木馬が姿を現していく、前面の塀が取り払われ、打ち壊された頃には、闇が濃くなっていた。木馬が、その巨大な姿を夜の闇の中に現した。それを目にした兵は驚いた。
『ややっ!あれは何だ!』 暗闇の中の木馬は、兵たちにただならぬ恐怖を覚えさせた。木馬には引き綱がセットされている。どこからともなく集まってきた兵たちが、その引き綱に取り付いた。兵の数は、150人くらいと思われる。綱を引く者、木馬を押す者もいた。皆が木馬に取り付いた。
台車の車輪が鈍くきしみ始めた。木馬がそろり、そろりと動き始めた。濠を渡っていく、木馬は、見上げる兵たちを見下して、揺れながら、そろりそろり車輪をきしませながら前へ進んだ。濠を渡りきった。エペイオスは、ひと息ついて胸をなでおろした。
エペイオスは、引き綱を引いている兵たちを励ました。トロイの城壁を目指して木馬は進んで行く、木馬は引かれて、城壁近くの樫の木のほとりに止めた。今宵は、月がない、星明りも心なしくらい、漆黒の暗闇であった。運の良かったことは、気付かれることなく、ここまで運びえたことであった。トロイの城壁まで、まだ、かなりの距離がうかがえた。
木馬の大きな目は、暗闇を見透かそうとしている、その目線の先には。城の櫓があった。
『ややっ!あれは何だ!』 暗闇の中の木馬は、兵たちにただならぬ恐怖を覚えさせた。木馬には引き綱がセットされている。どこからともなく集まってきた兵たちが、その引き綱に取り付いた。兵の数は、150人くらいと思われる。綱を引く者、木馬を押す者もいた。皆が木馬に取り付いた。
台車の車輪が鈍くきしみ始めた。木馬がそろり、そろりと動き始めた。濠を渡っていく、木馬は、見上げる兵たちを見下して、揺れながら、そろりそろり車輪をきしませながら前へ進んだ。濠を渡りきった。エペイオスは、ひと息ついて胸をなでおろした。
エペイオスは、引き綱を引いている兵たちを励ました。トロイの城壁を目指して木馬は進んで行く、木馬は引かれて、城壁近くの樫の木のほとりに止めた。今宵は、月がない、星明りも心なしくらい、漆黒の暗闇であった。運の良かったことは、気付かれることなく、ここまで運びえたことであった。トロイの城壁まで、まだ、かなりの距離がうかがえた。
木馬の大きな目は、暗闇を見透かそうとしている、その目線の先には。城の櫓があった。