せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)
価格:¥ 861(税込)
発売日:2000-06
最近めかぶにハマッていて、そのまま食べたり納豆とまぜたり、みそ汁にいれたりして食べています。
低カロリーで、ネバネバが何となく健康によさそうなんですよね。
震災後はしばらく日本産の物が見当たらなくて、韓国産とか中国産のものばかりだったのですが、この頃ようやく宮城県産が店頭に並ぶようになりました。
岐阜県の山の中なので、地域的なことなのかも知れませんが、ちょっと復興の兆しが見えてきたようで嬉しい♪
この間読んだ、三上延さんの小説『ビブリオ古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)の中で紹介されていたので、読んでみました。
梶山季之 著
『せどり男爵数奇譚』(ちくま文庫)
もともと1974年に出版された物を、2000年に再刊した本です。
”せどり”というのは古書業界の用語で、掘り出し物を安く買い、それを高く売って差額を収入とする行為。
芳崎せいむさんのマンガ『金魚屋古書店』(小学館)にも”せどり”屋が出て来ますね。
古書業界の人々から「せどり男爵」と呼ばれている笠井菊哉。
彼が主人公に語るという形で展開する古書を巡る数々の出来事。
戦中、戦後の混乱期。
士族出身の古書マニアの老人に指南を受けたり、GHQ統治下でユダヤ人の富豪とシェークスピアの初版本を巡りし烈なかけ引きをしたり。
梶山季之さんの書くものだけあって、「ワ印」だとか艶本だとか、危ない話もたくさん出てきます。
中には本の表紙に人間の皮を使った「人皮本」の話まで(!)
江戸時代から家の家宝として伝わってきた和書の秘蔵本が、明治維新と続く大戦で思わぬ所から出て来たり、希少本が田舎の資産家の倉の中で忘れられていたり、未亡人により売りに出されたり、それを発掘し、手に入れる古書店関係者たちの手練手管が面白い♪
『ビブリオ古書堂』と違って、年配のオジサンたちが活躍するので、ちょっとむさ苦しいところはありますが、これはこれでとっても面白かったです。
同じく『ビブリオ古書堂』に登場する小川清さんの『落穂拾い・聖アンデルセン』(新潮文庫)も読んでみたいなぁ~
こうやって広がっていくから読みたい本がどんどん増えてしまう…
古本屋さんでずっと探していた本を見つけた時なんか、本当に小躍りしたいほど嬉しいですからね。
ずっと探している本がまだたくさんあるんです。
こんな本読んじゃうと、古本屋巡りがますますやめられなくなっちゃうなぁ。