『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第14章  焼討炎上  5

2008-06-19 07:49:55 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『あとを話すんですかい。俺の言うこと信じてくれるんですかい。』
 『だから話せと言っている。お前の命なんか、いつでもとれる。話をつづけろ!』
 『奴等の魂胆は、逃げ帰るとき、この俺様をいけにえにする魂胆だったのだ。俺は木馬を造っている広場を通り抜けて逃げた。俺は必死に逃げた。奴等は、陣払いのドサクサでざわついていた。俺は、燃やされる前の船の中に隠れたりして、どうにか、城壁の下の池にたどり着いた。俺は、とにかく疲れていた、眠たかった。そこで草むらにもぐりこんで寝ていたら、この始末だ、貴様等に捕まったようなわけだ。判ったか。判ったら返事をしろい!やい!』 と毒づいた。
 『おい!ギリシア人、あの木馬は、何の目的で造られたか、言ってみろ!』
 『何だって、あの木馬はな、あの木馬はだな、オデッセウスがトロイの神殿から神像を盗んだ。陣を焼き払って、国へ逃げ帰るときのアテナの怒りが怖い、アテナの怒りを静めるために造ったものだ。アテナ女神をなだめるための貢物だ。判ったか。判ったら、この俺を自由にしたらどうだ。聞いているのか!』
 『それだけか。まだ何かあるだろう。みんな言え、言うのだ。ギリシア人め!』