前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ハイドン先生 聴き比べ

2009-11-11 19:20:13 | ハイドン先生の作品
ハイドン先生の新曲?はちょっとお休みして
交響曲で好きな作品を聴き比べてみました。


家でゆっくり音楽を聴く時間があまりなく、
どうしてもipodで通勤帰宅途中に
聴くようになってしまうのですが、
そのためにはまずパソコンにインポート
しなくてはなりません。

弦楽四重奏曲の次は、
ハイドン先生のミサ曲を聴こうかな
と思っていたのですが
ちょっと枚数も多くて尻込みしています。
(聴くのを、ではなくインポート作業を)

今年に入って取り込んだデータ量も膨大で
(ほとんどハイドン先生のCD)
パソコンの動きも鈍くなってしまい・・・・


で、
別の演奏で聴き比べたのは、大好きな
交響曲第38番ハ長調『こだま』と
交響曲第39番ト短調《木枯らし》
です。


交響曲第38番ハ長調

 ◎ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮
   ケルン室内管弦楽団
 ◎トレヴァー・ピノック指揮
   イングリッシュ・コンサート 
 ◆アンタル・ドラティ指揮
   フィルハーモニア・フンガリカ(全集)
   (交響曲全集)


交響曲第39番ト短調

 ◎ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮
   ケルン室内管弦楽団
 ◎トレヴァー・ピノック指揮
   イングリッシュ・コンサート 
 ◎アレクサンダー・リープライヒ指揮
   ミュンヘン室内管弦楽団
 ◆アンタル・ドラティ指揮
   フィルハーモニア・フンガリカ(全集)
   (交響曲全集)


指揮者や演奏者が変われば
曲の印象もガラッと変わるのは、
別にハイドン先生の曲に限ったことでは
ありませんが、
バロック~古典派の作品は、
古楽器を使用やビブラートの有無、
オーケストラの規模などの選択もあり
ロマン派の作品以上に違いが際立ちます。


第38番はティンパニが活躍するのですが
そこを強調し、遅めのテンポじっくり聴かせる
ブリュール盤が一歩リードです。

第39番はドラティ盤が断然好きです。
時代背景を考慮した演奏という意味では
もしかしたら他の3枚の方が
忠実なのかもしれませんし、
録音の古さが気になる部分もありますが、
ドラティ盤のかっこよさは他を圧倒します。


ホグウッド盤、フィッシャー盤が未聴なので
是非聴いてみたいです。

ハイドン先生の主要器楽曲を聴いた意義

2009-11-03 10:15:49 | ハイドン先生の作品
もう少し総括というか、感想にお付き合い下さい。

それなりに長い間クラシック音楽と
付き合ってきましたが、
クラシックを聴き始めた頃と今とでは
向き合い方が大分違ってきています。


最初の頃は、まだ知らぬ名曲を探す喜び
(例えそれがすでに有名な曲であっても)
も大きく、友達に「○○って曲知ってる?」
と教えたり、また教えてもらったりと
レパートリーも増えていきました。

当時はまだLPレコードが主流で
ようやくCDが出始めた頃です。
まだまだ値段も高く(1枚3,500円位!)
FMラジオのエア・チェックなどもしました。

そのうち好きな指揮者や演奏の好みなどができ、
(早めのテンポがいいとか、金管が派手なのがいいとか)
すでに知っている曲を好みの指揮者で聴き直したり
特別好きな曲をいろいろな演奏家で聴き比べたりと、
徐々にマニアックな方向に進んでいきました。


そのうち、コンサートにも頻繁に行くようになり、
昔のように知らない曲を発掘する、ということが
少なくなっていきました。

N響の定期演奏会で知らない曲を聴く際も、
事前にCDを買って予習していたのが、
いつしか、とりあえず実際に聴いてみて
気に入ったらCDを買う、
という風に順序が逆になってます。


今年の4月に思い切って
ハイドン先生の交響曲全集を買ったのをきっかけに、
半年近くの間に200曲以上の新しい曲と出会いました。
(吟味して聴いたというよりも、一回は耳にした
という曲がほとんどですが)

でも短期間に、これだけの知らない作品を、
それも一人の作曲家の作品と向き合うことは、
今までは勿論のこと、これからもないと思います。
自分の「クラシック音楽ファン暦」において
まさに特筆すべき出来事となりました。

