我が家の敷地の端に,葉ボタンを植えたプランターをおいています。葉ボタンは越年栽培をしているもので,木質化した茎が伸び,小さな葉をたくさん付けています。そこにモンシロチョウがわんさかやって来て卵を産み付けます。
産付時期はそれぞれにちがっているので,卵の発生過程はさまざまです。観察にはもってこいだと思います。
さて,その敷地を有害獣除けにネットを張っているものですから,葉ボタンを訪れたモンシロチョウは外からは産卵したくてもしようがありません。うまく内側に入るほかないのです。
初めから内側に入ったチョウは難なく産卵を終えます。
先日,外から葉ボタンに関心を示して,なんとか接近しようとするチョウを見かけました。産卵がしたくて仕方ない様子。ネットと葉との距離は1,2cmといったところです。
チョウが葉に近づいたとき,試しにネットを押して,チョウが葉に触れることができるようにしてみました。すると,さっそく産卵行動が始まったのです。
そこで,チョウが何を目印にキャベツを訪れるのか,気になって調べてみました。
結果わかったのは,まず視覚(色や形)で葉を見分ける,次に嗅覚(匂い)をはたらかせるということです。葉から出る揮発性成分を前脚先に生えた感覚毛で感知するらしいのです。これはアゲハと同じです。メスのチョウの行動をよく観察していると,前脚を葉に触れて食草かどうかを確認している様子が見えてきます。
わたしはアゲハについてはそのメカニズムが我が国の生物学者によって解き明かされたことは知っていましたが,モンシロチョウも同じだったとは知りませんでした。
ラッキーな観察例となりました。