前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

久々に、ハイドン先生大量購入

2011-06-12 02:05:20 | ハイドン先生の作品
ディスクユニオンとタワーレコードをはしごして、久々にハイドン先生のCDを大量購入しました。


まずはディスクユニオンから。

◎『交響曲第34番、第39番、第40番、第50番』
 トーマス・ファイ指揮/ハイデルベルグ交響楽団

大好きな第39番は聴いたことのない指揮者のを見つけたら即買いです。


◎『ナポリ王のための8曲のリラ・オルガニザータ・ノットゥルノ』(2枚組)

輸入盤CDでタイトルには「Eight Nocturnes」となっていたので購入しましたが、
以前に買った「6つのノットゥルノ」と同じでした。

ただ前のは8曲中6曲の抜粋ですが、今度のは2枚組の"完全版"ですので良しとしましょう。
演奏はThe Music Party。


◎『Six Feldparthien(6つのフェルトパルティ)』

楽器編成からすると木管八重奏曲ですが、作品分類ではディヴェルティメントに含まれるようです。


◎『鍵盤楽器のための小品全集』(5枚組)

フォルテピアノはバルト・ファン・オールトです。
私が持っているピアノ・ソナタ全集は5人の演奏者が弾いていますが、その中のお一人です。
変奏曲などの小品や、交響曲、弦楽四重奏曲からの編曲など前から聴きたかったものです。


◎『ディヴェルティメント全集』(4枚組)
 エミール・クライン指揮/ハンブルク・ソロイスツ

これも後で調べてわかりましたが、弦楽四重奏曲第1番から第12番です。
まだディヴェルティメントやセレナーデと弦楽四重奏曲第が未分化だった時代のもので、
弦楽四重奏曲全集にも含まれています(し聴いています)。

でもこちらは弦楽合奏による演奏ですので、また雰囲気が違います。


1枚につき10%~30%引き、5点まとめ買いで500円引きとかで思ったより安く入手できました。


続いてタワーレコードへ。

最近、ピアノ三重奏曲を聴いているので、
好きになった作品をモダン楽器で演奏しているものを探したのですが、見当たらず。

代わりにこんなのを見つけました。

◎『弦楽四重奏曲の2台のギター編曲版 Vol.2』(Vol.1は在庫なし)

CD裏面を見ても第何番の編曲か書いておらず、中を見てもよくわからず・・・。
後ろの方にゴチャゴチャと小さく載っていてやっぱりよくわからない。
Vol.1を入手してからゆっくり確認しようと思います。


全部でCD15枚のまとめ買い。
両方の金額を合わせたら、ちょうど5,000円ぴったり!

「ビンゴ!」という声が頭の中で響きました(映画「ハンニバル」のメイスン風)。


ただ・・・これも家に帰ってから調べてみてわかったのですが、
『6つのフェルトパルティ』(木管八重奏曲)はどうも偽作のようです。

まあそれはそれとして、そろそろ持っているハイドン先生のCDをリスト化しないと
今後もダブって買ってしまう恐れが多分にあります。

とにかく作品数が多すぎますので。

ハイドン ピアノ三重奏曲第21番ハ長調 (第35番)

2011-06-08 22:27:32 | ハイドン先生の作品
ハイドン先生のピアノ三重奏曲第21番ハ長調(ランドン版/第35番)を聴きました。

作曲は1795年頃ですので、最後の交響曲と同じ時期です。


いきなりですが、曲を聴いていて、ふと名前が思い浮かびました。

  ピアノ三重奏曲第21番ハ長調 ≪名誉会長≫(仮題)

第1楽章冒頭の序奏部の雰囲気からです。
現役を引退して、厳しさ、激しさはないけれども"威厳"がある・・・みたいな。
(主部が始まると全然違うんですけど)

「Adagio pastorale」となっていますから、"田園風"の方が近いかもしれませんが。


主部の第1主題は、序奏部の旋律から派生したものと思われます。
短い跳ねるように上昇する音型があって、すぐオクターブ上がって、といった感じで、
とても気持ちのいい旋律です。

途中、弦楽器の持続音("ドローン"というのでしょうか)の上で
ピアノが同じような音型を繰り返すところが度々出てきます。

ちょっとベートーヴェンっぽい、といったらいいのかな?


