海外旅行に行くときにパスポートを忘れる
ありがちな話しですが、実際にはあり得ないことです。
そころが、そんな「あり得ないこと」が実際に起きてしまいました。
それも、自分に関係あるところで起きるなんて.....。
今日は、「夏休みカナダ・ツアー」の出発日でした。
飛行機は20時50分成田発のJAL16便バンクーバー行きです。
人数・荷物が多いので、先発荷物隊が大きな荷物を積んで、昼過ぎに出発しました。
残りは、手荷物だけ持ってバスで成田へ向かいます。
所沢駅のバスの待合所で、子ども達に声を掛けました。
「ちゃんとみんなパスポート持ってきた?」
「は~い」
みんな荷物を開けて、パスポートを確認しました。
この時、一人の子がトイレに行って、その場にいなかったとは全く気がつきませんでした。
バスに乗ってから、
「パスポートは確認したけど、まさかチケット忘れたってこともないよね...」
チケットは先発隊で出た父が持っていたので、携帯で確認しました。
「大丈夫だって」
この時、一緒に居たもうひとりの父に
「子供のパスポート預かっていないよね」
とは、誰も聞こうとも思いませんでした。
出発時に「到着予定45分以上遅れ」と出ていたバスは、そういった心配もなく、ほぼ定刻通りに成田に着きました。
空港手前の検問所で、パスポートor身分証明書の確認がありました。
この時に1人の子が
「パスポート持ってない」
と言いましたが、係員も一行だったせいか、その子はノーチェックでした。
付き添いの大人達も
「スーツケースに入れちゃったのか」
「お父さんが預かって入るんだよね」
と、何も考えずにその場を過ごし、出発ロビーで先発隊と合流しました。
会った瞬間に
「○○ちゃんのパスポートは?」
と聞いたら、「持っていない」というそぶりをします。
「ま~た、このお父さん、ふざけちゃって!」
と思いつつ
「冗談でしょ?」
と聞いたら
「ホント!」
慌てて、子供の手荷物を調べようとしたら
「無いよ。だって入れてないもん!」
ええぇ~~~~~!!
たまたま、家族が留守で残っている子だったので、家に電話を入れると電話の向こうのお母さんが
きゃあぁぁ~~~!!
時刻は17時15分頃。
飛行機の出発時刻までは、まだ3時間以上あるので
「すぐにバイク便呼んで」
とお父さんが指示を出しました。
「バイク便なら3時間あれば楽々間に合うよね」
と話していたのですが、暫くして家から電話。
「バイク便何社かに当たったのだけれど、どこも近くに拠点がないので、最寄りの拠点から取りに行って成田まで3時間はムリ」と断られたそうです。
みんなで一斉に、地元にすぐに動ける知人はないか、あたりました。
その中で、今回のメンバーの1人のお父さんがバイクを持っているのを思い出しました。
「○○君の父は?」
と聞いたら、母子揃って
「ダメダメ!危ない危ない!」
と言います。
それでも、それしか無いということで、母が連絡を取ってくれました。
開口一番「今、バイクある?」
そこから当事者の父に電話を替わって、事情を説明し、お願いすると
「なんとかやってみる」
との答え。
すぐに、その子の家に向かって貰いました。
とりあえず届けて貰う手はずはしたものの、反対した母曰く
「危ないのも心配だけど、そもそも成田に来たことないし、方向音痴だし、そんな長距離も走ったことないと思う。引き受けたのは良いけれど、ホントに無事に着くのかどうか.....」
でも、もう、こちらは待つしかありません。
18時にパスポートを受け取って地元を出発したという連絡が、留守宅の母から入りました。
19時に外環に入ったという電話がパパ・ライダーさんからありました。
こちらも、チェックインカウンターで事情を説明して、20時20分まで待ってくれることになりました。
19時半くらいまでは、待っている方も結構お気楽で
「何時何分に着くか賭ける?」
等と話していたのですが、20時に近づくにつれ、だんだんと落ち着かなくなってきました。
こちらから電話を賭けても繋がりません。
「たぶん、あと少し、っていうところにいるから、停まって電話をするより少しでも早く着こうとしているんだよね。」
と話しながら、車寄せで立っていました。
約束の20時20分になったので、JALのカウンターへ行きました。
とりあえず、子供4人と父1人が先に出国手続きへ向かいました。
電話をかけ続けながら母が
「たぶん大丈夫。私って、こういうのにツいているから...」
当事者の父も
「オレも、そう」
考えてみると、私も結構そういうところがあります。
「じゃあ、3人も運があるのが集まっているから、ホントに絶対大丈夫ョ!」
カウンターの係の人もロビーまで出てきて、関係各所といろいろ連絡を取りつつ、
「今がギリギリのところなんですが...」
と言います。
20時30分。電話をかけ続けていた母が叫びました。
「繋がった!」
「今、どこ?え、駐車場?どこの?」
少し話しましたが、双方居場所がわかりません。
カウンターの女性が電話に直接出てくれました。
「日本航空のカウンターの者ですが、今はどちらにいらっしゃいますか?(答えを聞いて)判りました。」
そこからの彼女の動きはスゴかったです!!
