古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

〈願わくは花の下にて春死なむ〉

2022年04月08日 13時24分32秒 | 古希からの田舎暮らし
 西行の和歌〈願わくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ〉。
 〈花〉は〈桜〉です。道子さんは裏山の満開のソメイヨシノを見あげながら「そうなったらいいねえ」といいます。〈如月の望月〉は旧暦の二月十五日ですから、いまの3月中旬になるそうです。
 いま、裏山の桜は満開です。桜の下に横たわり、空を見あげる。花びらが降りかかる。しずかに息をひきとる。
「和歌を詠んだ西行は文治六年(1190年)二月十六日にこの世を去った」とあります。西行が和歌に詠んだ願いの日とは一日ずれていますが、それにしても、いいですねえ。
 現代はそんなわけにはいきません。もし「花の下で息をひきとったら」助勢を頼んでなんとか座敷に運び込み、布団に寝かせてからお医者さんに診てもらいます。そうでないと「検死」とかなんとか、いろいろとあります。
 どうなるにしろ、いずれ、ほどなく、起こることですけど。
 2021年4月1日のブログに、東条川沿いの喫茶店:〈シャレード〉の桜の下でお茶したことを、「死ぬまでにやりたことが一つできました」と書きました。
 昨日はちょっと用事があって東条町に出かけました。シャレードの駐車場を見るとよく空いてます。「お茶しようか」と去年と同じ外のテラスに席をとりました。〈コーヒーとアイスクリーム/ケーキ〉が「お花見セット:950円」です。桜がはらはら散り、花びらがコーヒーに浮かびます。そのまま飲む。いいですねえ。風流というか。
 去年は「死ぬまでにしたいことが一つ片付いた」と書きました。ほんとにそんな気持ちでした。今年の気分はどうか。かわいた感じです。ケーキを食べ、コーヒーを飲んだら「さ、帰って家の仕事しよう!」とまっすぐ帰ってきました。
 死ぬまでに〈これしたい〉〈あれしたい〉と思うことがあっても、「二度目の情緒って、こんな、かわいた、感じなんだ!」。

 
コメント
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