留守番電話に妙齢のご婦人の声でこんなメッセージが残されていました。
「あ、〇〇さん? 今から出るから。それじゃあね!」
・・・・・・私、〇〇さんじゃないんだけど。
こういう時、間違い電話だとわかっていても、何だかこっちが申し訳ないような気持ちになってしまいます。
録音された時間からみても、もうすべて手遅れ。
それでも(電話主と〇〇さんは果たして無事に会うことができたのかな)、なんて考えてしまいました。
これほど余計な心配もないでしょうね(苦笑)
もう一件、こちらは女性の合成された声で、自動的に読み上げているメッセージが録音されていました。
内容はどうでもいいのですが、留守宅でこの自動メッセージが再生されているという風景は、考えるとちょっとシュール。
昼間。
誰もいない部屋にかかってくる電話。
留守番電話の自動メッセージが起動し、「発信音の後にメッセージを・・・」とやっているのと同時に、電話の向こうでも電子の声でアンケートの協力を依頼するメッセージが自動的に再生されている。
人間がいない空間で交わされている、電子音同志の噛み合わない会話・・・
その内相手が留守番電話だった場合はメッセージが再生されない仕組みが考え出されたり、電子の声と人間の声を聞き分ける機能が留守番電話に搭載されるようになったりするのかな?
そうこうするうち、あまりにも複雑になった電子部品の間に、人間が考えていなかったような回路のようなものが形成されて、やがて留守番電話が自我を持つように・・・・・・
と、SFチックな想像を思わずしてしまいました。
現実世界では、大手マスコミのツイッターに、アメリカの大統領がテロの標的にされてケガをした、というウソの書き込みがあっただけで、アメリカの株式市場が一瞬にして下落するという事件がありましたからね。
あれは、株の取引を自動的に行っているプログラムが、ツイッターの言葉に反応して、「売り」の指示を出したから。
そういうプログラムを作ったのは確かに人間ですが、人間がすべてを予想できるはずもなく、プログラムは命令されたことをただ忠実に実行に移しただけ。
例えるならプログラムは、まるで「三つの願い」をかなえる悪魔みたいなもの。
願いを口にした本人が思いもよらないような被害が、その願いをかなえるために発生してしまうことだってある。
現実に人間の反応速度を超えた所で、勝手に世界が回っているわけですからね。
株価はすぐにもとの値段まで回復しましたが、嘘だろうと真実だろうと、情報としては変らないというのが、ちょっと怖い感じがしました。
誰もいない部屋で、自動メッセージ同志がまったく相手を無視してしゃべり続けている風景って、もしかしてSFというより、むしろホラーなのでは?
SF小説の読みすぎかな?(苦笑)