前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ベートーヴェン 交響曲第7番 (コレギウム・アウレウム)

2010-09-14 18:33:56 | クラシック音楽
先日聴いたベートーヴェンの交響曲第7番ですが、
なんかN響定期公演で毎シーズン聴いている気がします。

「みんな大好きベト7」だからでしょうか。
もちろん私も大好きですし、いい曲です。


原初体験はおそらくカール・ベームのライブ演奏を
ラジオで聴いたのだと思います。
とりわけ第4楽章の"熱狂的"ともいえる迫力に魅せられました。
どの指揮者の演奏でもそれなりに楽しめる曲です。
(名演の誉れ高い"クライバー盤"はあまり好きではありませんが)


そんな私の第7交響曲のイメージを一新させたのが、
コレギウム・アウレウム合奏団の演奏です。

古楽器による合奏団ですが、特徴が二つあります。

一つは指揮者がいないこと。
コンサート・マスターを中心としたアンサンブルです。

そしてもう一つは、演奏者の人数です。
管楽器奏者、打楽器奏者の合計が13人。
それに対して弦楽器奏者は全部で19人です。

管、打楽器の人数はどのオケでも基本的に同じですが、
古楽器による少人数のオーケストラでも
ここまで弦楽器が少ないのは珍しいでしょう。


古典派交響曲の演奏に関しては、
「古楽器でなければダメだ」とか
「ピリオド奏法で」などのこだわりも特にありません。
どんなオケでも、良い演奏ならそれでいい、と思っています。

でも、この曲に限っては、
コレギウム・アウレウム合奏団は別格です。


とりわけ第4楽章。
この楽章で最も目立つ楽器は?と問われたら、
ほとんどの方が「ホルン」と即答するでしょう。
でも、コレギウム・アウレウムの演奏を聴くと、
主役?は「フルート」であるのがわかります。

全編でフルートが"のびのび"と活躍しています。
ホルンの"雄叫び"のような旋律の後ろでも
実に素朴な音階風旋律を吹いてたりします。

「血沸き肉踊る"熱狂的"な交響曲」というイメージでしたが、
私にとっては「チャーミングで楽しい曲」になりました。


指揮者がいない点については、欠点もあります。
同じようなフレーズ、リズムが繰り返される箇所など、
少し間延びしてしまうのです。
でもそのような弱点を補って余りある"名演"です。


結構、好き嫌いがわかれそうですけど・・・お勧めの演奏です。

シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 (N響定期)

2010-09-12 15:43:38 | NHK交響楽団
N響定期公演に行ってきました。

曲目は

 ベルリオーズ 『ベアトリスとベネディクト』序曲
 シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調
 ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調

です。

指揮はアカデミー室内管とのコンビでおなじみの巨匠、
サー・ネヴィル・マリナー氏です。


演奏は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲が良かったです。
テンポはかなり遅かったと思います。
重厚、というのとはちょっと違いますが、
あまり派手さの無い、渋いシベリウスに感じました。


ソロは、ロシアの若手、ミハイル・シモニアンです。
シベリアのノヴォシビルスク生まれとありますので、
私の好きなレーピンと同じ出身地ですね。
まだ24、5歳です。

素晴らしく上手い、というわけではありませんし、
レーピンのような迫力もありません。
ただ、ところどこと非常に印象に残りました。


第1楽章に顕著でしたが、時折、
旋律やフレーズの最後を余韻を残さず "バチッ" と切ります。
弦を押さえている左指で音を止めるというか・・・。
若さが成せる「潔さ」とでもいうのでしょうか?

それともう一つ。
トリルが素晴らしく美しかったです。
ヴァイオリン協奏曲を聴いていて、トリルが美しいなどと
あまり感じたことがありません。

やはり第1楽章の中間部に入る前、その美しいトリルに魅せられ、
再度出てくる箇所を心待ちにしたほどです。


大きな感動ではありませんが、印象に残るいい演奏でした。