古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

おじいさんは裏山に竹切りに……

2009年06月30日 03時13分36秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 ある日、おじいさんは、裏山に竹切りにいきました。おばあさんは、家で野良着を洗濯しました。おばあさんはうっかりケイタイも洗濯してしまいました。情報も下水に流れてしまいました。ときどきメールや電話をくださる方があるのですが、おばあさんにはいま通じてませんのでしばらくお待ちください。
 さてきのうは久しぶりに雨が降りました。黒大豆の苗がちょうどいい大きさに伸びたので、朝のうちに移植しました。丈夫そうないい苗になっており、50センチおきに一本ずつ移植しました。全部で104本ありました。その後しっかり雨が降り、ちょうどいいタイミングでした。
 移植した落花生はいまちょうど100株。順調に育っています。コイモは26株です。獲らぬ狸の皮算用ですが。雨のあとは草取りが待っています。
 おばあさんに「おじいさんは植えたあと、やたらに数をかぞえたがりますね」といわれました。たしかにそうです。
 でも気をつけないといけません。苗をかぞえる人は、虫や草や風にやられると、がっかりしたり腹を立てたりするからです。そういうことは畑にはつきものなのに、いったん植えると全部収穫できると思い込んでしまいやすいのです。
 市島町に一年だけ通って畑づくりをしたことがあります。『有機農業の里』として町全体で売り出した頃でした。しかし農薬を使うか使わないかは、作物をつくる人の考えです。隣の畑で農薬をじゃんじゃん散布するおじいさんがあっても、文句をいえません。
 ぼくらが有機無農薬で大豆をつくろうとする畑のそばで、高齢のおじいさんは農薬をじゃんじゃん散布して大豆をつくりました。若い頃から虫にやられっぱなしで、虫食いだらけの大豆になっていたのに、農薬をちょっと散布するときれいな大豆ができる。おじいさんにすればありがたい魔法の薬と思ったことでしょう。
 どんなにいわれても、いまさら魔法を手放す気にはなれないでしょう。やる気をなくすほど虫や草にいためつけられ、絶望と背中合せで農業をしてきたのですから。やっとめぐりあった魔法の薬ですから。
 そこが出発点です。
 
 
コメント
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