hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

重力ピエロ

2009年12月06日 | 映画
 「重力ピエロ」よかったです・・・・夕べ何度も繰り返して観て、今日は目が腫れています。
 原作はミステリーということですが、映画はどちらかというと家族愛もの。原作を読んでいないので、こういうこと言うのですが、絞ったことが正解だったのでは、と思います。どっちも欲張ると中途半端になっていたのではないかな。
 現在のシーンと回想シーンで構成されているのですが、回想シーンの入れ方がなんとも絶妙なタイミングで良く作られているなぁと思いました。

 「春が落ちてきた」一番最初のシーンから大好きです。すごいきれいな映像プラス飛び姿。
 最初は春がそこの家の本当の子供ではないとは知っていたけれど、出生の秘密がわかっていなかったので、学校での事件や壁の絵を消す姿から、過剰にいい子であり続けることでバランスを保っているなんて、なんて痛々しいんだ、と一人勝手に突っ走ってしまいました。全然違っていはいたけれど、どっちにしても春の生き方は痛々しいですよね。
 内容については自分の中で温めるとして、キャストの感想を。ちょっと細かいですよ。

 春役の岡田将生も泉水役の加瀬亮もとてもぴったりで上手でしたね。加瀬君の大学生はかなり無理があったけれど、兄弟の結びつきが、たたずまい、表情、会話の間の取り方などによく出せていたと思います。
 子役はどこからみつけてくるんでしょう。ルックスだけではなく、表情まで似ているんですよ。とくに、2段ベッドでの二人の会話。完璧なタイミングで笑いだした弟君の演技力に脱帽しました。
 鈴木京香も良かったですね。「お財布忘れたなんて嘘でしょ」と言った時のトーンに「上手い!」と唸ってしまいました。毅然とした姿も、春が絵画で入賞したという電話が入った時の「なに?お母さん聞こえなかった。もう一回言って?」といった台詞がとっても自然に響いたところも。
 小日向さんは、う~ん・・・いいんだろうけど・・・なんか出すぎ(ごめんなさい)。
 そして写真の中の夏子さん、素晴らしい存在感です。もしかしたら他人の写真の中では私もあんな風に写っているんではないか、とゾッとしました。意識的にストーカーをした経験はないですけどねー(笑)

 最後に春がまた落ちて来るところもたまらない。

 とてもいい作品で、かなり気に入ったんだけれど、なんか書けない・・・本当は春ではなく、泉水に寄り添った姿勢でで映画を見ていたんだけど。
 好きな作品ってそういうもんですよね。原作を読みたいなぁ。
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