嬉しかったです。えっ、2010年公開? もう12年前っておいおい、ちょっと待てよ!(おいちょ待てよ!)


 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『シン・ウルトラマン』

2022-06-14 23:26:46 | 特撮ヒーロー

これだけはやっぱり、劇場で観たかったんですよね。情報(ネタバレ)が入って来る前に。庵野秀明 脚本&樋口真嗣 監督による空想特撮映画『シン・ウルトラマン』、2022年6月現在公開中!

多部ちゃんが出てる『流浪の月』やトム・クルーズの『トップガン』続編、河瀨直美さんの東京オリンピック等も観たいけど、コロナ禍、父の入院、おまけに腰痛といった数々の障壁を乗り越えてでも観たかったのは、やっぱりウルトラマン。

結局『シン・エヴァンゲリオン』は断念したけど、昭和40年生まれ=ウルトラ世代ど真ん中としてはどうしてもコレは外せない。当然『シン・仮面ライダー』も同じです。



ウルトラマンと一体化する男=神永新ニに斎藤工、そして彼が所属する科特隊ならぬ「禍特対」のメンバーに長澤まさみ、早見あかり、有岡大貴、その班長に西島秀俊、室長に田中哲司、総理大臣に嶋田久作、メフィラス星人に山本耕史、といった豪華キャスト陣。



面白かった! 以上!w

だから、良かった! 面白いことが何より大事で、私はそれしか求めません。長編映画としては多分イビツな出来だと思うし、ツッコミ所も色々あろうけど、面白ければ全てよし!

何度か目頭も潤んだけど、それはまぁ、ビジュアルにせよサウンドにせよ愚直なほど忠実にオリジナルが再現されてますから、ど真ん中世代なら条件反射的に泣いちゃいます。自分がいちばん無邪気だった頃の記憶に直結しますから。



当然、見せ方は格段にアップデートしてるワケだけど、基本的なストーリーと根本的なスピリットはオリジナルのまんま。『シン・ゴジラ』もそうだったし『シン・仮面ライダー』もきっとそうなるでしょう。

過去にリメイク的な作品、リブート的な作品はいくつもあって、どれもこれもうまくいかなかったワケだけど、それらがなぜダメだったかを庵野さんは冷静に分析し、この『シン』シリーズに反映させてるんだろうと思います。

そう、極めてクールなんですよね。自分の思い入れとか、ファンが求めてるものとか全部知り尽くした上で、とにかくどうすれば面白くなるかを最優先に考えて、要らないと判断したものはバッサバッサと斬り捨てる。それが出来るクリエイターって少ないのかも知れません。



とにかく「面白かった」の一言に尽きるけど、あえてレビュー的な感想を絞り出せば、異星人としてのウルトラマンの人格というか、なぜ地球人の為にあんな命懸けで彼は戦うのかっていう、そもそもの理由をはっきり描いてくれたのが画期的じゃないかと。

ウルトラマンって、光の星(ひかりのくに)では異端児なんですよね! 勝手に神永(ハヤタ)と一体化し、帰還命令を無視して地球を護っちゃってる。

たしかオリジナルでは、地球に飛来したときの衝撃でハヤタを死なせちゃった責任感だけだったと思うけど、今回の映画ではそれにプラスして、神永が逃げ遅れた子供をかばったせいで死んだ、その非論理的な「自己犠牲」を理解したくて彼と一体化し、彼の仲間とふれあう内にどうしょうもなく地球人を好きになっちゃう。

その過程が充分に描かれたかと言えば、ちょっとセリフに頼り過ぎてる感があるんだけど、それでも、なぜ我々がこんなにウルトラマンを愛しちゃったのか、その答えを明確に示した作品はこれまで無かったと思うワケです。

異端児で頑固者で、ある意味イカれてるからこそウルトラマンは魅力的なんだと、私は今回初めて気づかされました。だからこそ面白い! 長澤まさみさんの美脚をこれでもかと拝めるし、オススメです!

