BBCアーカイヴ映像『ピアノ・ヴィルトゥオーゾ』DVDを買いました。
全てスタジオ演奏です。
演奏者は、
ジョルジュ・シフラ
ベンノ・モイゼヴィチ
ホルヘ・ボレット
の御三人です。
私のお目当ては当然ながらボレットです。DVDのメインはシフラなのですが。
シフラの演奏は、以前に「クラシカ・ジャパン」で観たことがあります。
本番撮影前の肩慣らしあるいはピアノの確認のためでしょうか、
スーツの上着を脱ぎ、いきなり即興演奏を始めます。それも7分弱。
(このDVDにも入っています)
まあ~カッコいい!こんな姿を見せられたら、女性ならイチコロ(←表現が古い)でしょう。
ただ、このDVDの"お楽しみ"は別で、
シフラとボレットの「半音階的大ギャロップ」の聴き比べ(観比べ)です。
1枚のDVDに収められているところが嬉しいですね。
録画年はジャケット表記は共に1962年となっていますが、
チャプター毎に確認するとシフラのこの曲のみ1963年のようです。
演奏時間は、
シフラ 3分06秒
ボレット 4分31秒
と短い曲にも関わらず1分半近い差があります。
シフラは、まるでリサイタルでのアンコールの様な猛烈な勢いです。速い速い!
これぞ「リストの超絶技巧の披露」といった印象です。
一方ボレットの演奏は、対照的に一音一音確かめるような弾き方です。
鍵盤全体を見下ろし、指を(かなり上から)垂直に下ろすような・・・。
(HMVのレビューでどなたかが"練習みたい"と書いていましたが正に)
それにしても、ほぼ同じ時期の録画なのにシフラの方が映像・録音とも格段にいいのは何故?
この二つの演奏を観たら、普通の人は圧倒的大差でシフラに軍配を上げるでしょう。
(ただ、私はボレット贔屓ですので)
ボレットの演奏する「半音階的大ギャロップ」のCD録音は二種類持っています。
DECCA盤/1982年録音(演奏時間:4分32秒)
RCA盤/1972年録音(演奏時間:4分18秒)
こうしてみると、DVD映像から10年間隔の録音ですが、ほとんど演奏時間が変わっていません。
(もちろん演奏スタイルも)
「この曲はこう弾くべき」というボレットなりの美意識が確立していたのでしょう。
極めて技巧的な曲ですが、一つ一つの音をハッキリと意識させ曲そのものの良さを聴かせよう、
という思いでしょうか。
曲の中間部(というのでしょうか)、子指で高音の"裏打ち"連打があるのですが、
こういう部分でのキッチリとした音の立たせ方。
同じくリストの「ラ・カンパネッラ」の演奏でもそうなのですが、
私は、ボレットの曲に対する(あるいは演奏に対する、聴衆に対する)
ある種の「真摯さ」のようなものを感じます。
ヴィルトゥオーゾ・ピースを好んで演奏する一方、決して単なる"技巧派"では終わらない。
これが晩年のあのフランクの名演に繋がるのでしょう。
DECCA盤とRCA盤とでは、録音状態も関係しているのかもしれませんが、
RCA盤の方が煌びやかでお薦めです。
全てスタジオ演奏です。
演奏者は、
ジョルジュ・シフラ
ベンノ・モイゼヴィチ
ホルヘ・ボレット
の御三人です。
私のお目当ては当然ながらボレットです。DVDのメインはシフラなのですが。
シフラの演奏は、以前に「クラシカ・ジャパン」で観たことがあります。
本番撮影前の肩慣らしあるいはピアノの確認のためでしょうか、
スーツの上着を脱ぎ、いきなり即興演奏を始めます。それも7分弱。
(このDVDにも入っています)
まあ~カッコいい!こんな姿を見せられたら、女性ならイチコロ(←表現が古い)でしょう。
ただ、このDVDの"お楽しみ"は別で、
シフラとボレットの「半音階的大ギャロップ」の聴き比べ(観比べ)です。
1枚のDVDに収められているところが嬉しいですね。
録画年はジャケット表記は共に1962年となっていますが、
チャプター毎に確認するとシフラのこの曲のみ1963年のようです。
演奏時間は、
シフラ 3分06秒
ボレット 4分31秒
と短い曲にも関わらず1分半近い差があります。
シフラは、まるでリサイタルでのアンコールの様な猛烈な勢いです。速い速い!
これぞ「リストの超絶技巧の披露」といった印象です。
一方ボレットの演奏は、対照的に一音一音確かめるような弾き方です。
鍵盤全体を見下ろし、指を(かなり上から)垂直に下ろすような・・・。
(HMVのレビューでどなたかが"練習みたい"と書いていましたが正に)
それにしても、ほぼ同じ時期の録画なのにシフラの方が映像・録音とも格段にいいのは何故?
この二つの演奏を観たら、普通の人は圧倒的大差でシフラに軍配を上げるでしょう。
(ただ、私はボレット贔屓ですので)
ボレットの演奏する「半音階的大ギャロップ」のCD録音は二種類持っています。
DECCA盤/1982年録音(演奏時間:4分32秒)
RCA盤/1972年録音(演奏時間:4分18秒)
こうしてみると、DVD映像から10年間隔の録音ですが、ほとんど演奏時間が変わっていません。
(もちろん演奏スタイルも)
「この曲はこう弾くべき」というボレットなりの美意識が確立していたのでしょう。
極めて技巧的な曲ですが、一つ一つの音をハッキリと意識させ曲そのものの良さを聴かせよう、
という思いでしょうか。
曲の中間部(というのでしょうか)、子指で高音の"裏打ち"連打があるのですが、
こういう部分でのキッチリとした音の立たせ方。
同じくリストの「ラ・カンパネッラ」の演奏でもそうなのですが、
私は、ボレットの曲に対する(あるいは演奏に対する、聴衆に対する)
ある種の「真摯さ」のようなものを感じます。
ヴィルトゥオーゾ・ピースを好んで演奏する一方、決して単なる"技巧派"では終わらない。
これが晩年のあのフランクの名演に繋がるのでしょう。
DECCA盤とRCA盤とでは、録音状態も関係しているのかもしれませんが、
RCA盤の方が煌びやかでお薦めです。