先日聴いたベートーヴェンの交響曲第7番ですが、
なんかN響定期公演で毎シーズン聴いている気がします。
「みんな大好き
ベト7」だからでしょうか。
もちろん私も大好きですし、いい曲です。
原初体験はおそらくカール・ベームのライブ演奏を
ラジオで聴いたのだと思います。
とりわけ第4楽章の"熱狂的"ともいえる迫力に魅せられました。
どの指揮者の演奏でもそれなりに楽しめる曲です。
(名演の誉れ高い"クライバー盤"はあまり好きではありませんが)
そんな私の第7交響曲のイメージを一新させたのが、
コレギウム・アウレウム合奏団の演奏です。
古楽器による合奏団ですが、特徴が二つあります。
一つは指揮者がいないこと。
コンサート・マスターを中心としたアンサンブルです。
そしてもう一つは、演奏者の人数です。
管楽器奏者、打楽器奏者の合計が13人。
それに対して弦楽器奏者は全部で19人です。
管、打楽器の人数はどのオケでも基本的に同じですが、
古楽器による少人数のオーケストラでも
ここまで弦楽器が少ないのは珍しいでしょう。
古典派交響曲の演奏に関しては、
「古楽器でなければダメだ」とか
「ピリオド奏法で」などのこだわりも特にありません。
どんなオケでも、良い演奏ならそれでいい、と思っています。
でも、この曲に限っては、
コレギウム・アウレウム合奏団は別格です。
とりわけ第4楽章。
この楽章で最も目立つ楽器は?と問われたら、
ほとんどの方が「ホルン」と即答するでしょう。
でも、コレギウム・アウレウムの演奏を聴くと、
主役?は「フルート」であるのがわかります。
全編でフルートが"のびのび"と活躍しています。
ホルンの"雄叫び"のような旋律の後ろでも
実に素朴な音階風旋律を吹いてたりします。
「血沸き肉踊る"熱狂的"な交響曲」というイメージでしたが、
私にとっては「チャーミングで楽しい曲」になりました。
指揮者がいない点については、欠点もあります。
同じようなフレーズ、リズムが繰り返される箇所など、
少し間延びしてしまうのです。
でもそのような弱点を補って余りある"名演"です。
結構、好き嫌いがわかれそうですけど・・・お勧めの演奏です。