 

PS. 先に書いたウルトラマンの性格って、岩明均さんの傑作コミック『寄生獣』のミギーによく似てると思いました。そもそも『寄生獣』が『ウルトラマン』からインスパイアされた作品の1つなんでしょうね。


 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「乳首か、乳首以外か。」

2022-06-12 23:23:06 | 日記

先日の『君の瞳をタイホする!』最終回の記事が、またもや事務局の嫌がらせにより公開停止となりました。ほんと何回目だろw

しかし、あの記事に載せた画像に「公序良俗に反する」ものは無かったと思うんですが。ちょっと際どいと言えば際どいのかな?って思われるショットを削除し、再公開を申請したけど音沙汰なし。

その申請フォームをよく見ると、以前は無かった筈のこんな一文が加わってました。↓

「なお、法令上規定された手続によって公開停止となった場合は、公開再開は予定されていないケースがあり、このケースにおいては該当箇所の修正をされても公開再開にはなりません。また、これ以外にも、規約違反が繰り返されている場合等、一定の場合は、該当箇所の修正をされても公開再開にはなりません」

回りくどくてヘッタクソな文章だけど、要するに修正したところで許されるとは限らない、すべては連中のご機嫌しだいってワケです。たかがブログ運営者が、ずいぶんと偉くなったもんです。

うちは完全にマークされてますから、おそらく今後はいくら修正(?)したところで無駄なんでしょう。コメントを下さった方々、申し訳ありません。

が、悪いのは100%事務局の連中です。こんなチンケな世界でちっぽけな支配欲を満たして悦んでる、ちっちゃいチンコの変質者たちです。もういちいち関わるのが面倒だし気持ち悪いので、おとなしくしときます。二度とエッチな画像は載せません。



さて、前回の記事にも登場した、カリスマ・ホストで実業家のローランド君がどんな風に面白いか、ちょっと前に放映されたNHK・Eテレの深夜番組『スイッチ・インタビュー/達人達』における水谷隼くん(元・卓球のオリンピア)との対談から発言をピックアップしたいと思います。

この番組は、各分野における達人が、ほかの分野の達人で「会ってみたい」「話を聞いてみたい」と思う相手にラブコールを送り、初めて対面し、互いの職場でインタビューし合うという内容。興味ある人が出てる回しか観ないけど、私のお気に入り番組の1つです。

今回は東京オリンピック2020で「大魔王」伊藤美誠選手と一緒に日本卓球界初の金メダルを獲り、有終の美を飾ったばかりの水谷隼くんが、なぜかローランド君を指名して行われた対談。

卓球界のレジェンドと、歌舞伎町のホスト王w 異業種にも程がある2人だけど、どんな世界であれトップを獲り、その座をキープしてきた者どうし、共感するものは大いにあったみたいです。



まずは水谷くんがローランド君の経営するホストクラブを訪ねるんだけど、店内はモノトーンの落ち着いた雰囲気で、我々がホストに対して抱くチャラいイメージをすでに打ち破ってます。

過度に装飾しないのは、ホストたちに自分の(男としての)魅力一本で勝負させるのが狙いだそうで、すでに彼の哲学みたいなものを感じますよね。



「No.1ホスト像っていうキャラクターを、ずっと作ってたんですよ」

まさに全身ホストって感じのローランド君だけど、それは彼なりの「役作り」による成果。寝るときも「No.1ホストならどんな姿勢で寝るべきか」考えながら寝るんだとかw なんとなく高倉健さんとか田村正和さんを彷彿させませんか?

ホストの仕事自体にも強いこだわりがあり、その1つが「お客にツケ払いをさせないこと」。例えば10万円しか持ってないお客に100万する酒のローン払いを約束させれば、それがその日の売上げになるから成績は上がる。けど、それはフェアなやり方じゃないから、やらない。

「勝つことだけじゃなくて、勝ち方にもこだわりたかったんですよ」

その言葉を聞いて、水谷くんは「アスリート気質ですね!」と言ってました。だから共鳴するものがあったんだろうし、我々もホストであるローランド君にチャラさを感じない。

ほかにも、酒は大好きなのに「接客中は一滴も飲まない」というストイックさ。美しく勝ちたい、プロフェッショナルでありたいっていう姿勢を貫いてる。まさに水谷くんみたいな一流アスリートを彷彿させます。