第2楽章は親しみ易い、心和む旋律です。

第3楽章の主題も、第1楽章序奏部の主題からの展開だと思われます。
いかにも"室内楽"といった感じでいいです。
思わず「は~」という溜息と、「ほ~」という感嘆が漏れてしまいます。


ハイドン先生は、交響曲、弦楽四重奏曲といった形式の確立に大きく寄与し、
かつ、すぐれた作品を膨大に残したため、
「交響曲の父」、「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれていることはご承知の通りです。

そのほかのジャンルでも多数の曲を残していますが、作品数が多いために
かえって有名な曲しかあまり聴かれる機会がありません。

でも、こういう(ピアノ三重奏曲第21番のような)"普通"に素敵な曲も沢山あります。


知らない曲を聴かされて「この中からハイドン先生の作品を当てろ」と言われても
私はそこまで音楽的特徴を理解しているわけではありません。

それでもこの曲を聴いていると「ハイドン先生だ~」と思ってしまいます。
もっと言えば「音楽だ~」と。「音楽」という言葉本来の意味において。



THE 虎舞竜の歌ではありませんが「何でもないようなことが幸せだったと思う」ことは
ちょっとした怪我や病気をした時にも感じます。
いつも通りに生活し、しゃべったり笑ったり、音楽を聴ける幸せを。

ハイドン先生のピアノ三重奏曲第21番は、
例えばマーラーやブルックナーのような鮮烈な感動とも、
ベートーヴェンやショスタコーヴィチのような深淵さとも無縁です。

言わばこの曲は「日常」です。何でもないような(でも幸せを感じる)「日常」の音楽です。


このような曲も、ハイドン先生は膨大に残したのです。
"偉大"と言わずして何と言いましょう。

  ピアノ三重奏曲第21番ハ長調 ≪日々の幸せ≫

この方がいいかもしれませんね。


(追記)
≪日常≫ではちょっと味気ないので≪日々の幸せ≫にしてみました。

ハイドン ピアノ三重奏曲第12番ホ短調 (第25番)

2011-03-02 18:57:34 | ハイドン先生の作品
『ニーベルングの指環』は最終夜『神々の黄昏』の第2幕に入りました。

第1幕では、どこか聴き覚えのある動機(らしきもの)がでてきたように感じます。
最後なので"回想シーン"でしょうか?それとも単なるデジャ・ヴ(既聴感)でしょうか?

第2幕では合唱?がでてきました。
それまで声楽はソロ(といっていいのかわかりませんが)だけだったので少し意外な感じです。
舞台上ではどんな演出になっているのか、興味津々です。
(さっさとDVDを観ればいいだけのことですが楽しみはとっておきます)


ここまでくれば、もう"挫折"することはないでしょう。
(もちろん「家に着くまでが遠足です」から油断はできませんが)


とはいえ、多少"胃もたれ"気味なので、そんな時は胃に優しいハイドン先生の室内楽です。

ピアノ三重奏曲第12番ホ短調(ランドン版では第25番)は1789年作曲ですから、
交響曲でいうと第92番「オックスフォード」と同じころです。
(モーツァルトの最後の3つの交響曲が作曲された翌年)


なんとドラマティックかつロマンティックな曲でしょう。

冒頭、短調の印象的な旋律で幕を開けますが、すぐに長調に転じたりして
全体の曲調としては暗い感じではありません。
第2楽章のアンダンテもとてもチャーミング、かつ穏やかで癒されます。
第3楽章は軽快なロンドですが、途中鋭い"アタック"が入ったりと飽きさせません。


私の持っているCDは、ファン・スヴィーテン・トリオ(Van Swieten Trio)の演奏で、
フォルテピアノの音が割と金属的でチェンバロに近いです。
そのせいか、かなり時代がかった響きで、それはそれでよいのですが、
モダン楽器で演奏したら、結構ロマン派的な曲に聴こえるかもしれません。