走り出しながら
「その方のお名前は?」
「○○さんです!」
後は、もう正にダッシュ!!(一緒に着いていった1人の母は、途中で見失ったそうです)
電話の向こうのパパ・ライダーさんに
「今、JALのお姉さんが行くから、そこを動かないで!」
電話をいったん切って、すぐコールバックがあり
「パスポート渡したって!」
ほどなく、先ほどの女性がエスカレーターを駆け上がってきました。
そのままカウンターへ直行してチェックインして、そこから別のお姉さんに引き継いで出国手続きに走ります。
手荷物検査も割り込みさせて貰って、ゲートの中に消えていきました。
パパ・ライダーさんには、とりあえずバイクを駐車場に入れて貰ってロビーまで来て貰うことにしました。
留守宅の母に電話をしました。
「間にあったって言ったら、なんだか涙声だったみたい...」
(そりゃあそうでしょ。)
先ほどのJALの方がカウンターに戻るところだったので
「ありがとうございました。」
と御礼をしたら、
「たぶん大丈夫だったと思います。」
と笑顔で答えてくれましたが、まだ息が弾んでいました。
時刻は飛行機出発の定刻ちょっと前。
この夏一番の出国ラッシュだったという成田のロビーも、この時間は閑散としてきました。
暫くして、パパ・ライダーさんがロビーに姿を見せました。
ヘルメットを担いで、ぷらぷらロビーを歩いてくる姿に思わず涙が涌いてきました。
「間にあった?」
「たぶん。どうもありがとうございました!!」
「4○歳のおじさんライダーにはキツイわぁ~~~」
見送りの親たち一同、揃って頭を下げました。
その後、送迎デッキに上がりましたが、出発スポットを確認しなかったので、具体的に「どの飛行機か」特定できずに、動いているJALの機体をいくつか見送りました。
パパ・ライダーさんに一服して貰おうと思いましたが、ほとんどのお店が閉店してしまいました。
かろうじて見つけたカフェテリア(これまたラストオーダー5分前)に入り、パパ・ライダーさんはカレーを食べながら、やっとみんなで一息つきました。
食べながら、
急に電話で呼び出されて、パスポートを受取に行って、更にバイクの調子が心配だったので、知り合いのバイクやさんで「1分で直せ」と言って直して貰ったこと。
料金所毎に、成田への道順と所要時間を確認していたこと。
関越は順調に走れて渋滞も問題なかったのに、首都高に入ったら道路幅が狭くて、バイクでもなかなか進めなかったこと。
おりしも、花火大会の集中日(?)で、360度で花火が上がっていたこと。
など、道中記を聞きました。
やはり、途中で電話は気になっていたけれど、一刻も早く空港にたどり着きたい一心だったそうです。
そして最後は
「いゃあ、あのお姉さん、速い!絶対アレは陸上短距離系だぞ!!」
JALのチェックインカウンターの女性。背も高くて、美人で外見もモデルさんのようでしたが、確かに、あの瞬発力・ダッシュ力・持続力と足の速さには驚異的でした。
「あの、お姉さんのおかげで「次もJAL!」って思うよね!」
みんな同意見でした。
人影の無くなった駐車場ビルで
一躍、ヒーローになったパパ・ライダーさんを拍手と声援で見送り、一同帰路に着きました。
「間にあって出発できたから言えるけど、実にいい思い出になったよね!」
(確かに!)
パパ・ライダーさんも
「着いたのはいいけど、飛行機出た後でした。って言われたらさ...」
本当にそんなことになっていたら、家まで帰る力が残っていなかったと思います。
(私たちもおんなじデス!!)
スタートから大波乱の今回の旅。
果たして、どうなりますことやら.....???