「裸一貫で自分の実力次第でのし上がれる、そんなハングリーな業界ってそう多くはない気がするんですよね」

かつてはサッカー選手を目指したけど挫折し、大学も1日で辞めてしまい、道を見失ったときに出逢ったのがホスト業界。

経歴や人脈などのバックグラウンドが何も無くても成り上がれる、完全実力主義の世界がすごく魅力的に見えたんだそうです。なるほど!



「人の人生をいい方向に変えるって、お金を貰うのと同じぐらい幸せなんじゃねえかって」

ホスト業を始めて、自分の言葉で人生が変わる人がいることに快感を覚えたローランド君は、稼いだお金で発展途上国に学校を建てるという事業にも着手。

その動機が、自分の学歴をバカにしてくる連中に「オレは学校に行く側じゃなくて、建てる側だから」って言い返すためw なのに現地の子供たちが喜んでくれる姿を見て、思いのほか自分も嬉しくなったそうです。

もちろん「売名行為だ」みたいに言ってくるヤツも沢山いるけど、気にしない。やった人間にしか解らない悦びがそこにあるから。



トーク力を磨く為に、あらゆる分野の本を読みあさったりもしたそうです。今、タレントとしても引っ張りだこなのは、そんな努力で身につけた「厚み」があればこそ。そこが同じホスト体質でも「薄っぺらい」近藤真彦との決定的な違い。(クレームは遠慮なく東山紀之くんに)

「けっきょく自分が弱いから、自分に甘いから、自分を追い込まないとサボっちゃう」

あのビッグマウスは、自分の弱さを知ってるからこそ、わざと高いハードルを自身に課してるワケです。アスリートでありファイターですよね。

「ぼくは、ロマンとかやり甲斐とか自分の美学っていうのは、お金よりも尊いって思ってるんですよ」

近藤真彦が言うと薄っぺらいけど、ローランド君が言うと哲学的に聞こえちゃう。

自分のロマンを100%優先して生きるのは人間社会じゃムリだから、20%ぐらいは(やりたくない事もやって)換金する。すべて自分のやりたいようにやってる……ように見えるローランド君も、内心20%は我慢してるワケです。

「そうでなきゃNHKからオファーは来ないですよ(笑)」

でも絶対、全部は換金しない。そこが美学。

「ぼくの人生で大事なのは、どう思われるかよりも、どうありたいかなんですよね」



「親が、息子をお願いしますって、預けに来るような店が理想だなって」

花嫁修業的なスクールは数多あれど、男を磨くようなスクールが日本には無い。彼は自分の店をそんな場所にしたいそうです。

「ホストしか出来ないからじゃなくて、沢山ある選択肢の中からあえて選んでもらえる店にしたい」

ホストの引退後=セカンドライフは悲惨なのが現実だけど、ローランド君はそれを変えるためにも実業家として頑張ってる。

「セカンドライフだって華々しいっぜっていう、成功例を(ホストの後輩たちに)見せるのも1個の義務かなと思って」

やっぱ、凄いッス。私なんぞは自分のことで精一杯です。まして、こんな無名のブロガーをイビって愉しんでる事務局の粗チン連中に、ローランド君の美学は一生かけても理解できっこない。粗チンだから。

悔しかったらYOU、この記事も消しちゃいなよ!


 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「芸能界よさらば」

2022-06-10 23:48:03 | 日記

近藤真彦は「メリーさん」とかいうジャニーズ事務所の女性役員(かなり歳上の偉い人)とデキてたみたいですね。

ゴシップを鵜呑みにするつもりは無いけど、そう仮定すれば全ての辻褄が合いますから、たぶん間違いないんでしょう。っていうか、世間じゃ「なにを今さら」の常識なのかも知れないけど。

あんなに近藤を祭り上げたところで事務所には何のメリットも無かったはずで、偉い人の個人的な贔屓があったとしか考えられない。

どう見たって歌も演技も下手くそなアイツに、あの明菜さんまであんなに惚れちゃったワケだから、まさに「男としての魅力だけ」でトップまでのし上がり、何十年も「なんもしてないのに」居座り続けたワケです。究極の「ホスト」体質でローランド君も真っ青!



