前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ハイドン先生回顧展

2010-09-09 12:22:15 | クラシック音楽
私が所属しているサークルでは年に何度か
お勧めの作品などを紹介する会があります。

そこで近々、ハイドン先生の作品を紹介する予定です。


私もまだまだ「ハイドン先生初心者」ですが、
協奏曲、オラトリオ、ピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲、交響曲と
なるべく色々なジャンルからピックアップしました。

有名な曲、あまり聴く機会のない曲、隠れた?名曲・・・などなど。


個人的に「ハイドン先生回顧展」みたいな感じになればと思ってます。


それに乗じて、私が勝手に名前を付けた2曲

  交響曲第39番ト短調 ≪木枯らし≫
  弦楽四重奏曲第22番ニ短調 ≪ため息≫

も紹介し、密かに名前を普及させようという魂胆です。



N響新シーズン到来

2010-09-08 09:03:19 | NHK交響楽団
7月、8月はN響定期公演がお休みなので、
どうしても話題が美術関係に偏ってしまいます。

今月からようやくN響定期公演の新シーズンが始まります。

今のところ一番の楽しみは、まだまだ先ですが
来年2月のマーラー交響曲第3番です。


マーラーの第3番を生で聴くのは初めてです。
(CDでもあんまり聴いてない・・・なにせ長いので)

この曲でマーラーの交響曲は
第1番~第9番および「大地の歌」まで
全て生演奏で聴いたことになります(の予定です)。

第10番は未完成なので置いておくとして
一応、コンプリート!


複数の交響曲がある作曲家で、全部生で聴いているのは
意外と少ないです。

ブラームスは4曲聴いてます。
チャイコフスキーは第1~6番まで多分聴いています。
(「マンフレッド交響曲」は未聴ですが、まあいいでしょう)

シューマン、メンデルスゾーン・・・う~ん。
記憶が定かでないですが、多分まだです。

ベートーヴェンは第1番、第2番が未聴、
ブルックナーも第1番、第2番が未聴です。


最近は、N響定期公演以外にあまりコンサートに行かないので
コンプリート達成はN響頼みなのですが、
ベートーヴェンはともかく、ブルックナーの達成は難しそうです。

ショスタコーヴィチで聴いているのは、
第1、5、7、8、9、10、11、13、15番辺りです。
かなり歯抜けですが、意外とこっちの方が早く達成するかもしれません。

なにせN響には、アシュケナージ桂冠指揮者がいますから。

国宝 『曜変天目茶碗』 追記

2010-09-03 18:47:54 | 美術関係
本物の曜変天目を観たあと、以前録画しておいた番組
『幻の名碗「曜変天目」に挑む』を改めて観ました。


その中で「何らかの人為的な加工を施して創られたのではないか」
という推測のもとに再現に取り組んだ方の作品を観ると、
テレビ画面上では「かなり近いなあ」という印象でした。

どのような技法を用いたのか番組中では詳しくは紹介されていませんので、
一度焼いたものに加工して再度焼き直したのか、
全体に釉薬をかけたあとに斑紋となる箇所に何か手を加えて焼いたのか、
その辺のところはわかりません。


インターネットで調べてみると、
この方の作品をもって「曜変天目の復元に成功」とする方々もいれば、
曜変天目はあくまでも窯の中の変化(=窯変)だけで創られたものであり
人為的な加工を施したものは「絵付け曜変天目」などと呼ぶべきである、
と主張される方々もいて、評価は様々です。

後者の主張をする方々の根拠の一つとして、
「人為的な加工を施したのであれば、もっと大量に残っているはずだ」
ということがあります。
素人考えですが、私もそう思います。
(それ以上のことは、専門的過ぎてわかりませんが・・・)


ただ、どのような方法であれ、もし現物が存在していなかったら
「復元」を試みることもできなかったでしょうし、
そもそも、このような「美しさ」が焼物の中に秘められていたことすら
知り得なかったのではないでしょうか。
そう考えると、今、現に存在していることの「奇跡」を思わずにはいられません。



また数学の例えで恐縮ですが、
長い間解けなかった難問(フェルマーの最終定理やポアンカレ予想など)
が証明される過程では無数の試みや失敗がありましたが、
それらは別の形で数学の発展に大きく寄与したとされています。


曜変天目は今から800年ほど前に誕生したとされています。
もしかしたら、"あの時代"に"あの場所"でしか決して起こらない
「偶然」があったのかもしれません。
そうであるならば、二度と同じものを創り出すことはできないことになります。


でも、多くの方々が様々な方法で試みる「曜変天目再現」の営みは
決して無駄ではないでしょう。
そこからまた新たな発見があり、
それが、まだ見ぬ「美しさ」へと「窯変」していくかもしれませんから。

国宝 『曜変天目茶碗』(三菱一号館美術館)

2010-09-02 21:08:46 | 美術関係
三菱一号館美術館に行ってきました。

目的はただ一つ、国宝『曜変天目茶碗』を観るためです。


  曜変天目茶碗は、南宋時代(1127~1279年)の
  中国福建省建陽市の建窯で焼かれたとされています。
  現在確認されているのは3点で、全て日本にあります。
  いずれも国宝に指定されています。


曜変天目がどのように作られたのかは謎であり、
人為的に作られたのか、偶然できたものかもわかっていません。
でも、何十万、何百万(あるいはもっと?)と焼かれた中で
数点しか現存していないことを考えれば、
やはり数々の偶然が重なってできたものなのでしょう。


以前、この曜変天目の復元に挑む陶芸家の番組を観ました。
父親の夢を引き継ぎ、中国建窯の土を取り寄せて復元に挑む者、
一度焼いた茶碗に加工を施し二度焼きして再現を試みる者・・・。

それはまるで「リーマン予想」のような数学の難問に
様々な角度から挑む数学者達のような執念でした。
ただ言えるのは、「リーマン予想」は素人には理解できませんが、
曜変天目の美しさは私のような素人にもわかります。


その時から一度本物を観たいと思っていました。


予想していたより一回りほど小さい茶碗でした。
漆黒の艶やかな黒の地肌の上に、丸い斑紋と瑠璃色の光彩が広がります。
まるで宇宙空間に点在する幾つもの銀河のようです。

衝撃的な美しさというよりも、
もっと幽玄な、吸い込まれるような深い深い美しさです。
一度目にしたら、いつまでも観ていたいと思う美しさです。


一体、窯の中でどれだけの偶然が重なれば、
このような美しさが生まれるのでしょう。
それを考えると、この茶碗が存在していることに恐ろしささえ感じます。



曜変天目の公開は9月5日までのようです。
滅多に観られない「美」を目に焼きつけてきました。