田舎暮らしをして16年目に入る今年、認知症予防のトレーニングを兼ねて、この15年間のアルバムをつくろうとしています。しかしあまり性急に作ろうとすると、外仕事に支障が出ます。そこで2014年まででストップして、しばらく間をおくつもりでした。
「写真をプリントするだけならいいだろう。一年間のさまざまな出来事のうち40枚の写真をピックアップするだけだから。コメントをつけるのは後回しにして、ただ見るだけにするから」。
これがダメでした。写真を見ると〈その場・その時〉の情感がよみがえってくる。コメントの文章が浮かんでくる。「いい言葉」が浮かんでくる。ちょっとだけコメントをつけてみよう。 …… 結局2015年の40枚の写真にコメントをつけてしまいました。
コメントをつける途中で/こんなことがあったのを忘れてた/言葉を思い出せない/何キログラム採れたかわからない/ことが何度かありました。「ははーん、これが認知症のはじまりだな」と思いあたる出来事でした。二つ紹介します。
〇 コメントをつけているとき、〈やすらぎの森診療所〉の写真が出てきました。2015年は道子さんが〈巻き爪〉で皮膚科にかかっただけでしたが、そのあとのことを書いてて、ぼくが「膝が痛くて診てもらい、劇的によくなった」ことを書きました。何が効いたのか。その薬の名前を思い出せない。よく知ってる薬なのに。フルコート軟膏・プレドニン軟膏やムーンフェイスは思い出せるのに。仕方がないので、ネットにムーンフェイスを入力・検索して、ようやく〈ステロイド〉にたどりつきました。
〇 この年の大豆を脱粒して、何キログラムとれたか。そんなこと覚えていません。 …… 「そうだ。写真の日付のブログを見ればいいんだ」。ブログの2015年11月29日を見ようとしました。しかしブログがありません。途中からブログの題名を変えた時期が2年間ありました。『古希からの田舎暮らし』でなく、『なんとかなんとか』に変えたのでした。「あれは、えーと、えーと、…… 」自分が2年ほど書いたブログなのに、その題名が思い出せません。
これもネットであれこれ検索して、やっと『とりあえず80歳へ』という題だったことがわかりました。「時間をかけてあれこれ考えたら思い出せる」でなく、「暗闇のなかで何かをつかもうとするけど、〈どうしようないだろうな〉と感じる、頼りない感覚」はいままであまり経験したことがありません。認知症になったら、そんな、深海をただようような感覚になるのでしょうか。
日記をつける習慣はないけど、ブログ書いててよかった。つくづく思いました。
「写真をプリントするだけならいいだろう。一年間のさまざまな出来事のうち40枚の写真をピックアップするだけだから。コメントをつけるのは後回しにして、ただ見るだけにするから」。
これがダメでした。写真を見ると〈その場・その時〉の情感がよみがえってくる。コメントの文章が浮かんでくる。「いい言葉」が浮かんでくる。ちょっとだけコメントをつけてみよう。 …… 結局2015年の40枚の写真にコメントをつけてしまいました。
コメントをつける途中で/こんなことがあったのを忘れてた/言葉を思い出せない/何キログラム採れたかわからない/ことが何度かありました。「ははーん、これが認知症のはじまりだな」と思いあたる出来事でした。二つ紹介します。
〇 コメントをつけているとき、〈やすらぎの森診療所〉の写真が出てきました。2015年は道子さんが〈巻き爪〉で皮膚科にかかっただけでしたが、そのあとのことを書いてて、ぼくが「膝が痛くて診てもらい、劇的によくなった」ことを書きました。何が効いたのか。その薬の名前を思い出せない。よく知ってる薬なのに。フルコート軟膏・プレドニン軟膏やムーンフェイスは思い出せるのに。仕方がないので、ネットにムーンフェイスを入力・検索して、ようやく〈ステロイド〉にたどりつきました。
〇 この年の大豆を脱粒して、何キログラムとれたか。そんなこと覚えていません。 …… 「そうだ。写真の日付のブログを見ればいいんだ」。ブログの2015年11月29日を見ようとしました。しかしブログがありません。途中からブログの題名を変えた時期が2年間ありました。『古希からの田舎暮らし』でなく、『なんとかなんとか』に変えたのでした。「あれは、えーと、えーと、…… 」自分が2年ほど書いたブログなのに、その題名が思い出せません。
これもネットであれこれ検索して、やっと『とりあえず80歳へ』という題だったことがわかりました。「時間をかけてあれこれ考えたら思い出せる」でなく、「暗闇のなかで何かをつかもうとするけど、〈どうしようないだろうな〉と感じる、頼りない感覚」はいままであまり経験したことがありません。認知症になったら、そんな、深海をただようような感覚になるのでしょうか。
日記をつける習慣はないけど、ブログ書いててよかった。つくづく思いました。