ローランド君は歌舞伎町ナンバー1ホストからナンバー1経営者にまでのし上がり、今やタレントとしても活躍中の29歳。

ホストなんて、ヤクザの次に忌み嫌うべき人種と思ってたのに、テレビで見かける彼の言動は含蓄があってすこぶる面白い。同じホスト体質の男でも、言っちゃ悪いが近藤の薄っぺらさとは実に対照的。



薄っぺらいって言ったのは同じジャニーズの東山紀之ですから、クレームはそちらにお願いします。

今週はちょっと、自分の勤めてる会社を心底から嫌いになっちゃう出来事があったもんで、ちゃんとした記事を書く気力が無くテキトーに書いてますm(__)m

久々に、鬱に近い状態にまで落ち込んだけど、愛しい人からプレゼントを頂いて何とか立ち直りました。やっぱり、人を救えるのは人しかいないんですよね。



今回のセクシーショットは、こないだ放映された『警視庁・捜査一課長』シーズン6第9話のメインゲスト、芋生 悠 (いもう はるか) さん。

なんとなくエッチな身体をされてて、グラビアアイドルかなと思って調べてみたら、2016年から数多くの映画やドラマに出演されてる生粋の女優さんでした。



これまで何でも人の言いなりに生きて来た気弱なOLで、自由気ままなネコに憧れて猫カフェに通う「不思議ちゃん」系のキャラを演じておられました。本シーズンの『〜捜査一課長』は不思議ちゃんのオンパレード……と言うより番組そのものが不思議ちゃんw

そんな『〜捜査一課長』も来週の第10話が最終回で、どうやらシリーズ自体も完結しちゃうらしい……せっかく私がこんなにハマったのに!



テレビ界は本格的に年配視聴者を切り捨てに掛かってるそうで、こういうマニアックな番組もどんどん消えて行くことになりそうです。

ホントにもう、何もかもが終焉に向かってますよね。数年前に近藤が紅白歌合戦のトリで『ギンギラギンにさりげなく』を唄ったとき、もう芸能界は「終わってる」と思ったもんです。

いたずらに悲観してるワケじゃなく、客観的に冷静にそう感じてます。


 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『警部補・古畑任三郎』#01

2022-06-06 22:10:02 | 刑事ドラマ'90年代

'80年代アイドル特集のトリは、中森明菜さん。ついに真打ち! やっとここまで来た!

そもそも、この特集を始めた理由が『古畑任三郎』シリーズのDVDマガジン第1巻を買ったからなんです。

けど、このブログで今それをレビューするのは唐突な気がしたもんで、『太陽にほえろ!』や『西部警察』からの自然な流れを作りたかったワケです。4〜5本で終わらせるつもりが、気がつきゃ全部で18本w

結果的に、ちょうど刑事ドラマが……というよりテレビ番組が大きく変わっていく過渡期を、あらためて俯瞰し考察する機会になって良かったんじゃないかと、自分では思ってます。



『警部補・古畑任三郎』は1994年の4月から6月まで、フジテレビ系列の水曜夜9時枠で全12話が放映された、三谷幸喜さんの脚本によるミステリードラマ。連ドラシリーズ3つとスペシャル8本のほか、スピンオフドラマも生まれた大ヒット番組の1stシーズンです。(2nd以降はタイトルから「警部補」が抜けて『古畑任三郎』になりました)

刑事がひたすら謎解きするだけの番組を忌み嫌う私だけど、やっぱりこれだけは別格。いつ何度観てもメチャクチャ面白いし、そのたび三谷幸喜さんと田村正和さんの凄さを再認識させられちゃう。そもそも原典である『刑事コロンボ』も大好きなんです。



’94年4月13日に放映された記念すべき第1話『死者からの伝言』(演出=星 護) は、三谷幸喜さんが以前からファンだった中森明菜さんへの「応援歌」のつもりで脚本を書かれたそうです。

それを踏まえた上で観直すと、これって、あの天下の「ジャニーズ事務所」に対する三谷さんからの挑戦状というか、告発状であり断罪通告じゃないの?って、私は思っちゃいました。

直接には言えない書けない、あのスキャンダルに対する抗議であり、あの事務所のトップになぜか居座り続ける(最近やっと退所したらしいけど)、あのギンギラギンに薄っぺらい「愚か者」に対する復讐代行ですよ、これは!