ありがちな話しですが、実際にはあり得ないことです。
そころが、そんな「あり得ないこと」が実際に起きてしまいました。
それも、自分に関係あるところで起きるなんて.....。
今日は、「夏休みカナダ・ツアー」の出発日でした。
飛行機は20時50分成田発のJAL16便バンクーバー行きです。
人数・荷物が多いので、先発荷物隊が大きな荷物を積んで、昼過ぎに出発しました。
残りは、手荷物だけ持ってバスで成田へ向かいます。
所沢駅のバスの待合所で、子ども達に声を掛けました。
「ちゃんとみんなパスポート持ってきた?」
「は~い」
みんな荷物を開けて、パスポートを確認しました。
この時、一人の子がトイレに行って、その場にいなかったとは全く気がつきませんでした。
バスに乗ってから、
「パスポートは確認したけど、まさかチケット忘れたってこともないよね...」
チケットは先発隊で出た父が持っていたので、携帯で確認しました。
「大丈夫だって」
この時、一緒に居たもうひとりの父に
「子供のパスポート預かっていないよね」
とは、誰も聞こうとも思いませんでした。
出発時に「到着予定45分以上遅れ」と出ていたバスは、そういった心配もなく、ほぼ定刻通りに成田に着きました。
空港手前の検問所で、パスポートor身分証明書の確認がありました。
この時に1人の子が
「パスポート持ってない」
と言いましたが、係員も一行だったせいか、その子はノーチェックでした。
付き添いの大人達も
「スーツケースに入れちゃったのか」
「お父さんが預かって入るんだよね」
と、何も考えずにその場を過ごし、出発ロビーで先発隊と合流しました。
会った瞬間に
「○○ちゃんのパスポートは?」
と聞いたら、「持っていない」というそぶりをします。
「ま~た、このお父さん、ふざけちゃって!」
と思いつつ
「冗談でしょ?」
と聞いたら
「ホント!」
慌てて、子供の手荷物を調べようとしたら
「無いよ。だって入れてないもん!」
ええぇ~~~~~!!
たまたま、家族が留守で残っている子だったので、家に電話を入れると電話の向こうのお母さんが
きゃあぁぁ~~~!!
時刻は17時15分頃。
飛行機の出発時刻までは、まだ3時間以上あるので
「すぐにバイク便呼んで」
とお父さんが指示を出しました。
「バイク便なら3時間あれば楽々間に合うよね」
と話していたのですが、暫くして家から電話。
「バイク便何社かに当たったのだけれど、どこも近くに拠点がないので、最寄りの拠点から取りに行って成田まで3時間はムリ」と断られたそうです。
みんなで一斉に、地元にすぐに動ける知人はないか、あたりました。
その中で、今回のメンバーの1人のお父さんがバイクを持っているのを思い出しました。
「○○君の父は?」
と聞いたら、母子揃って
「ダメダメ!危ない危ない!」
と言います。
それでも、それしか無いということで、母が連絡を取ってくれました。
開口一番「今、バイクある?」
そこから当事者の父に電話を替わって、事情を説明し、お願いすると
「なんとかやってみる」
との答え。
すぐに、その子の家に向かって貰いました。
とりあえず届けて貰う手はずはしたものの、反対した母曰く
「危ないのも心配だけど、そもそも成田に来たことないし、方向音痴だし、そんな長距離も走ったことないと思う。引き受けたのは良いけれど、ホントに無事に着くのかどうか.....」
でも、もう、こちらは待つしかありません。
18時にパスポートを受け取って地元を出発したという連絡が、留守宅の母から入りました。
19時に外環に入ったという電話がパパ・ライダーさんからありました。
こちらも、チェックインカウンターで事情を説明して、20時20分まで待ってくれることになりました。
19時半くらいまでは、待っている方も結構お気楽で
「何時何分に着くか賭ける?」
等と話していたのですが、20時に近づくにつれ、だんだんと落ち着かなくなってきました。
こちらから電話を賭けても繋がりません。
「たぶん、あと少し、っていうところにいるから、停まって電話をするより少しでも早く着こうとしているんだよね。」
と話しながら、車寄せで立っていました。
約束の20時20分になったので、JALのカウンターへ行きました。
とりあえず、子供4人と父1人が先に出国手続きへ向かいました。
電話をかけ続けながら母が
「たぶん大丈夫。私って、こういうのにツいているから...」
当事者の父も
「オレも、そう」
考えてみると、私も結構そういうところがあります。
「じゃあ、3人も運があるのが集まっているから、ホントに絶対大丈夫ョ!」
カウンターの係の人もロビーまで出てきて、関係各所といろいろ連絡を取りつつ、
「今がギリギリのところなんですが...」
と言います。
20時30分。電話をかけ続けていた母が叫びました。
「繋がった!」
「今、どこ?え、駐車場?どこの?」
少し話しましたが、双方居場所がわかりません。
カウンターの女性が電話に直接出てくれました。
「日本航空のカウンターの者ですが、今はどちらにいらっしゃいますか?(答えを聞いて)判りました。」
そこからの彼女の動きはスゴかったです!!