とりわけ、弦楽四重奏曲に関しては、
ハイドン先生が「父」と呼ばれる理由の一端を
確かに感じ取ることができました。


交響曲の総括の際にも書いたと思いますが、
「音楽の楽しみ方」が大きく変わりました。
そして自分にとって「よい音楽とは」という基準が、
ハイドン先生の作品になりつつあります。


まだまだ聴いていない作品が、
私にとっての「お宝」がハイドン先生には沢山あります。
また、すでに聴いた交響曲やピアノ・ソナタも
改めて聴き直したいという気持ちもあります。

少しペースは落ち着くかもしれせんが、
当分「ハイドン熱」は醒めそうにありませんので
今後ともご愛顧お願い致します。


一服ざる 

総括のようなもの3 ~全弦楽四重奏曲を聴き終えて~

2009-11-02 09:03:58 | ハイドン先生の作品
ハイドン先生の弦楽四重奏曲を
全て聴き終わりました。

最後の未完の作品は第83番ですが、
偽作等を除き全68曲でした。


実はこれ以外に弦楽四重奏曲としては、
『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』
という、序奏と終曲を含めて全9楽章、
1時間弱の大作があります。

元々は管弦楽用に作られた作品で、
人気があったため、弦楽四重奏用、
ピアノ用の編曲が作られました。
この曲は管弦楽版等を含めて
改めて聴いてみたいと思っています。


弦楽四重奏曲は
最初の作品が1757頃に作られ、
最後の作品が作られたのが1803年です。
作曲家としてほぼ終生に渡り
作り続けられたことになります。

作曲された順番も、
交響曲と違い大体番号順になっています。
ですから順番に聴いていくと、
素人にも作品の完成度が高くなり
充実していく様子がなんとなく分かりました。


ハイドン先生が
「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれているのは、
沢山の曲を残したからではありません。

「弦楽四重奏曲」というジャンルが
まだしっかりと確立しておらず
未分化だった時代に、作品の性格を決定づけ、
後の作曲家が見習うべき道筋を
作ったからでしょう。

そのような経緯もわかり
とても勉強になりましたし、
なによりも聴くのが大変楽しかったです。


交響曲もいずれまた作曲順に
聴き直してみたいと感じました。

ロプコヴィッツ四重奏曲集~弦楽四重奏曲第83番

2009-11-01 16:19:06 | ハイドン先生の作品
ハイドン先生の最後の弦楽四重奏曲
3曲を聴きました。

第81番と第82番の2曲は
「ロプコヴィッツ四重奏曲集」
と呼ばれています。

1799年の作品ですが、
通常6曲セットなのが2曲だけの理由は
よく分かっていないようです。
翌1800年はオラトリオ『四季』の作曲に
費やされていますので・・・。


前作の「エルデーディ四重奏曲集」同様、
どちらも素晴らしい曲です。
風格すら感じます。


そして弦楽四重奏曲第83番ニ短調。
ハイドン先生最後の弦楽四重奏曲です。
しかし、この作品は「未完成」です。

アンダンテとメヌエットだけなので、
第2、第3楽章でしょうか。


通常、未完成の曲というのは
作品を完成させる前に作曲者が亡くなり、
死後、発見されるというケースが
ほとんどだと思います。

でもこの曲は事情が少し違うようです。
ハイドン先生自身が「これ以上は書けない」
と判断して未完成のまま発表したようです。

1803年に作られていますので、
亡くなる数年前です。


ちょっと悲しいですが、
「職人」ハイドン先生らしい潔さですね。


弦楽四重奏曲集もかなりの駆け足で
聴いてきましたが、得るものが多かったです。
後日改めて総括したいと思います。

病院でハイドン先生

2009-10-31 11:23:21 | ハイドン先生の作品
病院の待合室とかって
よく静かな音楽が流れてますよね。


大抵はクラシック音楽や
イージーリスニングとかですが、
クラシックの場合は、和み系?のバロックか
アルファ波が出やすい?モーツァルト
あたりが多いのではないでしょうか。

さすがにマーラーやブルックナー、
ショスタコーヴィチは流れません。
余計具合悪くなりそうですし・・・。


先日検査で病院に行った時、
ハイドン先生の曲が流れているのに
気がつきました。
わかっただけで4曲も。

弦楽四重奏曲第67番『ひばり』
交響曲第104番『ロンドン』
それに
トランペット協奏曲
チェロ協奏曲第1番

どれも有名な曲ですからね。
(第1楽章だけでしたが)


おそらく他にもいろいろな場所で
流れているのでしょう。
今までは曲を知らなかったので
耳を素通りしていましたが、
外出先でハイドン先生に出会う
楽しみもできました。