元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

前原をぶらりと麺すすり

2006年05月02日 | ラーメン
寒い時期の休日は、仕事関連の作業や、CD屋
レンタルビデオ屋に行く程度で、唐津から出ず
に過ごしていました。もちろん食べに行く
ラーメン屋も唐津市内ばかりでした。

でも最近は温かいので、少しばかりぶらつきたくて、
今日は前原に行きました。

少し前に多久の「大将」「後楽園」に行って以来
未訪問の店には行っていなかったので楽しみ
でした。

しかし、原付で舞鶴橋(唐津城の横)を渡ってい
ると、とてつもない強風に煽られ転倒しそうになり、
「202号線の海沿い通りは危険だから今日は断念
・・・」とも思いましたが、食べたい気持ちが勝っ
て行ってみる事にしました。

僕の行く手を阻むように、容赦無く台風並の強風
が襲い掛かってきます。海から吹き付ける強風に
原付のハンドルが取られ、スピードも出せない
状況でした。

また、海の打ち付ける波しぶきが、雨のように
路上に降りつけ、バサーッと波をかぶりながら
運転するという初体験をしました。

「もう帰りたい。行くんじゃなかった」と、
心でつぶやきながら、ようやく目的の1軒目。


「安全ラーメン」です。「安全食堂」の支店
ですが、「安全食堂」よりも、ややあっさり目
のスープでありながら、後から追いかけてくる
コクが後を引き、もう一口、もう一口とスープ
ばかりを飲んでしまいました。極細麺がまた
ユニークです。無カンスイなのか、中華麺独特
のプッツリ感は無く、とてもやさしい味わい
がスープとベスト・マッチしています。麺は
ソウメンの「揖保の糸」風の、上品な味と心地
よいのど越し、噛み応えでした。替え玉をしたので、
元ダレのチェックもしましたが、薄口醤油、塩、
昆布が主原料だと思います。スープ自体の旨みが
強いので、軽く味を補う程度にタレを使用している
のだと思います。かなり好みのラーメンだから
近いうちにまた行きたいです。


2軒目は「蔵太鼓」です。
僕がこの店に通っていた頃は、醤油ラーメンの
1つの味だけでした。3年ぶりぐらいの「蔵太鼓」
にワクワク感が高まりました。メニューを見ると、
ご飯メニューも充実して、「つけめん」(3種類)
「塩ラーメン」「醤油とんこつ」「トマトラーメン」
と、メニュー品目が増えていました。
「塩ラーメン」がメニュー化された頃ぐらいに「塩」
を食べおいしかったけれど、今日は定番の「蔵太鼓
ラーメン」を注文しました。
「ニヤニヤ」と、思わず微笑んでしまう旨みたっぷり
の澄んだ醤油スープは、温泉につかっているような
「あーーーーーーーー」と、全身を解されたような
快感があります。また、ランダムに縮れた多加水の
中太平打ち麺が、歯ごたえの快感を与えます。
そして、具が泣かせます。程よい歯ごたえで、薄味
のメンマがアクセントになり、口いっぱいに幸せを
運んでくるチャーシューは絶品です。
喜多方ラーメンの名店「坂内食堂」がラースタから
撤退して、本格派な喜多方ラーメンを味わえる店は
少ないので、これからも通います。
「蔵太鼓」みたいに、しみじみと心に響くラーメン
を食べると、インパクトうんぬんを言っているよう
なラーメンが子供じみて見えます。


3軒目「ラーメン力」
このラーメンには懐かしき日々をダーと回想させて
頂きました。このスタンダードな豚骨ラーメンは、
あちこちで食べたような味であり、福岡生活の
楽しかった思い出に浸りました。懐かしい音楽や、
昔の写真と同じく、食べ物にも同じような力が
あります。「ラーメン力」ははじめて行きましたが、
この飾らず、ありがちな味は是非とも続けてほしい
です。フリートッピングに、ゴマ、辛子高菜、
紅しょうがという博多ラーメンの王道を貫く
スタイルが嬉しいです。この慣れ親しんで飽きが
こない王道スタイルは、ニューウェーブ系のラー
メンに負けない博多人の魂がこもっています。
こういった王道スタイルには、王道スタイルの
客でありたいので、替え玉を2回し、辛子高菜
紅しょうがをぶち込んで、薄口醤油、濃口醤油
のブレンドにチャーシューの旨みが溶けこんだ
王道の元ダレを入れて味を変えながら完食しま
した。


前原を後に帰りながら「札幌ラーメンどさん娘」
に行きたかったけれど、残念ながら準備中の札が
かかっていました。ま、食べ過ぎると晩御飯が
入らなくなるから良かったのかもしれません。
でもチェーン店の「どさん子」と関係があるのか
気になります。

今日は、作り手の気持ちがこもったラーメンを
食べれて嬉しいです。

僕もラーメンの作り手とし、創作意欲の火種に
油が注がれた気分でした。

今月中には当店の味は格段に進歩すると思います。
飛躍的な進歩を望んで研究をするのみです。

乞うご期待ください。