色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2013-04-12
3年ぶりの新作だからって、みんなはしゃぎすぎ・・・
書店が深夜からお店を開けて発売の瞬間をカウントダウンで演出するなんて、ハリポタみたい。
村上春樹 『色彩を持たない多崎つくると、巡礼の旅』(文藝春秋)
を読みました。
これ、『1Q84』より好きかも♪
「多崎つくる」というのは主人公の名前。
「色彩を持たない」とか「巡礼の旅」という言葉は、本文を読み始めればすぐに「なるほど」と納得します。
あぁ、こういう意味ね!
三十を過ぎて独身の彼は、東京で鉄道の駅をつくる仕事をしながら、掃除をしたり洗濯をしたり料理を作ったり、最近知り合った女性とデートしたり。
かつて彼には高校時代に知り合った仲の良い4人の友人がいました。
当時彼らはグループで行動し、笑い、ふざけあったりしていました。
しかし大学二年生の時、彼は一方的に4人から拒絶されます。
理由もわからないまま、それから顔も見ることもなく16年の月日が流れ・・・
村上春樹の長編小説ではおなじみの、不安や焦燥、病的なまでの生真面目さや、漂う死の影。
過去に開いた心の傷が今の自分に影響を与えていると感じた彼は、音信不通だった4人の友を訪ねることに。
正直、村上春樹の長編小説はあまり好みじゃないのですが、これはそこそこ面白かった♪
この3年間の世界の動きや、ニュース、村上春樹さんの発表したエッセイやインタビューなんかがこの小説を読んでいると浮かんできて、いま村上春樹が小説を書くとこうなるんだぁ、とすごく納得できました。
全部が全部、好きというわけじゃありませんけどね。
個人的にはミスター・グレイの位置付けがちょっと不安。
自分の中では好きなキャラクターなのですが、夢の中のミスター・グレイはもう一人の自分でいいのかな?
跳躍するかどうか・・・ニーチェやキルケゴールが登場するのなら、フロイト的無意識と解釈したんだけれど・・・(笑)
ともかく、読み終わるまで止められなかったのは事実。
次は短編でお願いします!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます