少し前の話題ですが、第155回芥川賞・直木賞が決まりましたね。
芥川賞には今もコンビニで働いているという村田沙耶香さんの『コンビニ人間』(文学界6月号)
直木賞には荻原浩さんの『海の見える理髪店』(集英社)が選ばれました。
『コンビニ人間』ってタイトルだけですでに読みたい!
作者の村田沙耶香さんは色々な賞を受賞されている売れっ子作家さんなのですが、生活のリズムを保つためと人間観察のために今もコンビニでアルバイトをしているんだとか。
他人と違うことから生き苦しさを感じている主人公が、コンビニ店員という挨拶も表情もマニュアル化された皮をかぶることで自分の居場所を見つけ、社会と接していくという、ちょっと皮肉めいた設定らしいのですが、自分も学生時代にコンビニでバイトをしていたので興味を引かれました。
『コンビニ人間』は7月27日発売予定ですが、発売前にすでに重版が決まっているとか。
直木賞の次点に入った門井慶喜さんの『家康、江戸を建てる』(祥伝社)も面白そう。
最近読んだ本。
高瀬志帆さんの『おとりよせ王子 飯田好実』(ゼノンコミックス)
徳間書店
発売日 : 2016-07-20
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毎回美味しそうなおとりよせグルメが登場するマンガですが、いよいよ最終巻。
今回も気仙沼は「磯蔵」のイカの胴にししゃもの卵と数の子がみっちみちに詰まった「醤油漬け子持ちいか」(600円)とか、誰もが一度は食べてみたいと思う(多分)マンガやアニメに登場する骨付きのでっかい肉を再現した「ヤンパオ」の「マンガ肉」(3240円)が登場します!
あぁ、読んでいるだけでヨダレが(笑)
もう一冊はこれが長編デビュー作、アメリカの作家アン・レッキーの『叛乱航路』(創元SF文庫)
東京創元社
発売日 : 2015-11-21
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意思を持った宇宙船というのはアン・マキャフリーの『歌う船』などでもおなじみですが、今回登場するのは宇宙戦艦に搭載されたAI(人工知能)
しかもこのAI、人格をコピーしてなんと4000体もの肉体を同時に動かすことができるマルチタスクAIなのです!
それぞれの肉体(属躰・アンシラリー)はリンクしており、別々のことをしたり話たりしていながらも、すべての視界を見ることができ、すべての感覚、すべての感情を共有しています。
4000もの視点で同時に見るなんて、人間だったら脳がパンクしちゃいそうですが、それが可能だと思わせるのがSFの醍醐味。
人間の常識が通用しない視点で書かれた小説って、SFならではって感じです。
それぞれの属躰(アンシラリー)は情報を通信で共有しているので、その通信が遮断されてしまった場合、4000体はそれぞれ別個に一人の同じ人格を持った個体として動きます。
一つの人格が4000の肉体を操っているのではなく、4000の肉体に同じ人格がそれぞれそなわっているのです。
いやぁ、この設定にはやられました。
この作品はSF界の主な賞、ヒューゴ賞、ネビュラ賞、クラーク賞、英国SF協会賞、ローカス賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞を総ナメ。
7冠を達成しています。
今年に入ってSFらしい作品を読んだのはこれが初めてかな?
最近はなかなか本を読めていません。
仕事が忙しいというのもあるのですが、それより先日日本でも配信されニュースでも大きく取り上げられた「ポケモンGO」をするために歩き回るので忙しい(笑)
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