走り出しながら
「その方のお名前は?」
「○○さんです!」
後は、もう正にダッシュ!!(一緒に着いていった1人の母は、途中で見失ったそうです)
電話の向こうのパパ・ライダーさんに
「今、JALのお姉さんが行くから、そこを動かないで!」
電話をいったん切って、すぐコールバックがあり
「パスポート渡したって!」
ほどなく、先ほどの女性がエスカレーターを駆け上がってきました。
そのままカウンターへ直行してチェックインして、そこから別のお姉さんに引き継いで出国手続きに走ります。
手荷物検査も割り込みさせて貰って、ゲートの中に消えていきました。
パパ・ライダーさんには、とりあえずバイクを駐車場に入れて貰ってロビーまで来て貰うことにしました。
留守宅の母に電話をしました。
「間にあったって言ったら、なんだか涙声だったみたい...」
(そりゃあそうでしょ。)
先ほどのJALの方がカウンターに戻るところだったので
「ありがとうございました。」
と御礼をしたら、
「たぶん大丈夫だったと思います。」
と笑顔で答えてくれましたが、まだ息が弾んでいました。
時刻は飛行機出発の定刻ちょっと前。
この夏一番の出国ラッシュだったという成田のロビーも、この時間は閑散としてきました。
暫くして、パパ・ライダーさんがロビーに姿を見せました。
ヘルメットを担いで、ぷらぷらロビーを歩いてくる姿に思わず涙が涌いてきました。
「間にあった?」
「たぶん。どうもありがとうございました!!」
「4○歳のおじさんライダーにはキツイわぁ~~~」
見送りの親たち一同、揃って頭を下げました。
その後、送迎デッキに上がりましたが、出発スポットを確認しなかったので、具体的に「どの飛行機か」特定できずに、動いているJALの機体をいくつか見送りました。
パパ・ライダーさんに一服して貰おうと思いましたが、ほとんどのお店が閉店してしまいました。
かろうじて見つけたカフェテリア(これまたラストオーダー5分前)に入り、パパ・ライダーさんはカレーを食べながら、やっとみんなで一息つきました。
食べながら、
急に電話で呼び出されて、パスポートを受取に行って、更にバイクの調子が心配だったので、知り合いのバイクやさんで「1分で直せ」と言って直して貰ったこと。
料金所毎に、成田への道順と所要時間を確認していたこと。
関越は順調に走れて渋滞も問題なかったのに、首都高に入ったら道路幅が狭くて、バイクでもなかなか進めなかったこと。
おりしも、花火大会の集中日(?)で、360度で花火が上がっていたこと。
など、道中記を聞きました。
やはり、途中で電話は気になっていたけれど、一刻も早く空港にたどり着きたい一心だったそうです。
そして最後は
「いゃあ、あのお姉さん、速い!絶対アレは陸上短距離系だぞ!!」
JALのチェックインカウンターの女性。背も高くて、美人で外見もモデルさんのようでしたが、確かに、あの瞬発力・ダッシュ力・持続力と足の速さには驚異的でした。
「あの、お姉さんのおかげで「次もJAL!」って思うよね!」
みんな同意見でした。
人影の無くなった駐車場ビルで
一躍、ヒーローになったパパ・ライダーさんを拍手と声援で見送り、一同帰路に着きました。
「間にあって出発できたから言えるけど、実にいい思い出になったよね!」
(確かに!)
パパ・ライダーさんも
「着いたのはいいけど、飛行機出た後でした。って言われたらさ...」
本当にそんなことになっていたら、家まで帰る力が残っていなかったと思います。
(私たちもおんなじデス!!)
スタートから大波乱の今回の旅。
果たして、どうなりますことやら.....???