「すべての犯罪が12時間だけ合法になる世界」を描いたホラー映画、「パージ」(2013年)とその続編「パージ:アナーキー」(2014年)を観ました。
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
発売日 : 2015-11-26
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NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
発売日 : 2015-11-26
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主役は「パージ」がイーサン・ホーク。「パージ:アナーキー」はフランク・グリロ。監督は2作品共ジェームズ・デモナコ。
一作目はアメリカ、二作目はアメリカ、フランスの合作となっています。
舞台は深刻化する犯罪を抑制するため、一種のストレス発散として「パージ」と呼ばれる制度が導入されたアメリカ。
『殺人を含むすべての犯罪が合法となる』
1年に1晩だけ、19時から翌日の7時までの間、何をやっても犯罪として問われない。
パージの間は警察、消防、救急医療といったサービスも停止され、人々は普段抑圧されている欲望や怒り、恨みや嫉妬を解放することができる。
略奪も強盗も殺人さえもやりたい放題。
もちろんそれから身を守るため、銀行はお金を安全な場所に移動させたり、人々はセキュリテーにお金をかけるのです。
そんなセキュリテーシステムのトップセールスマン一家が最初の主人公。
豪邸に完璧なセキュリテーシステムを備え、パージが終るまで平和な夜を過ごすはずだった・・・
ここからネタバレ含みます。
設定は面白いです。
でも、つっこみどころ満載!
完璧なセキュリテーシステムが雨戸を鉄製にしたぐらいですぐ破られる!(笑)
自家発電さえなくて停電になったら真っ暗(笑)
そのセキュリテーシステムを息子が勝手に開けてしまう!(笑)
娘が家の中で行方不明になる!(どうみても二階建てでそこまで広い家じゃない!)
セールスマンの父親が家族を守るために急にランボーみたいに活躍しだす!(笑)
とにかく息子がバカですべての行動が家族を危険に追い込んでいく!(実は息子が一番の敵?)
ホラー映画でよく描かれるとことですが、なぜか一人で様子を見に行ったり、親や仲間に隠れて恋人とイチャつくカップルがいたり、悲鳴を上げて犯人に見つかったり、いわゆる死亡フラグがこの映画ではあまりに短絡的。
もう不自然なくらい主人公たちはどんどん自分たちを追いつめて行く。
追いつめられるんじゃなくて、自分たちで追いつめちゃうのがもうバカすぎる。
観ていてちょっとイライラしてしまうレベルでした。
人間の嫉妬の怖さとか、普段は内に秘めているドロドロとした感情が一気に表に出てくる精神的なホラーは怖いのですが、そこを描きたいがためにちょっと無理した筋運びになっているのが気がなる。
事前にパージの日程がわかっているくせに不用心すぎるよアメリカ人!
一作目が一つの家だけを舞台にしていたのに対して、二作目の「アナーキー」では街全体が舞台で、車での移動や地下鉄、逃走劇が描かれます。
こちらはお金もかかっていてアクションも派手。
主人公と行動を共にする偶然出会った4人もいたりして群像劇にもなっています。
こちらもホラーですが、日常の中に潜んでいる人間の怖さを描いた前作に比べ、パージという制度に隠された陰謀とか、富裕層と貧困層といった格差による差別とか、ちょっと怖さの質が変わってきていて、問題が大きくなった反面、ゾクゾクする怖さはあまり感じませんでいた。
『殺人を含むすべての犯罪が合法となる』
という設定がアメリカならありえるかも知れないと思わせるのが一番のホラーなのかも知れませんけどね。
パージ、パージ:アナーキーMIX予告
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