『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第13章  木馬大作戦  13

2008-06-05 08:07:56 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 パルタカスは、海峡管理隊の兵を引き連れて、帰陣、メネラオスに復命した。彼等は小休止したあと、陣営及び船陣の撤収作業に当たった。兵の損害がほとんどなかったことにメネラオスは、ことのほか喜んだ。
 オデッセウスは、トロイ側に顔の知られていない、最後の大役を任せられる兵を探していた。木馬に不審を抱く者に調べられたり、木馬を壊そうとされたりしないためとトロイ市民の手によって、難なくトロイ城市内に引き入れられるように、詐略の説得と演技をしてくれる者を探した。オデッセウスは探し当てた。ボイオチア軍団の将ぺネレオスの具足持ちをしている若い兵でシノンいう者であった。オデッセウスは、この者の資質を見抜き、役務となすべきことを詳しく説明して、この大役を彼に任せた。うまくやってくれるか、どうか。結果はやってみなければ判らないが、そのシノンという男に莫大な成功報酬を約束した。このことがうまくいかない限り、この奸計である謀略の成功がない。不安が頭をかすめるが、作戦の失敗は有り得ない、と、オデッセウスは、強い自信力と思念の伝達で、シノンが行う詐術を成功に導くことにした。