オオスズメバチの巣はクヌギの落ち葉にすっかり埋もれてしまったのに、まだきのうも一匹巣に戻ってくるのを見ました。仲間は死んでしまったのにまだ生きてるオオスズメバチに「なにかご馳走をあげよう」と畑の葉っぱをさがしたら、菜っ葉にアオムシがいました。(写真)巣の近くにおいたけど、蜂は気づいてくれたかな。
吉村 昭の『破獄』を図書館の大型活字本で読みました。4分冊になっていたので「もし引き込まれなくて、読まなかったら重いだけだし」と1・2巻を借りました。ところが実におもしろい。すぐ読んでしまい、続きを読みたくて仕方がない。続き2冊を借りに行き、それも読んでしまいました。
城山三郎/藤沢周平と同じく、吉村昭も昭和2年生まれの作家です。彼らが15歳のとき日本は『大東亜戦争』を仕掛けました。15歳の少年も、ハワイ真珠湾攻撃とかシンガポール陥落とか「緒戦の勝利」にわくわくしたでしょう。城山は海軍の予科練に志願して散々殴られてすごしました。敗戦後彼は「私は廃墟となって生きた」と書いています。(『そうか。もう君はいないのか』)敗戦の年が19歳。多感な少年たちの目に、あの戦争は、そして大人たちは、どう映ったでしょう。
『破獄』は4度脱獄を繰り返した囚人と刑務所職員との物語です。1回目の脱獄は昭和11年。4回目は昭和22年。日本が戦争を仕掛け、負け、アメリカに占領された11年間で、刑務所も食べ物不足や労役や空襲で戦争に巻き込まれます。その時代を見据えて吉村は脱獄の事実を映し出します。筆が走りすぎたり、足りなかったりしない。見事です。
寒いです。畑仕事をちょこっと。道子さんはイチゴ150株を本植えしました。ぼくは6条大麦を播きました。