ココで今日行われているのは、試合でもコンサートでもありません...
東京電力の株式総会に行って来ました。
午前中に予定が入っていたので、一度は断念したのですけれど、昔のようなシャンシャン総会では無いはずなので(?)、午前中の予定を終えてから回ることにしました。
会場は代々木第一体育館(ここに来るのは、大昔、テニスの試合を見に来て以来?)
開会してから、そろそろ3時間になろうという時間なので、入る人よりも、帰る人の方が多く、会場から出て来る人たちにインタビューをしている輪があちらこちらに出来ていました。
そんな中、受付に向かって進んで行くと、なんだかVIPになったみたい?
両側に5メートル間隔で並んだ社員さん達が次々に頭を下げていきます。
進んだ正面には10名ほどの警備係の女性(警備会社の制服)が並んで待ち構えていました。
「手荷物検査にご協力お願いします」
バックの中を開けて見せると
「ありがとうございました」
(後で気付いたのですけれど、お花の講習会の帰りなので、大きな花バサミが入っていたのですが、気がつかなかった?)
その次が受付、ここで入場票を受けとって首にかけます。
(総会で発言する際は、このカードに書いてある番号を名乗ります)
そして体育館内に入ると、なんだか異様な光景が目の前に広がっていました。
一番奥に「ステージ(ひな段)」が作られていて、その上に経営陣がズラリ。
その下(ステージは、一段どころか数メートルは高いのです)のアリーナに椅子が並んでいて、こちらが株主席。
昔、日比谷公会堂で見た総会では、最前列は「東電社員ダンサーズ」(?)が陣取っていましたが、今はそんなことは無いようです。
両サイドの「観客席」も株主席になっていて、私は1階席の上の方から見ることにしました。
(背後の通路には、東電の社員が、ここでも5メートルおきくらいで並んでいます。
背中から監視されているようで、あまり良いカンジではありません)
総会の議事進行としては、現在は「質疑応答」に入っていました。
発言される方は、皆さん、思い入れが強くおありのようで、発言を始めると「質問」では無く、「自分の思うところ」をとうとうと語るところから入る方も居らっしゃいます。
そうなると、発言を求める人は多くても、なかなか議長から指されることはありません。
時計は3時をまわり、
「そろそろ、質疑を打ち切って採決にはいるかな?」
と思っていたところで、一人の女性が
「なぜ、質問者は男性ばかりなのですか?」
と声をあげました。(これには拍手が起きました)
仕方無く(と見えましたよ会長さん)
「では、ここから女性の方にご発言いただきましょう」
と、女性を指名し始めたところで、私の「タイムアウト」。
会場を出る際も、行きと同様に今度は「ありがとうございました。お疲れ様でした」
の声が次々とかかります。
(お見送りもVIP?)
門を出たところで
「あの~〇〇(在京テレビ局)ですが、お話を聞かせて頂けませんか?
「急いでいますので...」(あ、この人、ワイドショーで見たことある?!?)
と、すり抜けて駅に向かいました。
結局、議決権を行使することも無く帰ってきてしまいました。
(後でネットで見たら、あと15分会場にいたら採決まで見ることができたかも...?)
ヒナ段上に「鎮座ましまして」いらっしゃる方々は、
「とにかく今日を乗り越えれば!!(私はもう他へ行っちゃいますから・・・)」
とも読み取れる表情で「お地蔵さん」状態。
あれだけ大きな事故が起きた後だというのに、質疑応答の内容は昔から変わらず、
当たり障りの無い内容を答えた後で、最後は定型句(?)の
「なにとぞご理解賜りたく御願い申し上げます」
(「ご理解いただきたく」「ご理解くださいますよう」くらいのバリエーションは有?)
株主から「謝れ!」「土下座しろ!!」と言われれば
「たいへん申し訳ございませんでした」
と頭を下げる。
同じ社長・快調でも、時々、謝罪会見で見るように「ボロボロ泣きながら土下座をする」のとはほど遠い姿。
(もっとも、それが「大企業のトップ」というもの?)
帰り道、駅までの途中で、案内係に立っていた若い社員さんが、おそらく総会出席者だと思われる男性から、とうとうと意見されている姿を見ました。
現場の社員さんたちは(モチロン原発でも)、皆さん頑張っているのです。
お客さんからは厳しい声を浴び、お給料もカットされても今は頑張るしかないという、その人達の、せめて、モチベーションが上がるような経営陣で居て貰いたいと切に願います。