前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

『Do They Know It's Christmas?』(Band Aid)

2019-12-22 18:21:30 | クラシック以外の音楽
ポピュラー・ミュージックにおけるクリスマス・ソングの名曲は数々ありますが、
私の年代の「定番」として思い浮かぶのは、

邦楽では、
クリスマス・イブ(山下達郎)
恋人はサンタクロース(松任谷由実)
クリスマスキャロルの頃には(稲垣潤一)

洋楽では、
Last Christmas(Wham!)
All I Want for Christmas Is You(Mariah Carey)

ちょっと変わり種?で、
Merry Christmas Mr. Lawrence(坂本龍一)

といった辺りでしょうか。好きかどうかは別として。


ですが、個人的に一番思い入れがあるというか、印象に残っているは、
バンド・エイド(Band Aid)の
『Do They Know It's Christmas?』(1984年)になります。


(当時、LPで1500円)

エチオピアで起こった飢餓に対するチャリティー・プロジェクトで、
イギリスとアイルランドのミュージシャンが参加したものです。
これに触発されて、翌年アメリカで
「We Are The World」(USA for Africa)が生まれました。

歌詞は発起人の一人、ボブ・ゲルドフが主に担当し、
もう一人の発起人、ミッジ・ユーロが作曲を行っています。
(ミッジ・ユーロは私が「神の如く」愛するULTRAVOXのボーカル・ギター)


『Do They Know It's Christmas?』はその後何度かリメイクされてますが、
オリジナルの参加メンバーは、
 フィル・コリンズ
 ボノ
 ジョージ・マイケル
 ボーイ・ジョージ
 サイモン・ル・ボン
 スティング
 ポール・ウェラー
ほか、錚々たる面々です。

歌詞の大意は、
 アフリカで飢餓に苦しむ人たちは
 今がクリスマスだと知っているのだろうか?
 世界を飢えから救おう
 手を差し伸べよう
というものですが、その中で非常に印象的な一節があります。

「Well tonight thank God it's them instead of you」
「それ(飢餓の犠牲者)が君ではなく彼らだったことを神に感謝しよう」
(Wikipediaより)

この歌詞には制作過程で反対意見もあったそうですが、
ボブ・ゲルドフは「綺麗事だけでなく本音を伝えるべき」と、
その反対を押し切ったそうです。

注:この部分はWebで検索するといろいろな日本語訳が出てきますが、
私はWikipediaに載っている、この"直接的"な訳が真意に近いのでは?
だからこそ、反対意見が出たのでは?と思います。
(正に"綺麗事"ではない、それ故に強烈に突き刺さる一節です)

この部分を歌っているのは、U2のボノです。
彼の力強い声と独特の節回しが、この詩に一層の凄みを与えています。


オリジナルから20年後(2004年)の「Band Aid 20」では、
参加アーティストの中で、このパートを狙っていた人が多かったそうですが、
"本家"ボノが再登場し「あのパートは俺のもの」で争奪戦終了、とのこと。


余談ですが、高校生の時にミッジ・ユーロがソロで来日したので、
コンサートにも行きましたが、アンコールでこの曲を歌ってくれました。

Feed the world
Let them know it's Christmastime again

と客席一体となって合唱したのを思い出しました。
若き日の赤面メモリーです。