『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第13章  木馬大作戦  18

2008-06-11 08:45:37 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 プリアモスも我が目を疑って、この光景を見つめていた。

 BC11**年6月5日 の曙光がトロイ城市と戦野を山野を草原を、ヘレスポントス海峡をトロイの海を光で輝かせた。風は凪いでいた。緑は萌える、花が咲き盛る、鳥は夏を歌っている。陽は昇り行く、そして、照りわたった。
 戦野が白日のもとに、その姿をさらした。戦野にあった連合軍の陣営がない、10キロメートルにも敷かれていた船陣もきれいさっぱりとなくなっている。トロイ軍の攻撃を阻んでいた防衛柵も全てが燃え尽き、灰燼になろうとしている。
 彼等の目は海にも及んだ。海上にギリシアの黒い軍船があったのに今はない。この騒ぎがトロイ市民にも届いた。トロイ軍は門を開いてとび出した。それに連れて市民たちも城の外に出た。戦野の中の陣営地へ、船陣のあった海辺へと向かった。
 それらのところには、あちこちに燃え尽きようとする残骸がくすぶっていた。焼け野原には、動くものの姿が見えなかった。
 トロイの者たちは、眼前に広がる情景を目の当たりにして、どのように結論づけようかと迷っていた。