木馬の腹胴の中は、人いきれと季節がらとで気が狂わんばかりに暑かった。換気のための細工は、木馬のタテガミの構造に隠されていた。効果の程は疑わしかった。
この腹胴に潜んで、もう、どれくらいの時間が経っているのだろうか、オデッセウスは、体内いや腹時計で時を探った。
エペイオスは、オデッセウスに触れてサインを送った。真っ暗な腹胴の中に、一条の光が走った。エペイオスは、光の入ってくる穴に目をつけて、外を見るように手まねで伝えた。エペイオスとオデッセウスのいるところ、そこは指令者の指定席であったのだ。穴の大きさは、直径1ミリくらいである。その小さな小さな穴から、わずかではあるが外の情景がうかがい知ることができた。目を穴につけなければ見えない。この腹胴の中にいて、盲目状態で過ごす不安感がやわらいだ。
オデッセウスは、50の目を代表して、外の状態をうかがい知った。シノンは、その穴の視野にはいなかった。
神殿前の広場に着いたのちの、広場の市民たちの喜ぶ様が、かいま見てチエックしたオデッセウスであった。
この腹胴に潜んで、もう、どれくらいの時間が経っているのだろうか、オデッセウスは、体内いや腹時計で時を探った。
エペイオスは、オデッセウスに触れてサインを送った。真っ暗な腹胴の中に、一条の光が走った。エペイオスは、光の入ってくる穴に目をつけて、外を見るように手まねで伝えた。エペイオスとオデッセウスのいるところ、そこは指令者の指定席であったのだ。穴の大きさは、直径1ミリくらいである。その小さな小さな穴から、わずかではあるが外の情景がうかがい知ることができた。目を穴につけなければ見えない。この腹胴の中にいて、盲目状態で過ごす不安感がやわらいだ。
オデッセウスは、50の目を代表して、外の状態をうかがい知った。シノンは、その穴の視野にはいなかった。
神殿前の広場に着いたのちの、広場の市民たちの喜ぶ様が、かいま見てチエックしたオデッセウスであった。