明菜さんが演じられた「小石川ちなみ」は人気コミック作家で、もちろんシリーズ最初の殺人犯。殺した相手は連載コミックの担当編集者(池田成志)で、まだピュアだった彼女に職権を利用して手を出し、さんざん弄んだプレイボーイ。そいつにとっては遊びでも、彼女は真剣だからこそ許せなかったワケです。

金庫室に閉じ込めて窒息死させる手口や、被害者があえて「何も書かない」ことで犯人の正体を示すダイイングメッセージ等、斬新なネタをこれでもかと盛り込んだストーリーはもちろん面白いけど、観たあとに切なくも温かい余韻が残るのは、やっぱり三谷さんの熱烈な「明菜愛」が全編から溢れ出てるからでしょう。

なにせ鬼刑事=古畑任三郎(田村正和)の、ちなみに対する眼差しがやけに優しいんですよね!

以下、古畑が全ての謎を解いて犯人を言い当てた、その直後の彼女との会話です。



「どうしてこんな事になっちゃったのかしら……ハッピーエンドの話ばかり描いてるのに、私の人生はなんだ?って感じ」

「…………」

「でも、誤解しないで下さいね、古畑さん。私、後悔なんかしてませんから。私が悔しいのは、殺してしまったことじゃなくて……出逢ったこと」

「…………」

「あんな男のために、どうして……私の人生を棒に振らなきゃいけないのかなって」



「おいくつですか?」

「……28です」

「まだまだじゃないですか。第1巻が終わったところですよ、カリマンタンで言えば」

「…………」

カリマンタンっていうのは、ちなみが描いた少女コミックの代表作『カリマンタンの城』のことです。

「ハッピーエンドは、最後の最後にとっておけばいいんです」

「…………」

「あなたは、いい奥さんになれますよ。保証します」



さらに古畑は、別室で独りで泣きたいって言うちなみの要望を聞き入れ、彼女の愛犬に「ついててあげて下さい」って、付き添いの依頼までしちゃう!

基本的に女性には優しかったけど、殺人犯に対してここまで……いや、独りにすれば逃亡や自殺の可能性だってあるんだから、優しいを通り越して「甘い」ですよね。

これはもう、スキャンダルを乗り越えてどうか頑張って欲しい、あんなギンギラギン野郎のことなんか早く忘れて幸せになって欲しいっていう、三谷さんから明菜さんへの熱すぎるラブレターとしか思えません。

その後のエピソードでも小早川ちなみの近況(どんどん幸せになっていく!)が劇中でさりげなく語られたりして、彼女は「シリーズ全体のヒロイン」と言われてるほど。

だからこそ三谷脚本は面白いんだと思います。ごく個人的な想いを巧みにバレないよう(バレてるけどw)エンターテイメントに盛り込んでくる。このブログで私がよく書く「魂がこもってる」ってヤツです。

まあ、ジャニーズへの挑戦状ってのは拡大解釈かも知れないけど、少なくとも明菜さんご自身が経験された、あの大スキャンダルを匂わせてるのは間違いないと思います。小早川ちなみのように立ち直って、どうか幸せになって下さいっていうメッセージ。

2010年に芸能活動を無期限休止され、そのあと何度か復帰されたものの、ここ数年は音沙汰なし。もちろん、メディアに出ることや結婚することが幸せとは限りませんから、なにか違った形で本当の幸せを見つけておられることを、三谷さんほどじゃないけど祈るばかりです。


 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする