やっと雨があがったので畑仕事をしました。まずレンゲ畑を刈って草堆肥にします。一つ空になった堆肥入れに草を入れ、乾燥鶏糞、ヌカ、ワラ、落葉、土を入れて踏み込み醗酵させます。畑は草があちこち生えてきました。写真はコイモ畑です。ちょっと手がまわらなかったコイモ畑では草がいつの間にかびっしりです。中央にハート型のコイモの芽が顔を出しているのですがわかるでしょうか。まわりの草を手で抜き、あとは鍬で削ります。
30歳少し前の頃、ぼくは日本の歴史に関心を持ち、本を読んで知ろうと中央公論社の『日本の歴史』20巻から26巻を通して読みました。ちょうど羽仁五郎の『都市の論理』が出版され「60年安保」からベトナム戦争反対の「国際反戦デー」の運動が高まっていた頃です。
江戸時代末期から明治、大正、昭和にかけての歴史をはじめて通して読みました。中公の『日本の歴史』は全26巻の「小説を読むようにおもしろく読める」とふれ込みのしっかりした歴史の本でした。日清・日露の戦争や大正デモクラシーや米騒動や関東大震災や5,15事件、2,26事件、大政翼賛会などがはじめて自分の中でつながりました。
そして一番心に強く残ったのが第25巻(林茂著……1912年生まれの東大教授で敗戦のとき33歳)の太平洋戦争を終らせた昭和天皇・裕仁の『御聖断』でした。正直にいうと「そうか。天皇はえらかったんだなー。彼がいきり立つ軍部を抑えたから無条件降伏して、日本はようやく戦争をやめることができたんだ。彼は国民を守った平和愛好者なのだ」という感想が深く心に残りました。ついでにいうと『天皇』と聞くと裕仁が浮かびます。いまの天皇はいつまでも皇太子のイメージしかありません。
たとえばぼくがはまったように、多くの日本人はつくられた『御聖断神話』にはまったのではないか。それがあの戦争の責任をあいまいにし、『一億総懺悔』というようなボカシによって責任追及のエネルギーが消えてしまった。
先日あげた本はこの『聖断』が意図的につくられたものであり、天皇や側近や保守政治家がいかに保身に奔走したかに光を当てています。歴史研究が進み、ここまで光が当たるようになってよかった。この本に出会って、聖断神話にはまったまま人生を終えなくてよかったと思います。
(つづく)
30歳少し前の頃、ぼくは日本の歴史に関心を持ち、本を読んで知ろうと中央公論社の『日本の歴史』20巻から26巻を通して読みました。ちょうど羽仁五郎の『都市の論理』が出版され「60年安保」からベトナム戦争反対の「国際反戦デー」の運動が高まっていた頃です。
江戸時代末期から明治、大正、昭和にかけての歴史をはじめて通して読みました。中公の『日本の歴史』は全26巻の「小説を読むようにおもしろく読める」とふれ込みのしっかりした歴史の本でした。日清・日露の戦争や大正デモクラシーや米騒動や関東大震災や5,15事件、2,26事件、大政翼賛会などがはじめて自分の中でつながりました。
そして一番心に強く残ったのが第25巻(林茂著……1912年生まれの東大教授で敗戦のとき33歳)の太平洋戦争を終らせた昭和天皇・裕仁の『御聖断』でした。正直にいうと「そうか。天皇はえらかったんだなー。彼がいきり立つ軍部を抑えたから無条件降伏して、日本はようやく戦争をやめることができたんだ。彼は国民を守った平和愛好者なのだ」という感想が深く心に残りました。ついでにいうと『天皇』と聞くと裕仁が浮かびます。いまの天皇はいつまでも皇太子のイメージしかありません。
たとえばぼくがはまったように、多くの日本人はつくられた『御聖断神話』にはまったのではないか。それがあの戦争の責任をあいまいにし、『一億総懺悔』というようなボカシによって責任追及のエネルギーが消えてしまった。
先日あげた本はこの『聖断』が意図的につくられたものであり、天皇や側近や保守政治家がいかに保身に奔走したかに光を当てています。歴史研究が進み、ここまで光が当たるようになってよかった。この本に出会って、聖断神話にはまったまま人生を終えなくてよかったと思います。
(つづく)