先日のエントリーで「ハイドン先生室内楽 和朝食仮説」を書きましたが
今朝は、舌に"ピリリ"とくる「ちりめん山椒」が添えられていた、という感じです。

あるいは気分を変えて、今日は洋朝食

 トースト コーンスープ ベーコンエッグ サラダはお好みのドレッシングで

といったところでしょうか。


やっぱりいいなあ~ ハイドン先生。




ちりめん山椒

ハイドン ピアノ三重奏曲第10番変ホ長調 (第23番)

2011-02-27 20:56:29 | ハイドン先生の作品
ハイドン先生のピアノ三重奏曲全集より、第10番変ホ長調を聴きました。


ピアノ三重奏曲はピアノ・ソナタと同様のある問題があります。

それは、ハイドン先生の作品の分類に使われる「ホーボーケン番号」とは別に、
ハイドン研究で有名なロビンス・ランドン校訂による原典版の番号があることです。
CDを聴く際や、資料を読む際に間違えると、全く頓珍漢なことになります。


ピアノ三重奏曲第10番変ホ長調(ランドン版では第23番)は1785年の作、
交響曲でいうと第82番「熊」などが含まれる「パリ交響曲集」と大体同時期です。


この時代のピアノ三重奏曲というジャンルは、その後のものとはかなり違ったようです。
鍵盤楽器(クラヴィア)を中心にヴァイオリンとチェロはあくまでも伴奏で、
無くてもいいように書かれたもの(いわばクラヴィア・ソナタの一種)と、
3つの楽器のための三重奏曲として書かれたものが混在しているようです。


依頼主からの要望で、ヴァイオリンやチェロの伴奏楽器を後から追加したり、
クラヴィア曲を編曲したりということもあったのかもしれません。

"音楽を楽しむ=自分たちで演奏する"という時代であることを感じさせます。


また、作品の形式も2楽章のものが多いです。
第10番も2楽章です。冒頭から力強く主題が奏でられます。
展開部は短調に転じます。

第1楽章は3つの楽器がそれぞれ個性を発揮しているように感じますが
第2楽章はピアノ(クラヴィア)のパートだけでも成立するようにも聴こえます。
後期のピアノ・ソナタにこんな曲なかったかなあ・・・なんて。



ワーグナーの『ニーベルングの指環』は第2夜『ジークフリート』を聴き終わりました。
若干、満腹感を感じています。

例えるなら『指環』は、

 フォアグラの牛フィレ肉はさみ焼き トリュフソースとともに

といった料理でしょうか。
素晴らしく美味しいのですが毎日食べるのはちょっと・・・。

そんな時に聴くハイドン先生の室内楽は、まさに

 ご飯 味噌汁 焼き魚 納豆にお新香 お好みで味付け海苔も

といった和朝食です。

これなら毎朝いけますから。

ハイドン 弦楽四重奏曲第70番ニ長調

2011-02-20 13:35:18 | ハイドン先生の作品
通勤・帰宅途中にipodで音楽を聴いていますが、
交通量の多い道ではやはり危険なので聴くのは主に電車の中です。

重たい曲、激しい曲はあまり聴きたくないなあ、という時などによく選ぶのが
ハイドン先生の弦楽四重奏曲第70番ニ長調(の第1楽章)です。
演奏時間も6分位とちょうどよく、テンポもよいので車中でも聴きやすいです。


ハイドン先生の弦楽四重奏曲の中で最も好きなのが、この第70番(の第1楽章)です。
1793年に作られた「アポーニー四重奏曲集」の第2曲です。


ハイドン先生の作品で「気に入った曲に新たに名前を付ける」というのが、
私にとって、ハイドン先生の曲を聴く上での一つのテーマになっています。

今までに付けたのが

  交響曲第39番ト短調 ≪木枯らし≫
  弦楽四重奏曲第22番ニ短調 ≪ため息≫

の2曲ですが、この第70番について思いつきました。

  弦楽四重奏曲第70番ニ長調 ≪おしゃべり≫

です。


第1楽章、四つの楽器が呼応しあう様子が、
女性がぺちゃくちゃと賑やかにおしゃべりしている姿を彷彿とさせますので。
(≪かしましい≫だとちょっと失礼かなと思いますがイメージとしてはそんな感じです)

如何でしょうか?